冷たい檻 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.59
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本棚登録 : 361
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120051081

作品紹介・あらすじ

北陸地方の海沿いにある小さな駐在所で警官が失踪。県警本部は個人的な都合で失踪したと処理する。後任として駐在所に着任したっ島崎巡査部長の下に、上層部から送り込まれた調査官・樋口が現れる。警察内で密かに失踪事件を調査することのようなのだが……。日本海側の過疎の村にふきだまる欲望! 巨大福祉施設に隠された恐ろしい秘密を二人は暴けるのか。そして、樋口の正体とは!?

感想・レビュー・書評

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  • 私的にはハズレ無しの伊岡先生の本。
    しかもこの厚み(*´▽`*)
    私は長編が兎に角大好物。この厚みからも期待感が半端ない(*^-^*)


    プロローグ。場面は遊園地。
    いきなり刑事の息子が誘拐されるところから物語がスタートする。


    時、場面はガラッと変わり、北陸の駐在所から物語が始まる。
    その駐在所では、過去に警察官が失踪している。
    県警本部から派遣された調査官・樋口透吾が、失踪した警察官の後任の駐在・島崎巡査部長と共に失踪の謎を追う。

    過去に発生した事件や事故が、村に存在する大型複合福祉医療施設に関係していると気づく。


    ちょっとハードボイルドチックだが、女性にも十分読み易い。
    主人公の樋口は、最初は横柄で嫌な人間のような気がしたが、次第に島崎巡査も懐いていき、魅力的に見えてくる。

    大型ショッピングセンターや、福祉医療施設、色々な利権が複雑に絡む、政治的な結末かと思いきや!


    読み易さと物語の面白さで、一気読み(*^-^*)
    なかなかにワクワクドキドキされられた。

  • 他の方のレビューを読んだら、とてつもなく面白そうなので、途中まで読んだ本を中断して、読んでみた。
    北陸地方で駐在所の警察官が失踪した。その事実を調べるために調査官・樋口が派遣される。
    その樋口の案内と言う名の監視を任された後任の島崎巡査部長。
    平穏な村だとばかり思っていたが、樋口と一緒に回ってみると「施設」と呼ばれる場所で、老人の転落事故が相次いでいたり、村の中の家々で窃盗事件や放火事件が起きていた。
    そして「施設」の存在の裏にも大きな陰謀があり…
    とっても、スケールが大きく、いろいろな謎が蠢いていて、確かに面白いことは面白いのだが、ラストがいまいち…
    伏線は回収されていると思うが、結局樋口が何者だったかも、いまいちよく分からないし、「施設」を巡る今後など、もう少し描いていても良かったのではないだろうか。

  • 真壁刑事の痣が面白かったので、店頭で伊岡さんの新刊?と思って即購入。
    分厚さに躊躇したのも忘れるほど、読み始めると止まらなかった。
    何もない田舎として始まるには事件多過ぎ。
    問題にならないほうがおかしいだろと言いたいのだけど、それよりも続きが気になる。
    政治とカネ、利権絡みのところは早々にわかるのだけど、それを踏まえて何が起きてるのか?
    特養の老人、前科ありの青年、保護児童相手にとか製薬会社怖すぎ。
    子供が興奮状態のいわゆる覚醒しているあたりはほんとに怖かった。
    終盤、ああこの子がそうかと読む側にはわかっちゃったけど、どうするのかな?と思ってたら、
    最後は、あら?そんな簡単に?とも思わなくもないけど、会えて良かったし、まあそこではないかとも思う。
    とにかく読みごたえ充分。すごく面白かったです。

  • 駐在所勤務の警官が失踪する、その後任にあたる島崎巡査。失踪調査をする為、県警本部から送られた樋口。過疎の村にある廃業間近の商業施設、中国企業が絡む複合福祉施設、力を持つ村長、全ての陰に何があるのか。
    政財界の利権、薬の臨床実験、社会派ミステリー。全体像が見えてよかったけれど、同時進行で場面、視点が変わり、スケールが大きくなってくるし、それが多すぎるかなといった感もあり。樋口が子供と出会うところは出来すぎかなと。最初に樋口を持ってきたんだし、もう少し樋口の心情が欲しかったかな。ありそうで怖い話ですが。

  • 伊岡瞬さんは、前回読んだ「祈り」があまりハマらずで、、しかしこちらは先が気になる展開で、長編ですがすぐ読めました。
    なんですが、読んでいくうちに大体の予想ができてしまうことと、最後が突然というかあっけなくというか、うまくいきすぎだなと思ってしまいました。本筋はおもしろかったです。

