三千円の使いかた (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 447
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050701

作品紹介・あらすじ

突然の入院、離婚、介護費用。心配ごとは数あれど、前を向いて生きていたい。女の人生、どう貯めて、どう使う? 70代、50代、30代、20代の御厨家の3代にわたる女性たちの節約ストーリー。

【目次】
第1話 三千円の使いかた
第2話 七十歳のハローワーク
第3話 目指せ、貯金一千万
第4話 費用対効果
第5話 熟年離婚の経済学
第6話 節約家の人々

感想・レビュー・書評

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  • とってもリアルなお話だったな。絶対こういう家族いそうだし、
    いろんな物事が誰にでもあてはまると思う。

    73歳で今後を心配して働きだすおばあちゃんとか、
    入院、手術で夫婦の関係を考え悩むちょっと更年期入ってるお母さんとか、
    素敵な旦那さんと子供がいるけど、コツコツ節約に励むお姉さんとか、
    結婚したい人がいるけど、彼には奨学金の支払いが沢山あるという事が判明して悩む妹とか。

    みんなこうやってお金の事を一生考えて生きていくんだろうな。

  • 「三千円の使いかた」って言われて、確かに難しい。ランチだと高く感じるし、気に入った雑貨だと「このくらい、いいか」と使ってしまう。祖母の琴子さんが言う、「人は三千円の使いかたで、人生が決まるのよ」という言葉も、そんな大げさなと思ってたけど、読み進めるとお金との付き合い方を考えさせられる。年齢、性別、立場などバラバラの人たちだけど、「お金」をキーワードに節約、借金、生きがいと、さらに人生観や家族関係まで関わって壮大だけど身近に感じた。
    も一つ琴子さんの「お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。」という言葉もあって、改めて「三千円の使いかた」を考えてみようと思った。

  • お金の教科書のような話だった。女の人生、どう貯めるか、どう使うか。
    登場する御厨家という一つの家族間でも、その経済事情は人生観や価値観にもさまざまに通じており、勉強になることばかりでした。何に三千円を払うかはみんな違うのだ。

    73歳のおばあちゃん、琴子には年金と貯金一千万円があったところで減るばかりなのだ。働いて収入があるというのはやはり心の安定にもなる。
    安月給の夫と結婚し赤ん坊を育てる専業主婦の真帆は節約に余念がない。生活はかつかつだが、愛あふれる家庭で明確な目標を掲げていればなんてことはないんだと思った。
    仲良しのご近所さん、根無し草のようにふらふらと生きる安生はコスパ重視の低燃費で、彼女に結婚を迫られても逃げ続けるばかり。子を持つことがギャンブルなのはその通りだが、たとえコスパ最悪でもそれ以上のものをもたらしてくれることをいずれ彼も知れるといい。
    熟年離婚を考える50代の母。財産分与、慰謝料なぞたかが知れている。たといその年になっても、子がとっくに独立していても、こうもまだまだお金はかかるのだと書かれてしまうと、どっと疲れがでた。笑
    離婚するなら早い方がいいなぁ。
    そして最後。結婚を考えている次女の美帆だが、当の恋人が多額の奨学金を借りていたことが判明。不安になる気持ちはよーくわかる。とても前向きなラストだったが、断言しますけど結婚してもすぐ上手くいかなくなりますよこの二人は。相手の実家がだめだめだ。お金にルーズな人は一生治らない。軽率に借金を繰り返し、その重みも何も根本から理解できないのだ。無いものは無いのに、それを我慢できない根性が許せない。金銭感覚が合わなければ喧嘩も絶えず美帆はすぐ嫌になるだろうし、早いとこ逃げた方がいい!(という明らかに経験者の熱弁)

    お金の問題って身内でも友人でも恋人でも話題にしづらいのに、あまりにヘビーで厄介だ。正直あるに越したことはない上に、どれだけあっても足りないだろう。
    「お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。」というおばあちゃんの言葉、今後の教訓にします。

  • ”人は三千円の使いかたで人生が決まる、と祖母は言った。”

    冒頭は、そんな言葉で始まる。
    三千円あったら何を買うか。
    決して高額ではない、けれども小銭でもない、その程度のお金を手にしたとき、あなたは何を買うだろうか。
    本を買う? ちょっとおいしいものを食べる? 少し高めだけど普段にも使えるポットを買う?
    日々のそうした小さな積み重ねが、結局はその人の人生の彩りを決める。
    だから、三千円の使いかたは人生を決める。たかが三千円、されど三千円である。

    本作は全6話、オムニバス形式の連作短編集である。
    御厨家の次女、美帆を軸に、祖母の琴子、姉の真帆、母の智子、それぞれの「経済事情」が描かれる。これにプラスして、祖母の若い友人であるフリーターの安生、母の友人で離婚を控えた千さとの話も絡む。
    それぞれ、さほど裕福ではない。とはいえ、暮らしに困っているわけでもない。ただ、このままノープランで過ごすほどの余裕はない。それぞれに思い描く未来があるが、それを安心して待つには、いずれもやや手元不如意だ。

