大人になったら、 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.62
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本棚登録 : 664
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050558

作品紹介・あらすじ

30代半ば、カフェで副店長をしているメイ。彼氏も好きな人もいないが、それなりに充実した日々を送っている。
でも、結婚や出産、仕事の昇進試験から目を逸らしつづけてはいけないのもわかっていて……。
人生の基本問題は解けても応用問題が解けないメイを、恋が大きく変えてゆく!

感想・レビュー・書評

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  • なんか分かるなぁ。
    なんか子供の頃とか若い頃って大人ってもっと大人だと思ってたんだけど、いざ自分がその年齢になると全然そんなことなくて。
    選んだこと、選ばなかったこと、その時その時で一生懸命考えて選んできたはずなんだけど、たらればを考えてしまうことも多々あって。
    とりあえずメイちゃんと羽鳥先生の今後が気になるので続編が読みたいです。

  • 何か起きるわけじゃない、日常を書くのが上手いなぁと感じる作品。個人的にとても好きだなと思った。
    35歳、って確かに、若くも老いてもない、言ってしまえば中途半端な時期なのかも。
    普通の女性といったときのイメージはそれぞれってあったけど、確かに。大学を卒業して、就職、結婚、出産…と、それが普通の人生なんだとしたら。その普通ができない自分は欠陥品のように感じてしまうかも。
    メイと杉本くんのやりとりが好きだったので転勤は残念だったけど、寂しくても、人はだんだん忘れていくし、それは悪いことじゃない。羽鳥先生ともうまくいくといいなぁ。

  • 30代女性のリアルが読み解ける物語。飲食業の大変さもリアルで分かる。スルスル読める一冊。

  • 主人公は飲食業界でバリバリやってる副店長なのでややキツイ感じの性格を感じた。
    バイト先で社員同士が揉めてたらウワッてなるって。

    今時の35歳は恋愛と仕事以外にも趣味とか推し活とかそれなりに充実してるのではと思うけど、家族がいないので家族が欲しいという考えを持っていることに納得がいった。
    父がLINEの「新しい友だち」に出てきて「古い家族」なのに、に笑った。

    羽鳥先生に背中を押されて、試験に挑戦して昇進、伝えられないまま転勤の流れドラマティックでよかった。
    羽鳥先生のキャラクターはスーツメガネの少女漫画のような先生を妄想してしまった。
    こちらもなかなかの曲者なので続きが気になる終わり方。

  • 読みやすかったので、珍しく一気読み。


    30過ぎの大人になるとそれまでの経験や知識の積み重ねによっていろんなことを考えてしまい、家族も恋も仕事も簡単には決断できない。
    これだ!って決められる人もいるのだろうけど、怖さに勝てず、理由を付けて目を逸らしてしまう、メイのそんなところに自分を重ねて読んでいた気がするし、メイが同じようなところでぐるぐると悩んでしまう姿に共感できた。

    羽鳥先生と話すきっかけができてから、少しずつメイの中の何かが変わりはじめて、前向きに進んでいく姿が読んでいて心地良かった。少しずつ変わっていく様子が丁寧に書かれていて、明るい気持ちになれたし、勇気をもらえた気がする。
    終盤のメイは、堂々としていてカッコ良かったな。不器用な羽鳥先生は可愛かった(笑)

    最後、もう少し先まで読みたいな と思わせるあのシーンで終わったのが私は好き。

  • 文庫が発売されて、ブクログで紹介されていた。畑野さんの本を読んでみたいと思った。
    独身女子だから沁みるのだろうか。これを子育て中の女性が読んだらどう思うのか。父が去り、母が亡くなり、10年も付き合った彼と分かれて、それでも生きている命はエライ。って普通のことなのかもしれないけど。
    「普通ってなんだろう」

  • 大人になったら
    シネマコンプレックス
    家と庭

    畑野智美さんの作品は、おじさんの私からは
    可愛くて、賢くて、ちゃんと生活している女性が沢山出て来てかなりいい!

  • 初めの辺りが読んでて苛々してしまった…。特に新入社員くん…。
    後々は良くなっていったので、読めましたが…。
    あと、私も近しい年代だからこの年代は悩みが多いなとため息つきたくなりました 笑

  • 35歳独身
    仕事に精を出しすぎて婚期を逃した、
    現代女性らしいお話。
    仕事と恋愛の両立が簡単ではないことを思い知らされます。
    頑張る女性のお話が好きなので面白かったです。


    カフェ店員さんってキラキラしているし
    やりがいも感じやすいのだろうけれど
    女性としてはそれで恋愛が疎かになったら
    焦るし。でも仕事を言い訳にしてなんとか自分を肯定して、、。
    私もカフェで働いていてそういう社員さんを多く見てきたのでよく分かりました。
    仕事と恋愛のバランスって難しい…。
    こう考えると仕事はほどほどくらいのがいいのかな、と自分ごとで考えさせられます。


    畑野さんの本好きです。
    鍵かっこの外の、心情の部分が細かくて、的確なのが好きです。


    装丁が可愛らしすぎるほど可愛いですね。笑
    持ち歩くのが場所によっては恥ずかしかったです笑

  • 同世代のリアル 。
    会話も多くて読みやすく
    映像がふわりと浮かぶ、
    展開は読めたけど
    みんな素敵な人柄でした ◎
    キートス行きたくなる。
    のちにきっと開くであろう
    主人公のカフェにも、
    願わくば羽鳥先生にも会いたくなる、
    あれ?でもわたしキートスに行ったかな
    会ったことありそうなないような、リアル。
    そんな一冊 ◎

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著者プロフィール

1979年東京都生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で第23回小説すばる新人賞を受賞。13年に『海の見える街』、14年に『南部芸能事務所』で吉川英治文学新人賞の候補となる。著書にドラマ化された『感情8号線』、『ふたつの星とタイムマシン』『タイムマシンでは、行けない明日』『消えない月』『神さまを待っている』『大人になったら、』『若葉荘の暮らし』などがある。

「2023年 『トワイライライト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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