アイデアは敵の中にある -「結果」を出す人は、どんなコミュニケーションを心がけているのか
- 中央公論新社 (2016年10月19日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120048982
感想・レビュー・書評
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授業にゲストとしてお越しいただいた根津さんの、アイディア発想やコミュニケーション術の本。なにか新しいプロジェクトを進めるとき、特に大企業や役所の方々と組むときに、どうしてもぶつかる「壁」。これを災難のように捉えがちであるが、逆にブラッシュアップの材料として活かしてしまおうという、まさに逆転の発想術。そもそもコミュケーションする相手は他人であり、相違点があって当たり前。日本では「阿吽の呼吸」に代表される「察する文化」を長く継続してきたので、摩擦を恐れる傾向があるんだろうな。欧米はどちらかというと「理解する文化」。世の中、オープンでグローバルで多様性を大事にとかいいながら、「空気を読む」ことを評価したりする。少しづつ変えていかないとね。特に本書にある「コミュニケーションの問題は相手のなかに良い点を見いだせていない自分の問題である」という指摘は今後心がけていきたい。
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創造的なことを成し遂げる上で欠かせない"他者とのコミュニケーション"に関する本です。
本書のタイトルには"敵"という言葉が使われています。読み始めた時はどうして"敵"なのか、ピンときませんでしたが…会話中に対立してしまう会話の相手が"敵"ということのようです。
本書では、そのような相手と自分の間にある壁を壊すための心構えが述べられています。
著者の心構えはきっと、別に創造的な仕事の現場だけに限らず、日常生活でもとても役立つに違いないと感じました。僕自身も意識したいです。
具体的な体験談も多く、文章も大変読みやすかったです。
(本書はブクログさんの献本企画で戴きました。空き時間に少しずつ読んでいたので、届いてから読破しレビューを書くまでに、時間が掛かってしまいましたが、とても良い本をありがとうございました。) -
ブクログの献本サービスで初めて当選した。
本を開いたら飛び出した写真を見てドキリ。
前に偶然Webで見かけたウロボロスに、ゼクー。日本にもこんな素敵な乗り物デザインが出来て、且つ実車として仕上げることが出来る人がいるんだと驚いたことを思い出した。
デザインにうるさい訳でも、センスがいい訳でもないが、ちょっとしたディテールにこだわってしまう部分がある。
このウロボロスのリアタイアが片持ちであるところなんか激刺さり。昔単車好きだったころに、ホンダから発売されたVFR400(だったかな)が、片持ちのリアタイアだった。
欲しくてたまらなかった。高校生の手には出来なかったけど、ものすごく自分にはしっくり来るデザインだった。
デザインの重要性は実感としてはわかってるつもり。
さて、そんな著者が進めてきた中で『リモノ』というものがある。これこそ正に今必要とされてるんじゃないか?
母も70を過ぎていますが、田舎暮らしなので車は必需品。でも最近のニュースを見てるとものすごく心配。スピードを出すわけではないので、そもそもでなくていいし、ぶつかっても固くないもので出来てると少しでも危険度は下がる。最近テレビで見た風船の中に入ってやるサッカーも思い出す。ぶつかっても、すっ飛ばされても怪我しない。
これが車にも採用されてたら?もちろん普通に歩いてる人にぶつかったらダメだけど、鉄の塊とは全然違うだろう。
そんな風に世の中に優しい社会作りが進んでいくといいな。と考えさせられる素敵な本でした。 -
ブクログさんより献本していただきました。
ちょうどコミュニケーションについて考えていたので、
ぴったりの本に出会うことができました。ありがとうございます。
先に結論を言うと、とにかくおすすめの本です。
【コミュニケーションに悩むたくさんの人】に紹介したいです。
著者の根津孝太さんについて私でもわかる範囲でご紹介させていただくと、
元トヨタのプロダクトデザイナー(ファッションデザイナーとは違います。
見た目だけでなく使いやすさや製品の機能が最大限発揮できることも求められます)で、今は独立されています。
車にうとい私でも知っているものとしてはサーモス社の水筒のデザインも根津さんのお仕事です。ものすごく当たり前に存在するデザイン。これこそプロダクトデザインって感じですね。
今も昔も世の中には人間関係の悩みが尽きません。
その対策として、あまり自分を出さないようにする人が多いように感じます。
そのほうが世の中を要領よく生きられる。賢い。と考えられているように思います。
仕事の上でも些末な業務の順番に悩むことを少しでも減らせる。そう考え、企業も従業員が仕事に集中できるようにマニュアルを強化させた結果、結論ありきで話を進められてしまってイレギュラーな対応ができなくなってしまっている印象があります。
これが仕事の効率化だけでなく生き方にまで反映されて、違う考えの持ち主を敵とみなしてしまう。
こじらせて本人に直接言えばいいのにわざわざ本社のお客様相談室に言いつけたり、
話をちょっと盛ってインターネットで拡散させようとする。
想定外の事を言われると、キッとにらみつけて怒り出す人もいます。論破するなんて言葉も、最近よく耳にします。
