三千円の使いかた

  • 中央公論新社 (2018年4月19日発売)
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784120050701

作品紹介・あらすじ

突然の入院、離婚、介護費用。心配ごとは数あれど、前を向いて生きていたい。女の人生、どう貯めて、どう使う? 70代、50代、30代、20代の御厨家の3代にわたる女性たちの節約ストーリー。

【目次】
第1話 三千円の使いかた
第2話 七十歳のハローワーク
第3話 目指せ、貯金一千万
第4話 費用対効果
第5話 熟年離婚の経済学
第6話 節約家の人々

感想・レビュー・書評

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  • 三千円をどう使うか、それぞれの年代の女性のお金の使い方の連作短編集‥‥そこにはきっとお金の賢い使い方が書かれているに違いない‥‥と勝手に思い込み読み始めました。
    読み終わって感じるのは、大事なのは使い方というよりも向き合い方なのではないかということです。
    お金は生きていく上でなくてはならないもの、とても大切なもの。そしてお金は家族と使うもの。お金のことを考えることはすなわち家族のことを考えることです。
    もちろん一人で生きていく人もいると思います。
    どう生きるにしても、お金とどう向き合うかということは、自分の人生にどう向き合うかということなのだと思いました。
    どのように賢く貯めたか、ということよりも、自分はどんなふうに生きていきたいのか?と問われているような一冊でした。

  • 原田ひ香さんの作品は3冊目かな。
    タイトルを見て気になっていた本で
    図書館で借りてきた。
     3000円の使い方で人生が決まるという言葉から始まるこの作品。
    御厨家の人たちを中心にお金のこと貯金のこと、人生の悩みや問題について描かれた作品。

    もし3000円をもらったら、私はきっと本代とお菓子に使ってしまいそう。(貯金できないタイプ)
    ただこの作品でも言っていたようにお金を稼ぐ、貯金、節約が目的になったら、人生楽しめないから
    もっと自分のやりたいこと、欲しい物などのために
    貯金や節約をするようにしないとなーと考えることのできた作品でした。

    最後に主人公の美帆が語る言葉に
    「人生にはどうにもならないことがたくさんありますよね。
    例えば、年齢、病気、性別、時間.....。
    ある種の借金もその一つなんじゃないかと思うのです。だったら、借金がある私たちが幸せなれないなんてことはおかしくないでしょうか?そんなふうに考えたらいけないでしょうかお金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。」

    人生、人それぞれに問題や悩みはあるけれど、
    どんな人でも幸せになる資格はあるから、諦めずに
    幸せになるための方法を模索することが大事なのかなと思いました。

  • かろやかに、読み続けることができました。

    第1話 三千円の使い方
    第2話 七十三歳のハローワーク
    第3話 目指せ! 貯金一千万!
    第4話 費用対効果
    第5話 熟年離婚の経済学
    第6話 節約家の人々

    原田ひ香さんの本を読むのは始めてです。

    原田さんの本を読もうとして何度も手にしましたが、字が小さく薄いので読むことができませんでした。この本も20ページぐらい読んでしばらく休んでからと、休み休み読み続けました。

    2018年に発行された本が、今も予約待ちの状態だったので調べてみると。2023年1月7日から2月25日まで、東海テレビとテレパックの共同制作で「土ドラ」枠にて放送された事が分かりました。

    【読後】
    私は、結婚してすぐにマンションを買い、サラリーマンを辞めて、独立開業しました。そして、お金を返済していくのが楽しかったです。7、8年で返済が終わったら。元気がでなくなりました。そこでマンションを買い替えて借金を返済していきました。
    私にとって借金を返済することは、仕事をしていくうえでの目標でした。が、落とし穴がありました。借金を返済し終わってホッとした時に始めた株で、持っているお金の多くを無くしてしまいました。それからは、静かに、コツコツと働いて行きました。

    そんな私には、この本は、かろやかに、楽しく読める物語でした。

    「図書館」
    三千円の使いかた《単行本》
    2018.04発行。字の大きさは…小。2023.12.05~12.13読了。★★★★☆
    図書館から借りてくる2023.11.24

  • 原田ひ香さん、初読み。女性目線で見る金銭感覚、節約方法、旦那・彼氏への考え、結婚観、色んな目線が面白かった。さらに我が妻に「面倒な旦那だ!」と思われていないか心配にもなる。おばあちゃん73歳でパート仕事はホッコリできた。彼氏が大学奨学金500万(利息込700万)を返金しなくてはならないことが分かったら結婚をどうする?アメリカでは1千万超えは子の責任だけど、日本では子の責任か?自分は奨学金を借りたけどありがたい制度で免除。裕福・幸福かどうかはお金だけでは評価できない。でも人生は楽しめるだけ楽しみたいけどね。

    • ポプラ並木さん
      こんにちは!実は15年間、大学・研究所で働いたら、免除になる制度があるんですよ。でも今はなくなってしまって、私の代でこの制度hなくなってしま...
      こんにちは!実は15年間、大学・研究所で働いたら、免除になる制度があるんですよ。でも今はなくなってしまって、私の代でこの制度hなくなってしまいました。私はラッキー、後の人は残念ですよね。大学4年間、大学院修士2年、博士3年で最高額は2000万円。これがチャラはすごいよね。裏話しで、大学奨学金は使わずにもらっておくだけで、銀行で利子が付くんですよね。さらに!無利子の場合、自宅のローンとして組み込んでいる人は多々。

