村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 397
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049675

感想・レビュー・書評

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  • 1980年代初め頃から、ほぼ同時代的に彼の翻訳したものを読み続けて来たけれど、先に息切れしたのは私だった(笑)
    読むの追いつけないほど訳すって凄すぎる。
    後半の柴田先生との対談を読むと、翻訳が楽しくてしょうがない様子がよくわかる。
    翻訳作業は「究極の熟読」。写経と同じで、いちいちぜんぶ引き写している、本当にいい勉強になる、と。

    また、アンソロジーや短編集が好きな村上さん、最近の電子書籍の短編ばら売りに、「あれはどうかな」と言っていた。確かに一冊の書籍にする際にどんな作品をどんな順番で入れようか、すごく悩んで時間をかけているはず。「総合的な成り立ちを大事にしていかなくちゃならない」って、同感。

    カタログとしてもわくわくが止まらない、素敵な本です。

  • 良書。盟友柴田元幸との対談もよいが、村上春樹の翻訳家としての全仕事について、なぜこの本をその時期に自分が翻訳しなければならなかったのか、という村上自身の現時点での見解が紹介されている点に何よりも価値がある。原書の写真も全てカラーで紹介されており豪華。ああ、これ読んだなとか、これ読んでみようとか、次に繋がる本であり、最良のブックガイドである。印象的だったのは、村上春樹の中で、(知ってたけど)、フィッツジェラルドとカーヴァーは特殊な位置づけであること(改めてカーヴァーを読み直してみようと思った)、カーヴァーの全翻訳は愚作も含めて翻訳しなければならないので辛かったとの点である。4月27日発売のインタビュー集「みみずくは黄昏に飛び立つ」もとても楽しみ。MONKEYで川上未映子のインタビュワーぶりが素晴らしかったからである。

    以下備忘録
    【小話】
    ・「空飛び猫」シリーズは、村上春樹の読者に勧められて翻訳したが、その読者とは、ポスドク時代の福岡伸一であった(!)
    ・中央公論の山荘で缶詰になっていたとき、朝から仕事をする村上春樹と、朝まで仕事をしていた橋本治が、朝のひとときを源氏物語(!)の話をして過ごしていた(源氏物語の何を話していたのだろう?)
    ・早川書房は翻訳部門が充実しきちんと校閲をしてくれるため、柴田元幸がアドバイスしていない。

    【読んで面白かった村上春樹の翻訳小説】
    ・Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選
    ・誕生日の子どもたち

    【今後読もうと思う村上春樹の翻訳小説】
    ・ワールズ・エンド(世界の果て)ポールセロー
    ・極北 マーセル・セロー

  • 学生時代、ひたすら英語の論文を読んでいた。文学とか小説とかじゃなく、心理学だけどね。だから必要事項を読み取ることは、そこそこできると思う。ただ経験上、読解するということと、翻訳する、つまり日本語の文章にする、というのはまったく別ものだ。意味はわかってんだから、次の文章に行きたいのに、翻訳するとなるとそうはいかない。延々、つまっていたりして、じれったい(苦笑)。本書を読んでいると、そんなじれったさでさえ、楽しんでいるんだろうなぁということが感じられてね。院生時代、この本を読んでいたら、ちがう楽しみ方をもって、勉強に向かえていたかもしれない(笑)。

  • 2017年刊。
    贅沢すぎる本を買ってしまったと、読むのがあまりにも自分には贅沢でもったいないので(意味わからないかも)ずっと、積読状態でしたが、やっと読みました。

    村上春樹さんが翻訳された本が、全部カラー写真で載っています。
    たいした読書家でもない(読書好きではありますが)私が読むのはもったいないと思ってしまいました。載っている本のうちの数冊はうちの本棚にやっぱり、これまた積読されています。

    実際、読んだのは、『レイモンド・カーヴァー傑作選』と恋愛アンソロジーの『恋しくて』くらいでした。
    レイモンド・カーヴァーは面白かったので(全64作を訳されているそうなので)他の作品も読んでみたいです。
    他にも、サリンジャーとか、フィッジラルドとかも積読してますが・・・。
    やっぱり私には贅沢な本でした。

  • タイトルそのまま、村上春樹の翻訳ほとんど全仕事について。

    村上春樹の翻訳をわりと読んでるなと改めて思ったし、同時に、そこまで読んでなかったなとも思った。そもそも訳者が村上春樹だってことをすっかり忘れているものもあったし、村上春樹が訳してなかったら読まなかったかもというのもあったし。レイモンド・カーヴァーは、村上春樹が訳さなかったら日本でこれほどまでに読まれなかっただろうなぁ。

    ひさびさにちゃんと机にむかって翻訳をしたくなった!

  • 『極北』がすごく良かったので、いまさらこのような本を手に取ってみた。これまで、多くの村上春樹訳を手に取ってきたが、外れがない。

    小説もエッセイも好きだが、翻訳もまた格別の作品になっている。

    本書は、あくまでカタログと思った方がよい。『翻訳夜話』等で読んだ話題が繰り返されてような気がする。

  • 好きだーーやっぱりこの人の文章と、この人が使う言葉がすごく好きだ。。まだ彼の翻訳本は読んだことがないけど、どっかのタイミングで読みはじめよう。あと、村上春樹本の英訳版も、読んでみたいなと思った。

  •  
    ── 村上 春樹《翻訳(ほとんど)全仕事 20170317 中央公論新社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4120049671
     
    …… 自身の手がけた翻訳についてつづって出版したのを記念し「本当
    の翻訳の話をしよう」と題して開いた。国内の公開の場で話をするのは
    珍しい。「翻訳から書き方学んだ 20170427 トークイベント」
     
    https://mainichi.jp/articles/20170428/ddf/041/040/006000c
     
    …… オウム真理教の元幹部ら13人の死刑が今月執行されたのを受け、
    作家の村上春樹さん(69)が毎日新聞に文章を寄せた。1995年の地下鉄
    サリン事件に衝撃を受けた村上さんは、被害者や遺族へのインタビュー
    を著作にまとめ、裁判の傍聴を重ねるなど、深い関心を寄せ続けてきた。
    「胸の中の鈍いおもり」と題する寄稿で、刑の執行への複雑な思い、
    裁判での印象、残された課題について率直につづっている。
    (この記事は有料記事です)。
     
    https://mainichi.jp/articles/20180729/ddm/003/040/004000c
     
    ── 村上 春樹《アンダ-グラウンド 19970313 講談社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4062085755
     図書館で借り、自炊(スキャン)し、自前のデータベースに加えたが、
    この著者の意見を、もういちど(有料で)聞きたいとは思わない。
     
    (20180729)
     

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=329784

  • 村上春樹さんの翻訳に対する思いと、アメリカ小説に対する深い思い入れを知ることができる。アメリカ小説、というよりも特定の作家であるが、日本ではまだ翻訳されていない、知られていない作家の本を原書で読み、面白さを見いだし日本に紹介したいという思い。その思いだけで、これだけの数の本を翻訳するのもすごいと思います。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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