そんな「私の意見を聞いて!」が強すぎて聞き手を攻撃してしまうことを、根津さんは”苦いパウダー”と表現されています。
ちょうど龍角散のど飴を思い出しました。
口に入れてすぐは苦いというか、薬っぽい味なのですが、しばらく味わっていると
ほんのり甘いんですよね。怖そうと思う人も、あの人とは合わないなと思う人も、
自分が勝手に苦いと思っているだけかもしれない。そう思って思い切って話しかけてみると意外と自分の苦さを自覚していたりするもんです。
この本の中には、コミュニケーションで相手と自分の共通を問題点を探った結果
お互いに満足できた事例だけでなく、実際のモノづくりにおいての成功例が多数紹介されています。
モノを作るだけでなく、上司の立場、部下の立場、子供の立場など、いろんなところで応用できると思います。
この本がすごくいいと思ったのは、こうするべき!とか、だからあなたは間違っている!というような強い表現が見当たらない事です。
みんな否定されるの怖いもんね。
出てくるのは”こうしたらすごくよかったんです(ニコニコ)”みたいな。優しい文章。根津さんの、少しでも多くの方にコミュニケーションを通じて何かを成し遂げる事の素晴らしさを感じ取っていただけたら…という思いが伝わります。
そのこだわりは意外なところにも…それは読んでからのお楽しみです。
エピソードの中で特に良かったのは〈Ouroboros(ウロボロス)〉と〈zecOO(ゼクウ)〉のお話です。
なんのこっちゃ?と思った方は是非読んでみてください。本の帯に出ている「クリエイティヴ・コミュニケーション」というものが、すごくわかるお話と思います。
人間関係で悩む方、今のままの自分でいいのかな?と疑問を感じている方、感じていない方も!優しい言葉に心がほぐれます。是非読んでみてください! -
ブクログさんからの献本。
ありがとうごさいます。
○基本篇・根津さんがコミュニケーションを得るまで。
○実践編・根津さんが培ったコミュニケーションで出来た製品
○技術篇・コミュニケーションを行う上での心構え
の章だてです。
○自分一人では生きていけない。
○ただ知りあいになるだけでなく、何か一緒に新しいことを始めて形にしたい。
○相手を巻き込む為には、相手に楽しんでもらわなくてはいけない。
と、コミュニケーション以上のクリエイティブ・コミュニケーションを作り出すきっかけが満載です。
そして、つくづく一番ダメなのは「他人事」だと思いました。自分に関係ない「無関心」がクリエイティブを阻害しているのでしょう。「自分事」「自分の好き、楽しい事」になると、人間は考え→行動します。やはり、快がキーワードなんですよね。
「面倒がない今のまま」か、「大変だけど新しく面白い。」小さな事から後者を始めたら、人生が楽しくなるかも。と凡人の私は思いました。 -
ブクログのプレゼント企画にていただきました。ありがとうございます。
著者の根津氏は愛・地球博のトヨタパビリオンのi-unit、サーモスの水筒などなどを手がけられた方で、その工業デザインのもともとのものから最終的に公開、市販されるものになるまでに関係する方々とのコミュニケーションについて、どちらかと言うと物ベースでの話が中心。
経験談をベースに書かれているのでやたらに抽象的でないため理解しやすい反面、これは実行が難しいだろうなと言うような内容をサラッと書いてあったりするので注意が必要でした。
コミュニケーション本ならとプレゼント応募しました。
タイトルや表紙からは自己啓発系でも箇条書きで注意点やテクニックが書かれている的なイメージだったのですが、出てきたものが経験談ベースだったので良い意味で裏切られました。ゆっくりと考える切っ掛けとなるいい本だと思います。 -
おたがいのコミュニケーションを阻害する「デフォルトの壁」
相手の「当たり前」=「デフォルト」を想像し、「デフォルトの壁」を超えていく技術!
新しいアイデアは、往々にして敵対する人のなかにあるものです。敵対するということは、自分だけでは気づけない〈何か〉が、相手のなかにあるからです。
それを探らないで最初から突っぱねてしまうのは、非常にもったいない。
「会話のなかに反対意見が差し込まれたら、ラッキーと思え」。
相手の異論を宝物として、「戦略的な思考」をもって向き合うことの意味です。
それは「自分を成長させてくれるまたとないチャンス」なんです。 -
人間は1人で生きていけない。
ひとりきりでいるときの自分は、極論すればいないのと同じ。
相手がいて初めて自分は存在できる。
そんなことを気付かされる一冊です。
自分のプロジェクトで本当に悩んでいる時に出会った本でしたが、心が楽になりましたし、前を向こうと思いました。
著者に感謝したいです。 -
共同作業をおこなって実績を出す際に問題となる
セクショナリズムとコミュニケーションにてついて
著者の経験をもとに展開する内容
ノウハウ本として読むには内容が少し薄いかも
気づきによりコミニケションが変わるとは思うし
それを体験されての内容でそのとおりと思うが
だからどうしたらいいのかもう一つ突っ込んだ
観点からの切り口がほしいところだが。。。
プロダクトのイラストなどは素敵なのでそちらの
ほうが楽しめる -
「デフォルト」は違う。この一言を拾えただけで良かった。多くの先人が同じことを手を変え品を変え、主張してくれている。少しまとまった。議論中に戦わない、という指針も良い。確かにいつの間にか言い負かすことが目的になっているメンバが多い気がする。そうでもないことを知るためにも本書を読んだ甲斐があった。
著者プロフィール
根津孝太の作品





