まっぷたつの先生

著者 :
  • 中央公論新社
3.03
  • (3)
  • (11)
  • (10)
  • (10)
  • (3)
本棚登録 : 116
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120048593

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 教師も一人の人間。
    お気に入りの生徒がいれば、苦手な生徒もいる。
    生徒皆に対し平等に接するのは難しい。

    二人の女性教師と二人の女生徒が時を経て交錯。
    それぞれが過去を振り返りながら交流を深めていくさまが、痛々しいけれども潔くてよかった。

    中央公論新社さん、こちらは文庫化してください。
    ついでに『イギリス海岸ーイーハトーヴ短篇集』もお願いいたします。

    作中に登場した高政の笹かまぼこ、ぷちあげたまねぎをまずいただきましたが、とてもおいしかったです。
    好きな作品に出てきたものは手に取ってみたくなります。

  • 2人の小学校教師と2人の元教え子を中心に、それぞれの視点で物語が綴られる。仙台、東京、甲府と、異なる場所で異なる人生を歩んできた登場人物が、出会ったり、ニアミスしたりと、よく練られた内容で、登場人物の誰にも感情移入しなかったが、それでも面白く読めた。
    興味深かったのは、登場人物が使うフェイスブックやツイッターというSNSが多用されていたことか。こういう形で小説内にSNSが使われることは、今後増えこそすれ、減ることはないのだろう。

  • 職業柄も、また筆者と同世代で、そして故郷など共通点も多いせいか、共感するところが多く、久々に内省につながる作品でした。

  • 先生も人間。意識の高い人ばかりではない。それもある程度の年齢になって気付くもの。ただ、自分は先生には向いていないとわかっているのに、男の影を追いながら教師を続ける。その時に子どもを傷つけたことをずっと悔やみ、何年も経ってからその子の元へ謝罪に行くなんて、自分勝手の何物でもない。そんな沙世先生には感情移入なんてできない。

  • 見る人の視点によって、その人の評価が変わる。罪の意識をずっと持ち続けて20年間を過ごした先生には、これからの人生、幸せに過ごしてほしいと思う。しかし、その20年間にも新たな日常生活は営まれていて、その積み重ねがその人らしさを形づくっていき、今の人柄ができているように思います。

  • 人物を整理しながら読まないとこんがらがってくる小説でした。みんな辛そうだつたりエキセントリックだったり…

  • タイトル的には、2人の先生が出てきて、2人の生徒が出てくる。それぞれの一人称が交互に書かれて物語が進むのだが、タイトルが意味不明なくらいに回想と現実、誰が誰?と読み進めると、あ、これは回想シーンかってわかるが、また急に現実に戻ったり、その間の行間もないので非常に読みづらく、だらだらと進む。
    で、結局だれの何を強調したかったのかもわからないし、4人がそれぞれどうなのかもよくわからない、どうしたいのかもわからない。
    図書館で人気作家コーナーに置かれていたので借りてみたが
    いまいちだった。
    総評して物語的には悪くなかったが構成が酷すぎた作品。

  • 誰の何を描きたいのかが全然わからなかった。タイトルに「まっぷたつ」とあるけれども、登場人物がみんなごちゃごちゃしていて、むしろもう少しハッキリしてくれ、という感じ。

  • うーむ。
    先生と生徒の当時と現在と震災。
    視点が変わるのがわかりづらかったし、
    先生にただの人感が出過ぎてていまいち。
    よい子が実は腹黒かったり、賢い子が先生ウケがよかったり、小中学生の先生は大変だと思うけど、
    自分が子どもだった頃、大好きな先生はいなかった。
    親になって、子どもの先生に感じいい人はいたけど、わが子がどう思っていたかは謎。

  • 仕事上のキャラクターとプライベートの乖離に苦しむ人っているだろうと思ってた。それが聖職と呼ばれる職種ならなおさら。

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1976年生まれ。2006年、『風化する女』で第102回文學界新人賞を受賞しデビュー。2022年、『あなたに安全な人』で第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。他の著書に、『月食の日』『夜の隅のアトリエ』『まっぷたつの先生』『雪子さんの足音』などがある。


「2023年 『夜のだれかの岸辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木村紅美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×