盤上の向日葵

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1873
レビュー : 309
  • Amazon.co.jp ・本 (563ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049996

感想・レビュー・書評

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  • 実業界の寵児で天才棋士、上条桂介。 彼は本当に殺人犯なのか! ? 伝説の将棋駒はなぜ白骨死体と一緒に埋められていたのか?そして、この死体は誰なのか?

    駒の持ち主を探しながらじわじわっと真相に迫ってくる刑事たちと、親に虐待され将棋だけを生きる支えとしてきた孤独な棋士との物語が交互に描かれていく。

まさかこの作品でゴッホと出会えるとは。命を削るように絵を描いたゴッホ、命を削るように将棋を指した桂介と東明。どうしてみんなこんなに不器用な生き方しかできなかったのか…

    唐沢さんの優しさが好きだった。あの時、あの時もっとと悔やまれて仕方ない。

    誰が犯人という話ではなく、桂介が生きてきた道、桂介の中に流れている血、桂介の背負ってきた孤独を感じて欲しい。

    将棋ミステリーだけあり、棋譜が丁寧に書いてある。将棋のわかる人はさらに楽しめるだろう。私は駒の動かし方しかわからないので、最初は読みづらかったけど、段々血が滾るような彼らの熱い戦いが伝わってきて、勝負の行方に手に汗握った。

    将棋の駒を指す時の美しい手、パチンっと響く音が好き。将棋の駒が死体と埋まっていた理由がわかった時…。柚月裕子さんらしい重厚な人間ドラマだった。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この本、本屋大賞ノミネート本だよね。
      私もこの本読んでみたいんだけど、やっぱり将棋に詳しくないと難しいの...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この本、本屋大賞ノミネート本だよね。
      私もこの本読んでみたいんだけど、やっぱり将棋に詳しくないと難しいのかな?
      私もどうにか駒の動かし方がわかる程度です。
      はさみ将棋は得意なんだけどね~(違う!笑)
      でも、ずっと将棋や囲碁を習ってみたいなと思ってて、
      背筋をピンとのばして正座して、パチッ!
      あの静謐な感じがすごく好きで、NHKの解説番組たまに見たりもしてるんだけど、難しくて。

      最近ノミネート本、一冊読んだの。
      でも、私には合わなかったみたいで、リタイアしてしまった…

      それと、♡マーク押し忘れてた!ごめんね!
      新しいシステム、なんだかまだ慣れないわ(>_<)

      では、またね~(^^)/
      2018/03/18
    • けいたんさん
      うさちゃんへ♪

      こんばんは(^-^)/

      最近ネット環境がよくなくて…集合住宅なので色々あってプロバイダーを変えたのでね。これか...
      うさちゃんへ♪

      こんばんは(^-^)/

      最近ネット環境がよくなくて…集合住宅なので色々あってプロバイダーを変えたのでね。これからどんどんよくなって行くって旦那さまの言葉を信じて頑張るわ!
      お返事遅くなる時もあるけどこれからもよろしくね(*'-')ゞ

      この本はね、将棋も大事だけど、主人公の人生がメインだから、将棋がわからなくても問題ないよ(⁎˃ᴗ˂⁎)
      ただ私もうさちゃんもイメージを大事にする方でしょ?
      読みながらその場面を頭で描く。それをすると時々寝るね(笑)
      NHKの解説で棋譜を言ってるでしょ?
      それが結構長いし多いんだよね。
      その盤がイメージ出来たらきっと面白さは倍増するとは思うけど、試合の緊迫感は十分伝わってくるので大丈夫だよ。
      うさちゃんの好きなパチンッもきっと聞こえてくるよ。
      私もはさみ将棋した事あるけど、もう全然覚えてないよ。面白かった事は覚えてる。

      わぁ、本屋大賞ノミネート本で合わなかったのってどれだろう?
      うさちゃんがリタイアなんて珍しい。
      私、たぶん読まないだろうと思っているのが「星の子」と「崩れる脳を抱きしめて」で、迷っているのが「騙し絵の牙」と「屍人荘の殺人」です。

      新システムにいつの間になったのだろう(笑)
      ♡マーク気にしないで。
      私はうさちゃんの感想わざとひとつ♡マーク押してないから。
      今度またゆっくりコメントさせてもらいたいので。

