女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 5218
感想 : 385
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049101

感想・レビュー・書評

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  • ひたすら優しい。優しさが溢れている。

    「誰かと一緒にいたくて、でも、しがらみのある友人や知人とは喋りたくない。そんな矛盾した人恋しい夜が、誰にでもあるものよ。」
    そう、本当にそう。そんな時にこんなお店があって欲しい。でも無いよなあ。

    「目一杯がんばったなら、もうそれ以上、がんばる必要なんてないのよ。」
    コップ一杯に溢れそうな心を抱えてるときに、こんなこと言われたら、涙と一緒に溢れてしまうよなあ。

    • Risa☺︎さん
      コメントありがとうございます!
      こんな素敵なお店があれば絶対に常連になります。笑
      コメントありがとうございます!
      こんな素敵なお店があれば絶対に常連になります。笑
      2021/02/16
  • シリーズ2
    小さな中庭のある古民家風な一軒家。
    昼間は、ダンスファッション専門店。夜は、ドレスや小物を作るお針子たちの賄いを、気まぐれに振る舞う不思議な店。
    インドネシア語で"夜食"という意味を持った、夜食カフェ「マカン・マラン」
    オーナーは、ドラァグクィーンのシャールさん。
    彼は、完治が難しい病を抱えていて、今年初めに受けた手術は、成功したが、術後5年は、予断を許さないらしい。

    今回も"自分"を持てず、悩む、女子派遣社員。
    老舗旅館の次男で、長兄の急逝で、旅館の跡を継ぐように母から請われ悩む、漫画家志望。
    タワーマンションに住み、誰もが羨む裕福な奥様と見られているが、小学生の息子が「発達障害ではないか」と悩む女性。
    高2の娘が、急に進路を理転すると言い出し、それに反対し、娘に無視され悩む、シャールの中学時代の同級生で、常連の教諭の柳田。

    悩みを抱えた人達が「マカンマラン」に、ふと立ち寄り、雑然と置かれた、アンティークな家具や、マクロビオティックを基本とした、身体にも心にも優しい料理と、シャールさんが持っている、温かさにふれ、自分を取り戻して、一歩前進する。

    シャールさんのお父さんが亡くなり、証券マンとして、海外で活躍している時に、急に「オカマ」になった事を「父親に申し訳無かった。父には何一つ、親孝行ができなかった」と 嘆くシャール。
    それを聞いて、「お前は病から、ちゃんと戻ってきたじゃないか」と言った柳田の言葉が、沁みた。

  • マカン・マランのゆるりとした空気に浸りたくて、再び訪れた

    文中にマカン・マランを表して、 "まるで深い海の底のようだ" という記述がある
    '"形も色も違う魚たちが、思い思いに揺蕩っている。少しでも弱いものを皆でつつきまわそうとする殺伐さがどこにもない "と
    何と的確に言い得ていることだろう

    だからこそいろんな悩みを抱え、肩をいからせ闘っている人が、この部屋に入り、シャールさんを前にすると、堰を切ったように堪えていた涙をこぼす

    自分を殺し、引きつった愛想笑いを浮かべ相槌を打つことで、職場での居場所を保っていた派遣社員の真奈
    自分は兄の代わり、できの悪い劣化コピーでしかないとうつむき肩を震わせる漫画家志望の裕紀
    発育障害の疑いがある一人息子のために一生懸命に頑張るあまり
    息子を追い詰めてしまう未央

    本当にみんな一生懸命生きている! 生きていくってこんなにしんどくて、つらいのかと思うくらい一生懸命
    読んでいる私まで胸が苦しく、泣きたくなるほど

    でも、シャールさんは、そんな人たちの肩に手を置き、静かに言ってくれる
    ☆ 充分ー。それだけで充分よ

    ☆ もうがんばらなくていいんじゃないかしら。目一杯がんばった
    なら、もうがんばらなくていいのよ

    ☆ 生きていくのって、寂しいのよ。だって、世の中は、儘ならな
    いことだらけじゃない。どんなに思い合ってても、分からない
    ことはたくさんあるし。

    ☆ 幸福の裏には、いつも寂寥が潜んでいるの。でも、人生って
    きっとそんなものなのよ。だから、私たちは一生懸命になれる
    のかもしれないし

    ☆ 思い詰める必要はないのよ。一旦力を抜かなきゃ、新しい力は
    湧かないものよ。たまにはサボりなさい

    シャールさんの存在って、暗い入江に立つ灯台のようだと思った
    迷いそうな時、さりげなく道を示してくれる
    そして、しんどいのは私だけじゃないんだ。ゆっくり進めばいいんだと勇気を与えてくれる

    心にしみじみと沁み込んでいくような読後感が心地よい

  • マカン・マラン2作目。シャールさんが無事に戻ってきてくれてよかったぁ〜。いつもの常連さんに新しい仲間も加わり益々賑やかくなるマカン・マラン。
    今回もシャールさんの言葉が心に響きまくりでした。
    ジャダさんと柳田先生とのやりとりは、毎回笑わされます。
    3作目も早く読みたいです!

