新しい分かり方

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1295
レビュー : 118
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050084

感想・レビュー・書評

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  • 本を開くと、何の説明もない写真やイラストが急に始まるので「よくわからない本だ......」と一瞬戸惑う。それがすでに著者の思うツボ。眺めているうちにピンときたり、何かを感じたりして、その度に脳味噌のあちこちを優しくつつかれるようないい気分に。本という形態を逆手にとった実験作品は目からウロコでした。この本にしかない、知的な「楽しさ」が詰まってます。

  • 素晴らしい。

  • シンプルで
    それでいて
    ストーリーテーリング

    美しく楽しい一冊

  • ETVのピタゴラスイッチ。などに関わられている方の著書。
    あみだくじの概念を分かるために、紐で実体化する。現実を理解するために概念化することもあれば、概念を理解するために、現実を利用することもある。
    コミュニケーションの定義は、情報を移動させることによって、意味の共有を図ること。であるが、我々は受け手に自分と同じ解釈基準を期待して、情報を送っていることが多い。しかし、基本、受け手の置かれている状況は自分とは異なり、別の解釈基準を持っている可能性は決して少なくない。
    例えば、桃太郎を読む人の子と鬼の子のリアクションのように。

    人間はこうして分かるんだ。こんなことが分かるんだ。という過程を見られる書でとても興味深かった。
    最後におさめられている随筆も面白かった。

  • 2017年に出版された本書を今更ながら読了。
    当時、なるほどデザインが売れていた状況で同書がリリースされたことを記憶している。
    以前同僚だったデザイナーが推薦していたこともあり、気になっていたが、読んでみてその理由がわかった。

    著者の佐藤さんは電通で17年勤めた後に独立して、引き続きクリエイティブな仕事を続けている方で、作品ポートフォリオは有名なものも多いだろう。

    2部構成になっていて、前半は主に写真やイラストをふんだんに使った「体験」に重きが置かれている。最後の方にそれらの解説を込めた文章が書かれている。

    タイトルの通りの「新しいわかり方」を読者が書をめくるページとともに体感できるような設計が絶妙である。

    心に残った一文は下記
    ```
    【コミュニケーション】の定義は、
    情報を移動させることによって、意味の共有を図ること

    であるが、私たちは受け手に自分と同じ解釈基準を期待して、情報を送っていることが多い。
    しかし、基本的に、受け手の置かれている状況は自分と異なり、別の解釈基準を持っている可能性は決して少なくない。それが世の中に蔓延するディスコミュニケーションの要因であろう。
    ```
    これはまさに的を得たりという表現だった。
    同書内に仕掛けられている様々なわかりの部分も、全てが作者の意図通りの解釈性は得られなかった。
    しかし、それはそれでいいのだ。なぜなら解釈基準が異なっているからだと自分で納得してしまった。

    これは今の教育における主体性教育の分野、探求の分野においても非常に重要な視点な気がする。
    また、いわゆるIDEO的なシリコンバレーデザインシンキングとロベルト・ベルガンディの突破するデザイン的な感性的なデザインプローチにおける課題提起にも似た何かを感じた。

    本書は良質な読書体験をもたらせてくれる。
    強いて言えば、コンサルタントの細谷さんの「具体と抽象」という本がある。あれは少し抽象寄りの内容だが、同書は具体に近いポジションを取った具体と抽象体験が得られるからだ。
    しかも具体のエピソードが非常に強烈でよく言えばエモい感じである。これがまたインパクトがあり、気持ちいい。
    しかも、そんなに文字が多くないのでさらっと読める。
    いいとこづくめの本書をぜひお薦めしたい。

    ・目次
    1 そのようにしか見えない
    2 分かるとうれしい
    3 本というメディア
    4 分かると分からないの間
    5 自分の中の出来事
    6 はてなき着想―理想の副産物として
    7 新しい分かり方 随筆(解説としての意味もある)

  • あらためて、「写真」「イラスト」「映像」は、意味を伝えることが分かります。

    http://naokis.doorblog.jp/archives/design_communication.html【書評】『新しい分かり方』意味を伝えるということ : なおきのブログ

    <目次>
    (一)そのようにしか見えない
    (二)分かるとうれしい
    (三)本というメディア
    (四)分かると分からないの間
    (五)自分の中の出来事
    (六)はてなき着想 −理想の副産物として
    (七)新しい分かり方 随筆(解説としての意味もある)
      自分の仕業
      系が違う
      同じ情報、違う価値
      モダリティの話
      〜のようなもの
      象嵌 医学部2号館
    作品リスト
    あとがき


    2018.01.08 勘と経験と読経より。著者はピタゴラスイッチ、アルゴリズム体操の考案者。
    2018.02.10 予約
    2018.07.16 読書開始
    2018.07.18 読了

  • 0655とかの雰囲気が好きだったので読んでみた本。分かり方、というより色んな表現の仕方伝え方があるんだーと感動する。
    きちんと解説もついているので、それを読んで自分の感じたことの答え合わせや、文章で見る気持ち良さもある。
    最後の象嵌に関する随筆はとても印象深くて、ちょっと忘れられない。

  • 娘が学校の図書室で勧められて借りてきた。面白い。後半に入っている随筆も読みやすい。ぜひ手に取ってみてほしい。

  • 題名どおり、まさに「新しい分かり方」。
    規定通りの見方を変える、新しい視点をくれる。
    象嵌は今後のキーワードにしたい。

  • なんでこんなに柔軟に考えられるんだろう、と思いながら
    スラスラ読んだ。

    物事をいろんな角度から切り取ること。
    何にでも疑問を持つということ。
    普段から観察の筋肉を鍛えるということ。

    明日からちょっと世界の見方が変わるかもしれないな、と。

著者プロフィール

1954年、静岡県生まれ。東京大学教育学部卒。慶應義塾大学教授を経て、現在、東京藝術大学大学院映像研究科教授。主な著書に『経済ってそういうことだったのか会議』(竹中平蔵氏との共著・日本経済新聞社)、『新しい分かり方』(中央公論新社)、『考えの整頓』(暮しの手帖社)、『差分』(美術出版社)、『毎月新聞』(中公文庫)ほか多数。また、ゲームソフト『I.Q』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)や、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室の時代から手がけている、NHK教育テレビ『ピタゴラスイッチ』『‪0655/2355』『考えるカラス』など、分野を越えた独自の活動を続けている。2011年に芸術選奨受賞、2013年に紫綬褒章受章、2014年にカンヌ国際映画祭短編部門招待上映。‬‬‬

「2017年 『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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