      私も今アウシュビッツを読んでいて凄く考えさせられてる。
      今までで1番リアルかもしれない。
      分厚いのでまだ1週間はかかりそうです。

      それでは、またね〜
      いつもコメントありがとう。
      2018/03/20
  • 畜生!!!!!!!くっっっっっっそ面白かった!!!!!!!!
     これほどページをめくるのがもどかしく、そして残りページ数が少なくなっていくスピードが速かったのはここ数年なかった。まさに文学エンターテイメントの神髄!!!!
    山中から身元不明の死体が発見され、その死体は数百万円はする将棋の駒が一緒に埋葬されていた。
    この事件を埼玉県警捜査一課のベテラン刑事と元奨励会出身の駆け出し刑事のコンビが追う。刑事二人組が事件の真相を追っていくという王道のミステリー。
    ただのミステリーではなく、文学としてもじっくり読ませる。奨励会を経ずして異色のプロ棋士となった鬼才の棋士の人生と随一の腕を持つ真剣師(金を賭けて将棋を指す棋士)との人生が複雑に絡み合っていく。
    将棋の知識が無くとも十二分に楽しめるが、将棋を知っている人が読めばさらにおもしろさは倍増する(自分も将棋は指さないが『3月のライオン』を全巻揃えているくらいの将棋の知識はある←)。
    ストーリーテリングの妙とプロットの巧みさ、そしてこの二人の刑事コンビの良さ。柚月裕子の小説は初めて読んだが、大好物となりました。
    ぜひ、この刑事のコンビはシリーズ化してほしいが、将棋の世界を舞台にした話だからこの二人のコンビが生きるんだよな~。でもシリーズ化できるほど将棋界で事件があったら困るよね(笑)。

  • 柚月裕子『盤上の向日葵』中央公論新社。

    柚月裕子作品は外れが無いので、後でじっくり堪能しようと暫く寝かせていた単行本。

    将棋界を舞台にした珍しい警察小説。プロットが巧みさとストーリーの面白さ、登場人物の人物像、人間ドラマと謎に満ちたミステリー、どれを取っても一級品だ。

    埼玉県の山中の工事現場から発見された白骨死体は初代菊水月の作によるこの世に7組しか無い将棋駒を抱いていた。現場叩き上げの石破刑事とかつてプロ棋士を志していた若手の佐野刑事が事件を捜査するが……

    序章に描かれる平成6年の天童市でのプロ棋士の対局シーン、事件発覚はその数ヵ月前。ひたすら将棋駒の行方を追い掛ける捜査と同時進行する形で描かれる序章で対局するプロ棋士・上條桂介六段のの生い立ち……とても女性作家とは思えぬ程の度胸で、章を重ねる度に凄味を増していくストーリーは見事だ。そして、事件の真相と結末。そう来たか……

    本体価格1,800円
    ★★★★★

  • 柚月裕子さんの本を初めて読んだのは『最後の証人』で2017年1月のこと。
    『盤上の向日葵』で8冊目になる。

    ”盤上”というタイトル通り、将棋の世界を舞台にしたミステリー。
    天木山山中で発見された白骨死体の手には将棋の駒。
    駒は初代菊水月作の名駒、錦旗島黄楊根杢盛り上げ駒。
    犯人を追う佐野と石破。
    佐野はかつて奨励会に属し、プロ棋士を目指していた。
    名駒からたどり着いた容疑者とは…

    この作品は2015年8月から2017年4月まで「読売プレミアム」に連載されていた。
    ということは、藤井颯太くんの活躍よりも前のこと。
    今ほど、将棋が注目されていなかったのではないだろうか。
    そのことを知って、改めて柚月さんって凄さを感じる。

    本の中に将棋を指すシーンが度々ある。
    将棋を知っていれば、さらに楽しめたと思う。
    生憎私は将棋のことを全く知らない。
    映画「聖の青春」と「3月のライオン」を見たくらいのこと。
    それでも勝負の緊迫感は十分に感じることができる。

    タイトルにもある”向日葵”。
    いくつもの意味があるのだが、その一つがゴッホの”向日葵”だ。
    先日、原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読み、ゴッホの生涯に胸を震わせたばかり。
    『盤上の向日葵』にもゴッホが登場し、その偶然に胸がときめいた。