    著者はイマドキのちょっとした不安をうまく掬い取る。
    節約セミナー、リストラ、シニアの就業、熟年離婚、安月給、奨学金返済。
    描き出される風景はなるほど「今」の景色だ。
    経済右上がりの時代ではない。どことなく閉塞感はあるが、かといって日々にささやかな喜びがないかといえばそんなことはない。

    裕福でなければ、いずれにしろ、節約はしなくてはいけない。
    けれども節約はそれ自体が目的ではない。
    自分の持ちうるものをやりくりして、納得できる暮らしを探っていくのだ。
    幸せになるために節約するのだ。

    物語は美帆の話で始まり、美帆の話で締めくくられる。
    しっかりものの次女である美帆に、最後は意外な試練が訪れるのだが、御厨家の人々が下す決断はいかに。
    思いがけない家族の愛に、最後はほろりとさせられる。

    身近な出来事のあれこれに、自分だったらどうするか、我が家はどうかとあれこれ考えさせられる場面も多い。

    さて、あなたは三千円をどう使いますか?

  • お金をキーワードに改めて自分の生き方、人やお金との関わり方…人生の諸々を考えさせられたと共に元気にもしてもらった一冊です。
    いつからでも、どこからでも始められる!その為の準備!
    なにより『お金や節約は人が幸せになるためのもの、それが目的になったらいけない』
    こんな歳になってもまだまだ学ぶ事がいっぱいありますね。
    有意義な人生を送る為、死ぬまで勉強!です。

  • 小説なんだけれど、お金の使い方、価値観等考えさせられたり自分の事を振り返ったり学ぶ事が色々ありました。

  • 大学を卒業、就職、実家のある東十条から祐天寺へ1人暮らし、今の人生にかなり満足の御厨美帆。節約を指南する元証券の姉・真帆。73歳、夫の遺した貯金1千万をうまく運用したい祖母・琴子。琴子とガーデニング売り場で知り合った自由人・小森安生と付き合うきなり。入院中家事のできない夫に悩む母・智子。そして美帆が結婚を考える相手翔平はー

    ◆家計簿歴24年のくせに「ただ記録してるだけ」の私としてはなるほど勉強になったわ-。それぞれの年代の悩みと前向きさがとても応援したくなる。なにしろ琴子さんカッコイイ。

    誰でもこのまま順調に、ではなくて、いつ病気や怪我で働けなくなるかも、会社がなくなる、切られるかもわからない世の中だけど、「しっかり者の姉」ながらちゃっかり行き過ぎの真帆姉ちゃんも隣の芝生は青く見えたわけだが…旦那さんがいい人で素敵すぎる。それに対比した安生のダメさにガックリだけど、きなりさんの覚悟がカッコイイ。それをすぅっと背中押した琴子さんがMVP。翔平の家族の感覚もびっくりで、あれは結婚に頷けない…と思ったけど、本人はちゃんと色々考えてたんだなぁ。やっぱり、ここでも琴子さんがカッコイイ(笑)

  • いかにも原田ひ香の本だなあという読後感だった。彼女は、様々な年代の女性、特に、おばあちゃん、嫁、孫娘という縦のつながりを描かせると独特の世界観があり、また、この知恵のあるおばあちゃんを魅了的に描き出す。そして、家計とか節約といったことにも、やたらと詳しい。本人の趣味なんだろうか。
    いずれにせよ、エンディングは納得の結論。そうなんだよね、それが一番賢いよね、と強く同意した。

  • 物語というか節約本を読んているような感じで面白かった。
    毎月決まった額のお給料をもらう仕事ではないので、収入を増やすか支出を減らすかしないと生活が楽にはならない。
    収入を増やすのはなかなか難しいので、そうなると支出をコントロールしないとね。
    家賃を考えて引っ越ししたり、格安スマホにしてみたり、意外とやってるじゃん(笑)と思ってみたり。これに無理のない運用ができればバッチリなんだろうけどね。
    欲しい→すぐ買うとかいうのをやめるだけでも無駄使いが減りそうだよね。

  • 祖母琴子、母智子、娘達真帆と美帆。
    それぞれのお金に関する連作短編。

    73歳で働くことを選んだ琴子おばあちゃんに元気づけられた。
    素敵なおばあちゃん、憧れます。

    智子の悩みはリアル。
    我が家も、家事一切は家族がするより自分がする方が早いと私がひとりでしてきてしまった口なので切実だった。
    普通に暮らしていく上では、夫と2人の老後は、少しずつそこに慣れていくものとは思うが、自分が病気をしたらと考えると不安になる。
    身体には気をつけなくちゃ。

    美帆の結婚は、親の立場からはやっぱり反対してしまうかも。
    相手の家族とは、ある意味一生の付き合いだし、仮に借金問題が片付いたとしても、心配は尽きない。

    とは言っても、みんな最後はハッピーエンド。
    面白かったです。

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著者プロフィール

原田 ひ香(はらだ ひか)
1970年、神奈川県生れ。2006年、NHK 創作ラジオドラマ脚本懸賞公募にて最優秀作受賞。2007年、「はじまらないティータイム」ですばる文学賞を受賞してデビュー。著書に『東京ロンダリング』『三人屋』『母親ウエスタン』『虫たちの家』『ラジオ・ガガガ』『ランチ酒』などがある。
(2018年5月10日現在)

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