新しい分かり方

著者 :
  • 中央公論新社
4.04
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本棚登録 : 1037
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050084

作品紹介・あらすじ

バザールでござーる、だんご3兄弟、ピタゴラスイッチ、0655……。30年間、表現と教育の分野で、「伝える」方法を追究し続けてきた著者。そのマイルストーンとなる1冊。50数点の作品と解説エッセイで、「分かる」ことの喜び、楽しみを体感する本。「分かる」とは、人生が広がることだと実感できます。

感想・レビュー・書評

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  • 写真やイラストなどによる作品+短い解説という体験パート、そして最後に関連する随筆6本。頭から一気に読まなくても、気の向くところ気になるところから楽しめそうな、読むピタゴラスイッチ。わかるカタルシスが大きいもの小さいもの、わからないままのもの、人によって違うだろうけれど、時間をおいて読み返すとまた違う分かり方が待っていたりもするのだと思う。随筆には「新しい分かり方」体験の解説として読む以上の叙情と不思議な余韻が感じられた。「モダリティの話」と「象嵌」が印象深かった。

    「読むピタゴラ」という見立ても大げさじゃないようで、今日買ってきてわたしが読み終わらないうちから子らが先を争って読んでおもしろがっている。さすがピタゴラ育ち。

  • 仕事も含めた日常生活で、同じ思考回路ばかり使っているとそれ以外の思考の存在すら忘れてしまう。「当たり前」だと思っていることに風穴をあけ、違う景色を静かに、お茶目に示してくれる本。

  • 「ピタゴラスイッチ」や「ポリンキー」のCMなどの佐藤雅彦。…だったんですね!いや、表紙やタイトルからは全然予想してなかった。なんか硬そうな本だなと思っていた。
    めくってびっくり、中身はほとんど写真やイラスト、図になっていて、ぱっと開いたページを見れば「分かる」ようなシンプルでいてユニークなつくりになっている。
    この「分かる」というのがこの本のテーマなのだけど、確かに、確かに「分かる」。
    自明であったような、初めて体験するような、少しひねった作品たち。うん、好きだ。

  • 大人のピタゴラスイッチって感じね。普段の分かり方を、詳しく説明。違った見方があることを知らせてくれる。面白いね。何か遊んでいるような簡単なテストをしているようなそんな感じ。この人からは目が離せない。

  • 本を開くと、何の説明もない写真やイラストが急に始まるので「よくわからない本だ......」と一瞬戸惑う。それがすでに著者の思うツボ。眺めているうちにピンときたり、何かを感じたりして、その度に脳味噌のあちこちを優しくつつかれるようないい気分に。本という形態を逆手にとった実験作品は目からウロコでした。この本にしかない、知的な「楽しさ」が詰まってます。

  • ピタゴラスイッチやIQ、最近だと2355も。どっかでお世話になってるクリエイターによる新しい読書体験。
    前半の200ページほどは作品が並んでいて、懐かしのゲームブックではないけれど遊ばれているような、遊んでいるようなゆったりとした気持ちになります。紙の本としての価値があるコンテンツです。
    後半の100ページ弱は解説の役割を兼ねた随筆で、前半パートをより良く理解するための、でもそれだけではない意外なところを突いて来るような文章が読めます。

    早く読み終えようと思えばいくらでも早く読み切れるけど、それだけじゃ勿体ないと思える本。

  • あとがきのあと「新しい分かり方」 佐藤雅彦氏 認知の仕組み考えさせる
    2017/10/28付日本経済新聞 朝刊
     「人間なら誰でも楽しめるものを作りたいと思ってきた。この本もそういう本」。本書には60個超の「作品」と解説ふうの随筆が収められている。シンプルな写真や挿絵、図で構成された作品を鑑賞することで、私たちが現実をどのように認知しているかを考えさせる仕掛けになっている。
     たとえば「指の下」という作品。枠の中に散らばって印刷された1から5までの数字を順に読んでみる。次に1、2、3、5のみが印刷された枠内の空いた場所に人さし指を置いて数字を読むと、指の下に4があるような気がする。
     「4がないのは自分が指で隠しているからだと考えてしまう。私たちは抗(あらが)い難くそう認知するんです。この実験で『たしかにそうだ』と実感してほしい。それは自分を知るということ」。本書を読んだ後は、周りの世界の見え方が少し変わるだろう。
     大ヒットした童謡「だんご3兄弟」、幼児向け番組「ピタゴラスイッチ」などの話題作を手がけてきたクリエイティブディレクターは「『分かる』とはどういうことか考えるのは生涯のテーマ」と話す。
     「何かが分かると、それまでとは違う自分になる。前の自分を包含しつつ、自分が拡大します。人は『分かった!』と実感するとうれしくなりますが、それは『生きててよかった』といううれしさです。分かることは、よりよく生きること。そして私の生きがいは、そんな誰かの『分かった!』という瞬間を生み出すことなんです」
     メディアが多様化し、「新しい『分かる』体験が広がっている」と指摘する。だが今回は本という伝統的な形式。「『指の下』は4が存在しないことを自分で確信できないと意味がない。タブレットだと『見えないところで機械が何かやってるんじゃないか』と思う。電子媒体と比べれば、本は何もできない。でも、その『何もできなさ』ゆえに人間を裏切らないという点が優れているんです」(中央公論新社・1900円)

     (さとう・まさひこ)54年静岡県生まれ。東大教育卒。電通のCMプランナーを経て、現在は東京芸大教授。著書に『考えの整頓』『プチ哲学』など。

  • 素晴らしい。

  • なるほどね~ とか思いつつ読んでしまったけど
    ほんとに私はわかったのかな?
    ここに書いてある解説を丸呑みにしても良いのかな?
    もっと別の見方/考え方があるんじゃなかろうか?
    そもそも「わかる」ってなんじゃろ?

    佐藤雅彦さんはそこも考えてみそ、と提示してらっしゃるのかも。
    とかとか、ぐるぐる考えだす内容だったです。

  • 写真やイラスト、漫画などから、ものの見方の多様性を考えさせられる一冊。簡単な解説もついているので、人が何故そう見てしまうのかは分かる。だたそれ以上ではない。見てあぁなるほどって思う本であって、そのバイアスなりなんなりをどのように克服しようかとう所には言及はしていない。
    まぁ世の中は多様性に満ちているし、一元的に見てはいけないんだなってこと。そして人って面白生き物だなやはり。

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