  • シリーズ第2弾。

    シャールさんのその後が気になりつつも、前作を読み終えてから気づけばはや半年が経っていました。

    シャールさんは無事に「マカン・マラン」へ戻ってきます。

    そしていつもの美味しい料理とクラッシックの調べ。

    肌寒くなってきた季節に心が温かくなる作品です。

    説明
    内容紹介
    お待たせしました! シャールさん&「マカン・マラン」復活です!
    病に倒れていたドラァッグクイーンのシャールが復活し、いつものように常連がくつろげるお店に戻った「マカン・マラン」。
    そこには、やはり様々な悩みを抱えた人たちが集ってきて?
    〈擬態〉だけ得意になる、ランチ鬱の派遣社員へ「蒸しケーキのトライフル」。
    夢を追うことを諦めた二十代の漫画家アシスタントに「梅雨の晴れ間の竜田揚げ」。
    子供の発育に悩み、頑張り続ける専業主婦へ「秋の夜長のトルコライス」。
    そして親子のあり方に悩む柳田とシャール、それぞれの結論とともに食す「再生のうどん」。
    共感&美味しさ満載、リピート間違いなしの1冊です。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    古内/一絵
    東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年『快晴フライング』(ポプラ社刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 心が疲れている時に寄り添ってくれる本。前作よりも重い話が多いから考えさせられる。家族とは他人よりも関係が難しい。

  • 本当にいいなぁ…としみじみ思います。
    暖かくて美味しい食事とシャールさんとジャダさんの対照的だけど2人がいることでほっこりできるマカン・マランが大好きです。
    それぞれの人の悩みを優しく解決に導いてくれるシャールさん、ゆったりとして癒されるのに早く続きが読みたくてついつい急いで読んでしまいます。

  • ぐいぐい引き込まれて、一気に読んでしまいました。1作目よりも完成されているような気がしました。
    今回は、比佐子さんのアパートに住む漫画家志望の男の子や、シャールさんのお店に怒鳴り込んできたPTAの人たちなど、前作と関わりのあるお話もありました。そして、みんながシャールさんに惹かれて、マカンマランにやってくるようになります。ほんとにシャールさん人たらし(笑)
    私の好きなメタボクソオヤジの柳田さんvs元ヤンキージャダさんの口は悪いけど、なんだかほっこりする喧嘩もあったりして、思わずクスッと笑ってしまいました。この2人、ほんと良いキャラなんですよね〜
    今回も、悩みや辛さを抱えた様々な環境の様々な人たちがマカンマランにやって来て、シャールさんの美味しい夜食と優しい言葉で、一歩踏み出せる勇気をもらう。
    シャールさん自身のこともあり、前作よりもウルウル率が高かったような…

    後2作とても楽しみです♪♪

  • 2作目も一気読み。とにかく愛に溢れ温かかった。今回は親子関係がフォーカスされていた。親子だからこそ、より強く相手に期待したり求めたりして、相手が思い通りにならなかったときの反動もまた、大きくなってしまうように思う。考えてみれば、親子ほど時が経つにつれ、互いの距離感が変わっていく関係って他にないのでは。

    主人公たちは、変わりゆく親子の距離感を修正し、それぞれの個を尊重しようと葛藤していた。それが叶った人、叶わぬままに術を失ってしまった人、時間が解決するのを待つ人。親の気持ちはまだわからないけれど、あのときの親の気持ちってこんなんだったのかな、親って大変だな、でもありがとう、と思いながら読了。そうして私も親との距離感を少し修正。

  • シャールさんが無事に戻って来たシリーズ2作目。
    1作目からの登場人物も健在ながら、今作では職場の人間関係に悩む派遣のOL、漫画家を目指しながらも、志半ばで実家の旅館を継ぐ覚悟を決める20代の男性、「子供が発達障害かも」と悩む専業主婦などが、身も心も疲れ果てて、「マカン・マラン」にたどり着く。
    今作の話は、どの作品も心にずっしり来る。
    それぞれ悩みが違うのに、シャールさんの言葉がまるで自分が言われているみたいで、読んでいて涙が止まらない。
    自分の固定概念にがんじがらめになって、苦しくって、誰かに背中を押して欲しい・・・
    そんな時に読むと本当に救われる。
    現実にシャールさんがいたらなぁ・・・
    料理の知識も本当に豊富で、とても真似が出来るほど器用ではないけど、この作品で学んだ知識をいつか活かせるぐらいになれるかなぁ・・・
    ラストの章のシャールさんの同級生の柳田先生の不器用な優しさも心に響く。
    本当に心温まる優しい物語。

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出、第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞。他の著書に「マカン・マラン」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』『鐘を鳴らす子供たち』『お誕生会クロニクル』『最高のアフタヌーンティーの作り方』『星影さやかに』などがある。

「2021年 『山亭ミアキス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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