知的機動力の本質 - アメリカ海兵隊の組織論的研究

著者 : 野中郁次郎
  • 中央公論新社 (2017年5月8日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049743

知的機動力の本質 - アメリカ海兵隊の組織論的研究の感想・レビュー・書評

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  • アメリカ海兵隊の組織分析から今の時代に必要な企業組織を浮かび上がらせている。もはや希薄になりきった昔の日本企業の強みと見事に合致しているのがなんとも。あの強み(現場力)はどこへ行ってしまったんだろう。グローバル化、成果主義、短期(サラリーマン社長)経営などで削ぎ落とされて行ったんだね。ただ、大きな企業がこんな組織になることはもうなさそう。WLBとは別方向だよな。ベンチャーか社内の一部の組織かな。

  • 海兵隊員とかに興味を持つ人って日本だとあんまりいなさそうだけど、鬼軍曹とかが出てくるやつのもとはこの人達かも。軍隊xイノベーション=海兵隊っていう文脈での本で、大変面白いです。ブートキャンプと呼ばれる地獄の訓練が、組織構成員の全員に対して行われていて、それが共通文脈、暗黙知の基本となっている。テクノロジーへの対応としては、”ライフルマン”と組織構成員全員が定義されており、技術、道具、そこへの一体化、人体の拡張などが共通理解となる。そのなかで、3人一組の現場への権限委譲組織が機能するようになる。全ての戦争は一期一会なので、共通のプロセスを作ることは意味がない。そういった意味で戦争はサイエンスであると同時にアートである。コミュニケーションはシンプルである。

  • 北村淳著のMCDP-1の邦訳(絶版)が再録されているだけでも(これは1997年バージョン)読む価値あり。
    野中先生はJohn Boydのアメリカ海兵隊に与えた影響を淡々と書かれているが、もっと本質的に影響を与えた事は書いて欲しかったな。OODAループの件も今まで既存の著作としては一番丁寧に記載がされているが、ここはもう少し掘り下げ欲しかった。(野中先生のSCSIモデルとの対比で書かれている。)
    戦争、とか軍隊とかの言葉で忌避する人、多いと思いますが、ご一読おすすめです。
    MCDP-1については経営者なら特に読む価値あり。
    戦争という言葉を企業生存(サバイバルモード)と読み替え、あとは戦略、戦術、作戦のあたり、人事にまつわる事等、ハッとさせられると思います。
    この辺りにもBoydの匂いがプンプンします。
    是非

  • 戦争の理論と実践は、ビジネスでの戦略立案とアクションに通底するものがあるのだろう。
    特に、外部環境が目まぐるしく変化する現在の場合、理論やセオリーだけでなく、目の前の現実にも目を向け、如何に折り合いをつけるか。
    そして、何より大切なのは、主導権をとるために、タイミングを逸しず、動くこと。
    原理原則は、何事につけて同じであることに気付かされる。

  • 米海兵隊の組織論的研究に、組織的知識創造理論を応用。第2部にはドクトリンであるウォーファイティングの邦訳を掲載。
    存在意義を問われ続けた海兵隊はその分自己変革に躊躇ない。20世紀の五大戦術革命のうち3つは海兵隊の開発したコンセプト。奇才エリス少佐。マグタフMAGTF、Marine Air-Ground Task Force。
    ブートキャンプの在り方や隊員全てライフルマンといった考え方、ガゼットの存在などは自衛隊も取り入れたほうがよい。
    海兵隊の強さの源泉がひしひしと伝わってくる。

  • この本の意図を読み取るには、p.102からの「知識創造モデルの哲学的基盤」を理解しておく必要がある。そこの敷居を超えられなければ、難解な本かもしれない。
    「アメリカ海兵隊」、「失敗の本質」、「史上最大の決断」を読んでいる人にとっては、程よいまとめの一冊となっている。

  • ちょっと難解。難解というか難しい内容というのではなく
    わかりにくい表現や、文書が多く頭にすっとはいってこない
    ものが時々ありました。
    理解できれば、その内容は有意義な内容ではあると思う
    のですが。
    ただ、軍隊の戦略なので、ちょっと違う気がする部分も
    あるような。
    でも、海兵隊の考え方について仕事での組織運営には
    ためになることも。

  • 確かに、日本型組織と通じるところはあると思う。
    グローバルという言葉に踊らされる中、ぶれてはいけない何か...
    自分含め、日本人も軟弱になり過ぎた事も問題ですが。
    海兵隊と陸海空軍の違いも勉強になりました。
    来年のフレンドシップデーは楽しみ方が変わるかも?

  • 途中哲学的な議論が入りやや読解に苦労しそうに見えるけど、それほど難解ではない。夏休みにじっくり読みたい本。
    アメリカ海兵隊の組織論はかつて日本型組織の強みとされていたことや、東洋哲学、ギリシア哲学と類似点が多いことに気付かされる。また、常に存続の危機にさらされていた組織がいかに新しい価値を生み出していくかを考える上では、卑近な話として学ぶところが多い。

  • 本書は、2部構成となっており、第1部はアメリカ海兵隊の知的機動力というテーマで海兵隊の歴史概観にはじまり海兵隊の組織論的分析、また海兵隊の知的機動力を著者自身が提唱した組織的知識創造理論とリーダーシップに呼応させて解説されいる。
    興味深かった点は、海兵隊のジョン・R・ボイド空軍大佐が提唱した意思決定モデル「OODAループ」と、野中郁次郎氏が提唱したSECIモデルは直接経験を起点とする点において共通項を持つ点である。つまり、組織的知識創造の起点は主観的・身体的な暗黙知の直接共有にはじまるという各々の指摘は、現在私自身が関わりを持つマーケティングの領域において、顧客ニーズやインサイトを発掘する手段としての顧客観察や共体験の重要性を裏付ける貴重なモデルと捉えた。
    第2部では、海兵隊が訓練や実践のマニュアルと位置付ける「ウォーファイティング」が掲載されている。本マニュアルは、アメリカ海兵隊を特徴づける哲学について書かれており、ここに含まれるのは単に戦闘行動の手引きではなく考え方である。アメリカ海兵隊は、陸海空軍とは異なり常に存在意義を問われ続ける中で自己否定と革新を繰り返しながらも、名誉、勇気、献身という3つの中核価値を基本的価値観として組織運営を行う点において企業組織が学ぶべきことが多数あった。

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