- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120050626
作品紹介・あらすじ
熊本で老父と啜る卵ごはん。カリフォルニアで娘とほおばる分厚いパンケーキ。女として、妻として、母として東奔西走する詩人の食卓。「hont+」で人気の食エッセイがついに書籍化!
感想・レビュー・書評
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詩人らしく リズミカルで
軽妙な語り口
流石太平洋を股にかける女
パワフルですてき
今までの著作から
熊本か 再婚して住むカリフォルニアの
イメージが強かったんですが
実は生まれは東京下町なんですね
食の懐かしい話は
下町っぽくて驚きました
食の好みが合わなくても
美味しそうだなと思うエッセイって
すごいですよね
ごはんのお供にいい本です詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で、料理の棚の下にあったのを発見。「食に関するエッセイ」という分類。ここで「眠れぬ夜はケーキを焼いて」にも巡り会ったっけ。
私、伊藤比呂美の本はブクログ登録前にもさんざん読んでいる。(登録してない本も多し)この人の著書は、
心にグサグサくるものや号泣ものもあるけど、この本は、食に関するものなので、楽しく読めます。
独特の例えや、文章のリズムが良くて、クスッと笑える所多し。
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面白い食べ物エッセイ。
海外にお住まいだから、日本の食べ物に限らずネタはワールドワイド。 -
日経プラス1の料理本ランキングで紹介されていた中で、いちばん読みたかった本を選ぶ。
著者の軽妙な語り口が文章と同時に聞こえてくるみたい。
海外の食の違いに驚かされたり、もちろん日本の地域性にも。
いつか(しばらく先だ・・・)、それぞれの国に行って、ジャンクな食べ物に触れてみたい! -
詩人である著者の食にまつわるエッセイ。
と言っても、著者の詩は読んだことが無い。自分にとってはこれが初の読書。
一言で言って、「オモシロ楽しい!」。
詩人ならでは?の、言葉を自在に選びつつニュアンスをぶっ込んでくれる! そのセンスたるや凄まじい破壊力だ。
小難しい言葉は使わない。
感覚に直接訴えかけてくる、根こそぎ共感させられてしまう。降参。心が久し振りにうひゃうひゃしてしまった。 -
さすが伊藤さん。ウマし。名店のシェフの料理がどうウマいか書いてある本はいっぱいあるけど、これは店で食べたもの、自分で料理したもの(ここらがウマそうなのは、プロの書き手だから当然とも言えるが)、スーパーで売ってる袋入り菓子パン、インスタントラーメン、さらには公園に生えてるキノコ、咳止めシロップまであるんだから。
その食の幅たるや。高野秀行の『辺境メシ』とは違って、食べてる場所はカリフォルニア、熊本、東京だけなんだけど。
ミートソースにトマトを入れる前、牛乳を入れて「くつくつ煮込む」と「乳に煮られた肉がふんわりとなめらかになり、悲しいことに、滋味と深みがずっしりと加わる」(P62)。やってみたい。 -
サンドイッチにポテトチップスを読んで、作者の言を借りれば、ぐわあっっと、失われた記憶が、東京の子ども期が、襲いかかってきたのである。
50数年前、新宿に映画を観に行き昼食に不二家レストランでハンバーグサンドイッチを食べた時、バンズやバティではなく、トーストした食パンに夕飯で食べるようなハンバー
ガーが挟まれていて、宙に浮いたはしっこに
添えられていたポテトチップスをはさんで
食べた事。
ゴジラやモスラ、狼少年ケンのうたを映画館が震えるほど子供全員が歌ったこと。を思い出しました。
「チタタプ」には、焼き鳥の軟骨かKFCのフライドチキンの軟骨が使えます。
障子や襖を食べ物に例えたのは、初めて読みました!
楽しい時間でした。
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確かに食べ物って記憶に残る。海外であろうが、国内であろうが、残る。最近タガを外して、食べたいものは、多少高くても、食べる事にした。幸せ度がアップ!
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「美味しい」の表現や食感のバリエーションを増やしたいと思って読みました。
ただのグルメ記ではなく菓子パンや駄菓子などのジャンクフード、海外の庶民料理など、とにかく著者が好きなものへの想いを飾らない文章で綴ってあり、惹き込まれました。
「脂ぎった炒め汁がジューシィ」の表現は真似したいなと思いメモしました。 -
いわゆるグルメ的な食エッセイではなく、カッパえびせん
や魚肉ソーセージなどに言及する、半径3メートル以内の
生活に根ざした散文と言っていいと思います。
例えばポテチをサンドイッチに挟むと美味い、とかね。
著者は海外在住なので外から見た日本の食事事情の比較が
新鮮な内容に感じます。
何んとなく普段の何気ない食事にも工夫がしたくなる
一冊です。 -
食に対する姿勢がファイティングポーズなんですよね。凌駕し取り込み貪欲にエネルギーに変換してゆく。比呂美さんはグルメではなく食の格闘家だなぁと思います。
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「食欲が湧く描写」という一点では村上春樹のエッセイが一番と思う。この本は食がテーマのはずなのに、どの話題からもみなぎる生命力が強過ぎて、食欲はスーッと引いていく。でも話そのものは面白い。かっぱえびせんやうどんなど、話題が身近で嬉しい。
短い話が大量で、茶を淹れる間とか人を待っている時に重宝した。さらっと読めると思ったらむっと迫るような生命の匂いが濃くて、胃がもたれそうな心地になった。唐突に涙がしみる一幕もあって油断ならない。
お人柄なのか、サバサバし過ぎな文章が時に読み辛い。
ハムサンドにクラッシュポテチは、本当に美味しかった。少し馴染ませてキュウリの水分でしとっと落ち着いた頃なんてもう…… -
熊本で老父と啜る卵ごはん。カリフォルニアで娘とほおばる分厚いパンケーキ。女として、妻として、母として東奔西走する詩人の食卓。
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不覚にも伊藤比呂美さんの食エッセイ初めて…さすが詩人、食べ物への渇望、そして味の描写の見事さ。そして、こんなにも取り憑かれたように卵を愛する気持ちにも同意。卵ってなんでこわなに魔力があるんでっしゃろ
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伊藤比呂美さんの本は、いつでも、いくらでも読んでいたい。