    560ページあまりの束の本だが、ページを繰る手が止まらなかった。

  • 社会的に成功を収めた者が、自らの忌まわしい過去を知るものを排除する―松本清張の『砂の器』ーそのパターンかと思って、読み進めたら、ちょっと違いましたネ。
    二人の刑事(新米刑事と、一癖あるが捜査能力のある老練刑事ーこの組み合わせも絶妙)の捜査行動と、主人公ともいうべき一人の男の、少年時代から現在までの歴史が、章ごとに交互に綴られる。
    被疑者は予想つくが、被害者は果たして誰なのだろうか。
    倒錯的手法で読者を、グイグイと最後まで引き付ける著者の筆力に、改めて感服した一冊でした。

  • 盤上の ...で始まるタイトル。
    結構ありますね。
    盤上の敵、盤上のアルファ、盤上の夜.....
    本作は将棋。
    冒頭、プロ将棋の人気カードの描写、昨今の将棋ブームに乗った (?)作品ですね。

    山中の白骨死体の発見から埼玉県警の佐野がクセのあるベテラン石破と組んで捜査にあたる。
    目的は遺留品の超高級将棋駒の出所調べ。
    佐野は、じつはプロ棋士を目指して奨励会にいた過去をもつ刑事。
    個性の強いベテランと有望新人の組み合わせは、孤狼の血と似ていて、とくに佐野は可能性大なキャラ、魅力的です。

    捜査対象の将棋うちも、異色のプロ上条、博打将棋専門の東明と 一癖も二癖もあるキャラが満載。
    上条に将棋をおしえた諏訪の唐沢も、引きでみたらだいぶ個性の強い人だし。

    ただ、そこに将棋戦の描写がぶっこまれているのですな...それも多数。 正直、そのあたりになると全然わかりません。
    柚月さん、将棋うちなのかしらん?
    しかし、キーアイテムが 駒 であることを考えるとどうかなぁ....... なんとなくもったいないのです、そのあたりのてんこ盛り感からくる、そこはかとないズレが。

    上条はあららららな展開でしたが、佐野は良いよ 佐野は。
    柚月さんが 宮内さん級に盤上に詳しいなら、佐野はシリーズ化でしょう。

  • 時系列の描き方の上手い作品だなと。天才棋士・桂介の数奇な生い立ちと、現実世界で桂介と因縁の駒を追い詰めていく二人の刑事。それが交互に描かれ、じわじわと接点を詰めていく。そう、まるでこの物語自体が美しい詰将棋であるかのように。
    天才と狂気は紙一重。将棋の世界って、常人には計り知れない世界が広がってるのね。
    2019/04

  • 埼玉県の山中で、身元不明の白骨死体が将棋の駒とともに発見される。それは名匠作の伝説の将棋駒であった。かつて棋士を目指していた佐野巡査は、県警捜査一課のベテラン刑事・石破と組んで駒の持ち主を捜す。そして容疑者を特定した佐野たちは、天才若手棋士による対決が注目される、竜昇戦会場へと向かうが・・
    刑事の石破、上条の父親、天才真剣師の東明と、タイプは違えど強烈なキャラクターの中年男が見事に描かれている。刑事側からの犯人捜しのミステリーというより、上条側からのヒューマンドラマとして読んだ。ラストは意外というか切なさも。

  • どうして冒頭のシーンに至ってしまうのか。そこまでの歩み、将棋の面白さをじっくり読ませる。ある程度、事件の構図は見えてくるので、ミステリというより、ひとりの棋士の人生を描く。読み応えがある。
    真剣師たちの厳しい勝負。手の読み合い。将棋に詳しくなくとも、対局の流れや興奮が伝わってくる。
    変わり者の石破と、振り回される佐野の、刑事コンビも面白かった。

  • 自分のせいではないことでこんなに苦しまなくてはならなかった上条桂介の人生
    読んでいて、松本清張の「砂の器」の和賀英良とダブった
    桂介のこんな一生を唐沢さんは天国からどう見ていたのだろう?
    読み終えてからも、切なかった

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著者プロフィール

柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
1968年生まれ。岩手県出身、山形県在住の小説家。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。2013年同作で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、同年『慈雨』で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位をそれぞれ受賞。2017年、『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞ノミネート。
代表作として、テレビドラマ化された『最後の証人』『検事の本懐』を含む「佐方貞人シリーズ」。また、2018年に映画化される『孤狼の血』。

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