ウマし (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.67
  • (4)
  • (6)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 74
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050626

作品紹介・あらすじ

熊本で老父と啜る卵ごはん。カリフォルニアで娘とほおばる分厚いパンケーキ。女として、妻として、母として東奔西走する詩人の食卓。「hont+」で人気の食エッセイがついに書籍化!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 面白かったぁ。
    日本の料理はそのスナック菓子でさえ繊細で品があるらしい。カルフォルニア在住の著者が言うからまちがいないのだろう。アメリカのドーナツはくどく、しつこく、カロリーとういパンチが効いてるそうだ。
    でも、けして否定しているわけではなく、日本に欠けているのは雑草めいた獣のような生命力だそう。
    アメリカの甘いものにはそれを感じるそうだ。
    それを食しているから国民性とも言えるのかも…。
    鰻、クリームパン、あんこの和菓子、更科そばが好物。
    でも、カルフォルニアに住んでいればふくよかになるのはもう風土病だとか、だよね。

  • 食に対する姿勢がファイティングポーズなんですよね。凌駕し取り込み貪欲にエネルギーに変換してゆく。比呂美さんはグルメではなく食の格闘家だなぁと思います。

  • 「食欲が湧く描写」という一点では村上春樹のエッセイが一番と思う。この本は食がテーマのはずなのに、どの話題からもみなぎる生命力が強過ぎて、食欲はスーッと引いていく。でも話そのものは面白い。かっぱえびせんやうどんなど、話題が身近で嬉しい。
    短い話が大量で、茶を淹れる間とか人を待っている時に重宝した。さらっと読めると思ったらむっと迫るような生命の匂いが濃くて、胃がもたれそうな心地になった。唐突に涙がしみる一幕もあって油断ならない。
    お人柄なのか、サバサバし過ぎな文章が時に読み辛い。

    ハムサンドにクラッシュポテチは、本当に美味しかった。少し馴染ませてキュウリの水分でしとっと落ち着いた頃なんてもう……

  • 2013年7月~2017年12月の期間、honto+に掲載されたものを一冊にまとめた食のエッセイ。ハマってしまったら人類が滅びるかもしれないしょっぱく、酸っぱくチーズ味のスナック菓子の話や、野やそこら辺に生えた正体不明のキノコを食す話など、最初から最後まで面白く読めた。
    「ねるねるねるね」や、『ゴールデンカムイ』の「チタタプ」も登場するので、ほのぼのとしました。作中に登場するお父さんのセリフがとてもユーモラスだった。次はお父さんの話も読んでみたいと思った。

  • 以前、伊藤さんが訳した詩を読んで感動し、お名前だけ存じていたものの著作は初めて読みました。
    とてもとても個人的な感想ですが、一人称が気になって引っかかったけれど…食エッセイは好き。
    摂食障害の事、人生の楽しいだけではない事も乗り越えてきたんだというのが文章から時々たちのぼりお気楽に楽しむだけのエッセイではなかった印象。
    今の自分にはただただ楽しいのが良かったかな、
    マーマイトが気になる…。

  • 熊本で老父と啜る卵ごはん。カリフォルニアで娘とほおばる分厚いパンケーキ。女として、妻として、母として東奔西走する詩人の食卓。

  • 不覚にも伊藤比呂美さんの食エッセイ初めて…さすが詩人、食べ物への渇望、そして味の描写の見事さ。そして、こんなにも取り憑かれたように卵を愛する気持ちにも同意。卵ってなんでこわなに魔力があるんでっしゃろ

  • 伊藤比呂美さんの本は、いつでも、いくらでも読んでいたい。

  • ウマし、めっちゃ面白し!
    コトバを操るプロが書いてるんだから、もちろんウマさがバリバリ伝わってくるのだが、平松洋子と枝元ほなみが友人、という時点で「ズル過ぎるゾ」伊藤比呂美!
    かつて平松洋子のエッセイを読み、どーしても「豚丼」を食べたくなったワタシが、北海道までは行けないので、生協の冷凍ものを注文。ところが、あっという間に家族に喰われてしまった過去がある。エダモンの料理は、毎日新聞にて毎週西原理恵子とともに美味そうに食べる様子を拝見している。
    そんな食に関する雲上人と友人とは・・・

    「カリフォルニア在住のおばさん」である著者が、夫亡きあと好きなものを食べている、その自由っぷりが羨ましくて仕方ない。
    便利な世の中になったもので、気になる食材「マーマイト」などを検索しつつ読めるのも楽しい。
    個人的に一番心惹かれたのは「おでん」。
    同じころ、板橋のお隣、豊島区で生まれ育った私は「そうそう、そーなのよ!」と赤べこ人形くらいウンウン頷きたくなった。
    軽やかで美味しいエッセイ、ついついいろんなものを口に入れながら読みたくなるので、読了後はちょっと太ってしまったかも。

  • 詩人でもある著者の「食」に関するエッセイ。
    流石、平松洋子、枝元なほみを友人にもつだけあって「食」に関しては面白い一家言を持っている。
    また詩人ということもあってだろう、言葉を巧みに使い、食材、料理を表現する文章は普通の食エッセイとは一線を画す。
    自身の生活してきた場所が日本以外にも社会主義末期のポーランドで生活、その後生活拠点はカリフォルニアで、現在は熊本とカリフォルニアとを往復する生活をしているという。ゆえにバラエティにとんだ「食」文化を体験しているとも言える。また本人も言っているが偏食であることもこのエッセイを独特のものにしているのかもしれない。
    今までにない食エッセイで楽しく読めた。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1955年、東京都生まれ。詩人。78年に現代詩手帖賞を受賞してデビュー。性と身体をテーマに80年代の女性詩人ブームをリードし、同時に『良いおっぱい 悪いおっぱい』にはじまる一連のシリーズで「育児エッセイ」という分野を開拓。近年は介護や老い、死を見つめた『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(萩原朔太郎賞、紫式部文学賞受賞)『犬心』『父の生きる』、お経の現代語訳に取り組んだ『読み解き「般若心経」』『たどたどしく声に出して読む歎異抄』を発表。人生相談の回答者としても長年の支持を得ており『女の絶望』『女の一生』などがある。一貫して「女の生」に寄り添い、独自の文学に昇華する創作姿勢が多くの共感を呼んでいる。現在は、熊本と米国・カリフォルニアを拠点とし、往復しながら活動を続けている。

「2018年 『たそがれてゆく子さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ウマし (単行本)のその他の作品

ウマし (単行本) Kindle版 ウマし (単行本) 伊藤比呂美

伊藤比呂美の作品

ツイートする