青空と逃げる (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050619

感想・レビュー・書評

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  • 困った時、辛い時に助けを求めることって実はそんなに簡単ではない。
    自分の弱さやかっこ悪さを認めたくなくて助けを求めずにいるなら、逃げるしかない。
    そんな親子がいろいろな人との関わりを通して「助けて」と言えるようになって本当にうれしいけれど、なぜこの親子は「助けて」って簡単に言えなくなってしまったのか、そこのところがまったく描かれていなったので、ところどころ共感しにくかったりもした。

  • トラブルに巻き込まれて逃げていく中で成長していく母子の話は素直によかったね、って思った。
    けど、なしてそこまで逃げなきゃならないのか私にはちょっとよくわからなかったよ。

  • 悪い人が一人も出てこない話は好きだ
    家族の在り方の話だったのかも

  • 悲しい場面も多くて、ドキドキするけど、面白く読めた。

  • 夫のスキャンダルに巻き込まれ、地方へ逃げる母と息子。理解者もいて、なんとか頑張ろうと思うところに、スキャンダルが追いかけてくる。
    四万十も別府も仙台も青い空で繋がっているの思いで、前を向いていこうとする2人に最後は涙。

  • 小学生の力と、平凡な母親の成長物語。

    いざっていうときは、信じられないぐらいのパワーが出るし、世の中、思っているよりも温かい。

    みんな幸せに!

  • 母と息子の旅。
    四万十川、屋島、別府、仙台、そして北海道へ。

    前もっての書評で、「八日目の蝉」をイメージしてましたが、もう少し明るい色彩の各地の風景、景色が見えるようでした。心情的にも少しライト。

    冒頭は何かから逃げてる母の切迫感に引き込まれて、一気読みでした。
    なので、理由が少し弱いかなぁ。って思わなくもなかった。そこまで追い詰められてる状況には思えなかったので。

    追われて旅する間、少年は成長し、訪れた地での人との繋がりは温かく、ラストはまとまりすぎな感もありますが、おもしろく読めました。

  • 俳優の父が女優と同乗していた車で事故に遭い、不倫報道が過熱する中、女優は自殺してしまう。父は病院先から行方をくらましてしまい、力と母・早苗は逃げることに。女優の所属するプロダクションの人間が行く先々を追いかけてくる中、家族はどうなるのか・・・
    力だけでなく、やはり母は強しと成長していく物語。逃げて行く中で、別府の砂風呂や鉄輪の人々のあたたかさが情景も浮かび、1番印象に残った。

  • 父に裏切れた母と子の逃避行。ずいぶんと思いきった展開だなぁと思いつつ、この物語はどこに着地するのだろうと訝しながら読んでいたけれど
    ちゃんと親子の成長物語として
    そして優しい心が繋いでいた心温まるお話になっていた。
    辻村マジック今回も健在でした。

    震災を盛り込んではいるものの、暗すぎる内容に終始せず希望をもって進んでいくことをほんのりと享受するあたりのさじ加減が絶妙。

  • 誰が悪いわけでもないのに逃げなければならない時がある。立ち向かうではなく、逃げる強さが必要な時が。生きる為。一番大事なものを守る為。その為ならば、逃げることと負けることは同義ではないのです。
    海が青空の色だと知ったのは、いつの頃でしたか。雨が空と違う色で海までが自分の知らない世界に染まってしまうなんて、少年は知りませんでした。
    不幸を選ぶということは、周りの大切な人まで引きずり込むということ。たった一人でも背負うと決めたものがある者は、そのことを深く胸に刻み付け、幸せになることを決して諦めてはならないのです。
    握り続けて離したくなかったものは、砂の重みでもなければ誰かの優しさでもない、ただ守るべき貴方の手、それだけでした。鼻の奥をツンとさせるこの感情の名前を私は手探りで探していたけれど、流れてくるものを、愛なんてありきたりな言葉でしか止められないのです。
    何処へ行こうと、いつだって頭上には青空が繋がっていたことに気付き、安堵の気持ちで溢れました。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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