  • 初めての作家、なかなか面白かった。終盤の謎解きが調子良すぎて残念だったけどね。ついでに幼い時に拐われた息子との思わぬ再会も都合良すぎだった。それでも序盤から中盤にかけての展開はとってもテンポよく緊張感もあり一気に読める。別の作品も読んでみたくなります。

  • 物語後半になってもなかなか全てのピースが合わない。特に動機部分が。それもそのはず、薬による異常行動ならば合理的な説明は不要。それを差し引いても骨太なさくひんだった。

  • 非情に展開が面白い。プロットに嘘くささがなく実話にありそうな話。長編だがストレスなく読める。公安ものかと思わせて...のストーリも良い。

  • 面白かった。現実にもありそうな話で、ハラハラした。

  • お話自体は面白いのだけれど。
    テーマの大きさと登場人物の多さを描ききれていない。
    冒頭の話がメインかと思うけど、深く描かれていないぶん、ご都合主義に感じてしまった。

  • 介護施設と養護施設と土地にまつわる利権と薬の臨床試験、に政治家、警察、調査組織、ブローカーが絡み合う。話の展開がゆっくりだけど読みごたえはある。だけど最後のほうで一気に加速というか強引に短縮した感じが。主人公のキャラがいい。主人公がバシッと解決かと思ったら、撃たれて倒れてしまうその間に解決して後日談なのは残念。でも最後の数ページの読後感は最高だった。続きが出れば読みたいがこの終わり方で十分なのでないだろう。

  • 未解決の誘拐事件、駐在失踪事件、老人の転落事故等々の謎が徐々に浮かび上がってくる、たまらない緊迫感に満ちた警察小説。児童養護に青年更生、そして老人ホームを兼ね備えた「施設」の目的と、土地の利権を巡る政治的な謀略。そして施設の子供たちが崇める「アル=ゴル神」。スリリングだけれど、不気味に感じる要素がいっぱいです。
    そんな中で巡査の島崎のキャラクターがなんだか和んだり。調査官の樋口に振り回され、それほど有能だとは思えないのが残念だけれど。人間的には魅力的です。だもんで余計にハラハラさせられる……! そして主役である樋口もやっぱり魅力的。彼の過去の問題が解決されるのだろうか、というのもとても気になっていました。ああ、まさかそこで繋がるのかっ!
    とんでもなくおぞましい真相ではあるけれど。解決は綺麗で、後味は悪くない……というよりむしろ良いです。いろんなところでほっとさせられました。

  • 最初の設定や人物描写が鮮やかで吸い込まれていったけど、徐々に減速してしまった感じがする。
    広げる風呂敷は面白くて不気味さも相まってワクワクしたけど、終盤がどうもあんまりやったかな。
    深見やら、駐在からどうやって運ぶのとか、村長のくだりとかいるの?とかしっくりこない展開と、オチもちょっと無理あるかなと感じてしまった。

  •  本当に知りたい物語は、この後から始まるのかもしれない。少年の心の中にある「兵器」としての心ゆえに。しかし、革命戦士という設定には、やや驚いたな。

  • 読んでみて一番心揺さぶられたのは、冒頭のあの3分未満の結果でした。
    読み進めやすいけれど、終盤の印象が個人的に弱かったです。でも他の作品も読みたいと思いました。

  • 長編。
    図書館の返却期限が迫ってたとの読み終えれるかなと思ったけど
    スラスラ一気に読めた。ほんと、伊岡さんの本は読みやすい。
    ただ、今回は長編だけに内容は難しめの題材。そしてテーマが多い。
    過疎、高齢化、児童虐待、少年法、政治に海外企業の進出、他にもあったような。。
    テーマが多いだけに広く浅くな感じで、長編の割には物足りなさが残った。
    ただ、最後は涙。息子ものには弱い。

  • ハッピーエンドでよかった。

  • 駐在所から失踪した警官の行方を追う、後任の警官と謎の調査官。過疎の村にふきだまる巨大な闇と欲望とは!

  • ストーリーとしてはややよくある話で主人公の属する組織もちょっと現実離れしているかと感じたが主人公に魅力があり面白かった。最後は感動。

  •  子供の失踪から始まって、内容的には重ためなのですが、文章に悪意がないので、最後まで気持ちよく読めます。

     最後に救いがあって良かった。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(『約束』を改題)で、第25回「横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」をW受賞し、作家デビュー。16年『代償』で「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、50万部超えのベストセラーとなった。19年『悪寒』で、またも「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、30万部超えのベストセラーとなる。その他著書に、『奔流の海』『仮面』『朽ちゆく庭』『白い闇の獣』『残像』等がある。

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