- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120050718
感想・レビュー・書評
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年齢も考え方や生き方もまったく違う女達のそれぞれのお話を集めた短編集。女子高で青春を謳歌する少女、溺愛していた息子を無意識に虐待していた女、ミニシアター系の映画にはまり15回も観に行く女、子育てに必死になりながら官能小説を書くシングルマザー作家、虐待された記憶をもとに小説を書くホラー作家、塾の受付のパートをしながら小説を書く人気ファンタジー作家の6話。
爽やかな青春のストーリーがあると思ったら、かなり重めのダークな話もあったり、特に何も起こらないぼんやりとした話なども入ってバラエティに富んでいる。後半の主人公がみな何かしらの作家だったので少しかたよりがあるかな、という気もする。
とても面白くてサクサク読み進む話と、なんだか進まないぼんやりした話と。全体的には面白かったかな。
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女性小説家が主人公の短編が収められた短編集だ。
各編によって雰囲気がぜんぜん違って、体が腐っていく世界が見えるというホラー作家の話もあれば、シングルマザーとして奮闘する官能小説家の話もあり、甘酸っぱい初恋を回想する恋愛小説家の話(これは別のアンソロジーで既読だった)、息子の思い出を元小説家が語るスリラー風の話など、引き出しの多さに驚く。
朝比奈あすかってこういう話も書く人だったんだなぁ、と思う。
最後に収録された、学習塾を舞台にファンタジー小説家を描いた短編の作風のイメージが強く、その他の短編は意外な印象を受けた。
勝手に抱いていた作風が痛快に打ち破られて、面白い。 -
譲治のために
世界裏
の、2篇。怖すぎた。
ホラーだ。
知らないまま読んでいた。途中でやめることも出来ず最後まで読んだけど、なんだろう、普通なのに徐々に身体が傾いていくような、下に引っ張られていくような感覚をいつも朝比奈さんの文章から感じる。
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朝比奈 あすかさんの6話収録の短編集
「初恋」「譲治のために」「メアリーとセッツ」
「官能小説家の一日」「世界裏」「戦うなと彼らは言った」
小説家を主人公にした毛色の異なる短編6篇が収録されています。
どの物語も心の中にモヤモヤ(小さな爆弾)を抱えた女性達の日常が切り取られています。
印象に残ったのは女子高で先輩に恋をした主人公の想いとその後を描いた「初恋」
2歳の息子を女手一つで育てながら官能小説を書く主人公のリアルな日常を描いた「官能小説家の一日」
以前読んだ「人間タワー」の時に感じた、どこか虚無感漂う独特な雰囲気の作品集。 -
3.5
よかった。官能小説化の1日がよかった。譲治のためにもにも気になった -
短篇集
どれも文章に関わる女性が主人公
恋愛小説家、元作家、実験的な小説家、官能小説家、ホラー小説家、ファンタジー小説家…
『戦うなと彼らは言った』が好き -
女子校に通う中学生の初恋を描いた作品から始まる、六篇からなる短編集です。
不穏な空気を醸し出す元作家の母親、アルバイトしながら小説の執筆に励む女性、等
六篇全て、小説を書く女性が主人公となっています。各話に関連性は見当たらないし
繋がりはなさそう。
なので、純粋な「短編集」だと思うんだけど、この縛りは何だろう?
イヤミス・ホラー・喪失と再生、etc ジャンルばらばら、インパクトに欠ける。 -
なかなかの爆弾でした。
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「譲治のために」はなんかもうやばい。本人と周囲の捉え方はこんなにも違っていて、理解し合えないのもそりゃ当然だよなという気になる。「メアリーとセッツ」と「世界裏」は結構好き。前半はファンタジーなのか? と思うくらいの感じだけど、後半の作品になるにつれて現実味が増していく感じがした。