新しい分かり方

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1418
レビュー : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050084

作品紹介・あらすじ

バザールでござーる、だんご3兄弟、ピタゴラスイッチ、0655……。30年間、表現と教育の分野で、「伝える」方法を追究し続けてきた著者。そのマイルストーンとなる1冊。50数点の作品と解説エッセイで、「分かる」ことの喜び、楽しみを体感する本。「分かる」とは、人生が広がることだと実感できます。

感想・レビュー・書評

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  • ぼくがアカデミックな場で一緒に仕事をしたり、遊んだりする方々は大抵読んでいる一冊。新学習指導要領を編集している方やアクティブ・ラーニングなど新しい学び方を提案する方も参考にしている。多面的で多角的な見方・わかり方・

    佐藤雅彦さんと言えば、CMプランナーとして革命を起こした方。カローラIIで当時無名だった小沢健二を起用したり、NECの「バザールでござーる」のフレーズをつくったり、「だんご三兄弟」のように誰にでもわかる普通のトーン、同じフレーズのリフレインを扱ったり。単純かつ素朴さが人気を集める。「ポリンキー」「スコーン」「ドンタコス」のCMは神がかってるとしか思えない。住友銀行の100周年ロゴ製作の話は、何度聞いても面白い。

    【コミュニケーション】の定義は、情報を移動させることによって、意味の共有を図ること。

    発信と受信のディスコミュニケーション

    私は表現を作る時には、いきなり表現に入るのではなく、どう作ったらかっこいいもの、面白いもの、かわいいものができるかいうことを、まず考える。

    【象嵌】

    ピタゴラスイッチ、0655/2355など教育上テレビへの活躍は、佐藤雅彦さん自身が小さな頃から夢中になったという「教えること」へ嵌め込むことで、新しいコミュニケーションデザインを模索しているのかもしれない。自分自身の中にある「新しいわからなさ方」を知ることで、「新しい分かり方」を知る。読書というより、「体験」する本。

  • 「ピタゴラスイッチ」など企画・監修した番組や、生み出した数々の広告で知られている佐藤雅彦氏の、マイルストーンとなる一冊。構想されてから世に出すまで10年かかったそう。

    「『こんなことが自分に分かるんだ』とか『人間はこんな分かり方をしてしまうのか』というようなことを分かるための機会をたくさん入れようと構想しました。そういう意味で、本のタイトルを『新しい分かり方』としました。」(p.262 あとがき)

    アートやコミュニケーションに関わる人にはぜひ読んで欲しい。
    弱肉強食の世の中を、この街がジャングルだった頃から生き残ってきたぼくたち人間は、本当に不思議な力を持っている。
    例えば、ある写真とまた別のある写真を見てその間に何が起こったのか想像できる力とかね。こうした力が暴走すると変なことになってしまう。どんなことになるのかは、この本を開いてみて!
    こんな人間の不思議さを利用して、さらに新しい、面白い表現を生み出してほしい。生み出したい…!

  • 写真やイラストなどによる作品+短い解説という体験パート、そして最後に関連する随筆6本。頭から一気に読まなくても、気の向くところ気になるところから楽しめそうな、読むピタゴラスイッチ。わかるカタルシスが大きいもの小さいもの、わからないままのもの、人によって違うだろうけれど、時間をおいて読み返すとまた違う分かり方が待っていたりもするのだと思う。随筆には「新しい分かり方」体験の解説として読む以上の叙情と不思議な余韻が感じられた。「モダリティの話」と「象嵌」が印象深かった。

    「読むピタゴラ」という見立ても大げさじゃないようで、今日買ってきてわたしが読み終わらないうちから子らが先を争って読んでおもしろがっている。さすがピタゴラ育ち。

  • 新しい分かり方ができた。この人は何も難しくないことを難しそうな言葉で簡単に伝えてくれる人だと思う。

  • 仕事も含めた日常生活で、同じ思考回路ばかり使っているとそれ以外の思考の存在すら忘れてしまう。「当たり前」だと思っていることに風穴をあけ、違う景色を静かに、お茶目に示してくれる本。

  • 「ピタゴラスイッチ」や「ポリンキー」のCMなどの佐藤雅彦。…だったんですね!いや、表紙やタイトルからは全然予想してなかった。なんか硬そうな本だなと思っていた。
    めくってびっくり、中身はほとんど写真やイラスト、図になっていて、ぱっと開いたページを見れば「分かる」ようなシンプルでいてユニークなつくりになっている。
    この「分かる」というのがこの本のテーマなのだけど、確かに、確かに「分かる」。
    自明であったような、初めて体験するような、少しひねった作品たち。うん、好きだ。

  • 人は物をみるときに、目に見えるあらゆるものを勝手に処理して理解しているということに、あらためて気付かされました。

    こうだと思っていたことが、実は自分の思い込みから解釈していたこともあったかもしれないと思うと、思わず自分を疑いたくなります。

    一方で、見方を変えるとシンプルな事実に気付くこともあります。その事実に気付くことができるかどうかが問われる本です。

  • 大人のピタゴラスイッチって感じね。普段の分かり方を、詳しく説明。違った見方があることを知らせてくれる。面白いね。何か遊んでいるような簡単なテストをしているようなそんな感じ。この人からは目が離せない。

  • 本を開くと、何の説明もない写真やイラストが急に始まるので「よくわからない本だ......」と一瞬戸惑う。それがすでに著者の思うツボ。眺めているうちにピンときたり、何かを感じたりして、その度に脳味噌のあちこちを優しくつつかれるようないい気分に。本という形態を逆手にとった実験作品は目からウロコでした。この本にしかない、知的な「楽しさ」が詰まってます。

  • ピタゴラスイッチやIQ、最近だと2355も。どっかでお世話になってるクリエイターによる新しい読書体験。
    前半の200ページほどは作品が並んでいて、懐かしのゲームブックではないけれど遊ばれているような、遊んでいるようなゆったりとした気持ちになります。紙の本としての価値があるコンテンツです。
    後半の100ページ弱は解説の役割を兼ねた随筆で、前半パートをより良く理解するための、でもそれだけではない意外なところを突いて来るような文章が読めます。

    早く読み終えようと思えばいくらでも早く読み切れるけど、それだけじゃ勿体ないと思える本。

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