      この本はとても勉強になるし、最後はほっこりです。読んでほしいな!27人待ちはいい方ですよ。自分は100人待ちがざらでした。感想楽しみ!
      2021/11/04
    • アールグレイさん
      27人、そう、それぐらい待てる。40とか30なんてザラです。
      ・・・ところが、ブクログは新刊情報で教えてくれるから、ひと桁の順番が多くなって...
      27人、そう、それぐらい待てる。40とか30なんてザラです。
      ・・・ところが、ブクログは新刊情報で教えてくれるから、ひと桁の順番が多くなってうれしいけど困っています。
      わざとリクエスト状況を見て遅らせてみたり・・・
      ーーーすごい!その制度はいつまでだったのかと思います。免除されただけ?その分銀行に?
      コメントに書いていいの?まぁ、ポプラ並木さんだもんね。どこの誰かはワカラナイ
      (「= =」)
      2021/11/04
    • ポプラ並木さん
      そうだね。新刊情報は嬉しいです。でも強者が多く、大体人気のある作家さんは100人待ちがほとんどです。自分は授業料+生活費で消えました。。。で...
      そうだね。新刊情報は嬉しいです。でも強者が多く、大体人気のある作家さんは100人待ちがほとんどです。自分は授業料+生活費で消えました。。。でも支払い免除になりました。賢いT大生は使わない人がいるようです!
      2021/11/05
  • 私もそうでした、いや、今もそうですが。
    美帆ちゃん同様、お金を貯めよう!と思って貯金箱を買いに行くタイプ。
    何をどうしたらよいのかわからず無理に節約をして、結局謎のリベンジ消費をしては反省会と称しおやつを食べるシステム。

    説教くさくなくて、綺麗事でもなく、でも現実的にお金のことを物語の中から学べる本でした。
    内容としては奨学金返済や熟年離婚、老後の年金についてなどシビアな案件にも関わらずどことなく悲観的ではない描き方で、あまり気負いせず読むことが出来、前向きになれました。

    新しいタイプのお金についての指南書ではないでしょうか。
    なんのためにお金が必要なのか、何にお金を使うのか。三千円を出して買ったものの価値とは。
    それぞれの年代、生活環境、カテゴリーからのお話、面白かったです。

    そして最後は家族の愛に、ほろりと涙が出ます。

    私も黒船スーコ先生のセミナーに参加したいです…先生、助けてください…笑

  • 実ははじめて読んだ作家さん

    ずっと気になってたのを
    やっと読むことができました

    わかりやすくて、読みやすかったです(^^)


    最近はこの手の
    結婚、お金、熟年夫婦、
    老後のことなどについて書かれてる
    現実と向き合う感じの本をよく手に取ります


    自分自身も生活を見直したいと
    思っているのか、
    今後を不安に思っているのか…?


    冒頭の3000円の使い方で
    その人がわかるっていう話は
    よく言えてるなと思いました


    この話は連続短編の形になっていて
    一編ごとできちんと解決するわけではないが
    別の章でその後の様子がわかったりして
    それもよかったです
    また、自分が思ってる自分の姿と
    人から思われてる姿の違いも面白かった


    最終章はホロリときました

    他の作品も読んでみたいです
     

  • 現実味があり、身近に感じられる話で面白かった。お金の悩みは人それぞれで、各話の主人公の悩みが参考になったりして、なるほどと思うことが多かった。私だったらどうするんだろうか?と考えながら読んだ。

    第一話で美帆が貯金に目覚めたけど、そのわりには、無駄遣いばかりしていて、「それじゃお金は貯まらないよ」と思わずツッコミを入れてしまった。その美帆も最後には成長して問題と向き合う事ができた。

    それもおばあちゃんの御厨琴子のおかげだと思う。琴子がすごくいい。琴子の叱ったり、元気づけたり、アドバイスがあったからこそ、みんな将来を考える事が出来たと思う。

    この本は去年の秋だったと思うけど、図書館で見たのを最後にずっと本棚になかった。人気のある本だからしょうがないんだけど。この前行った時、本棚で見つけた時の喜びはすごかった。そしてやっと読めて、すごく幸せ。

  • 連作短編集。
    中古の一軒家で犬を飼うことを目標にお金を貯め始める次女美帆。73歳で働き先を探す祖母。元証券会社社員でしっかり節約する姉。彼女との将来が想像つかないご近所さん。妻が家事をすることが当然と思っている夫にストレスを感じる母。奨学金550万円の支払いをすることになった美帆の新恋人。
    家族それぞれのお金に対する考え方、使い方や貯め方、どう生きていきたいかが描かれています。

    高校生の子供がいる身としては奨学金に関しては他人事ではない問題です。今は奨学金で大学に行く学生が多いので、感覚が鈍ってしまっていたことに気が付きました。やはり借金なのだ、と再認識させられました。

    一番心にぐっときたのは母、智子。うちの旦那も、とか、その一言に腹が立つよね、と100%同意。

    年を重ねて、人生予定外のことばかり。その中で友人や相談できる人がいるって心強い。そして家族の存在ももちろんのこと。人生の次のステップに進むときに、理解し合って応援できる家族でありたいですね。

  • 長女・次女・母・祖母、人生ストーリーとお金の問題。『あるある感』満載だった。

    年齢と共にお金との向き合い方も変わっていくなぁと思ってたら、この本に出会って興味深く読めた。
    私はまずコンビニ通いを見直さなくては(*ノ>ᴗ<)テヘッ

  • 読んで良かった。
    図書館で何ヶ月も待った甲斐があった。
    いやいやいやいや、えーーーーなんでなんでと読みながら何度思っただろう。
    三千円、私は上手に使えているだろうか。
    「お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。」
    ハッとした。
    日々の生活、家のローン、物価高、税金、物価高、税金、物価高…
    銀行に預けたってタンス預金と変わらない利息。
    もらえるか分からない年金制度。
    老後2000万問題。
    最近気が滅入りそうだったの。
    そうよね、お金は必要だけど、それを目的にしちゃいけないのよね。
    なんだかとても大切なことを学ばせてもらいました。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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