さよならの夜食カフェ-マカン・マラン おしまい (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
4.38
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本棚登録 : 1441
レビュー : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120051401

作品紹介・あらすじ

「好きなもののある私たちは、強いはずよ」ラジオ化&重版続々の大人気シリーズ、遂に完結!

これまで、苦しんできた人達を救ってきた「マカン・マラン」の店主・シャール。今回、シャールを訊ねてきたのは謎の美青年。彼の決意や未来の話を聞く中で、シャールはこの夜食カフェを始めたきっかけを思い出す――。

感想・レビュー・書評

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  •  とうとうおしまいの巻。
     最後の章に続編の芽がチラリと。

     女同士の付き合いの難しさが、またまたリアルな表現で身につまされる。
     
     性別も年代も付き合いの長さも超えて、話を聴いてくれる人が欲しいんだよね、みんな。常連になれなくてもいいから、そんな人がいる店、私も欲しい。
     

  • 「さ、マカン・マランのお時間よ」
    お馴染みの心休まる取っておきの時間が今宵も始まった。
    儘ならない人間関係に煩わされたり、つまらない見栄を張ったために行き場を失ったり、今回も悩める客人が次々に辿り着く。

    「人は誰かに見送ってもらえれば、案外、次の一歩をしっかりと踏み出せるものよ」
    シャールさんにそっと背中を押され温かく見送られ、悩める客人も再び歩み出す。
    背筋をピンと伸ばして顔を上げて。
    負けるな、みんな。ふれふれ、みんな。
    縁あって出逢った仲間がいつでもそこで待っていてくれるから。
    逢えない時も思いを馳せてくれるから。
    この先もずっと都会の町の片隅で、深夜のカンテラに小さな灯りをともして。

    大好きなシリーズもとうとうお四(し)まい。
    感情移入して涙ぐんだり気持ちが温かくなったり、シャールさんの作る料理描写にお腹が鳴ったり、と私にとって大好きで大切な作品。
    シャールさんやみんなの行く末も気になるので、また時間をおいてシリーズを再開してほしい。
    そして私もいつか、孤独を楽しむ余裕を持てる大人になりたい。

  • 思いを馳せながら読んだおしまいの一冊。
    あぁ、あの人やこの人、思いを馳せながら涙しながら一話ずつ味わった。
    乗り越えた姿に拍手を、これからまた乗り越えるであろう姿にエールを送りたくなった。
    改めてシリーズ一気読みもしたくなるなぁ。
    細い路地はまるで行き場をなくした感情を思わせ、ぽっと灯ったカンテラは道しるべを感じさせ、シャールさんのお夜食と言葉はまるで心の栄養。縁があったからこそ導かれ出逢う場所、気づきと心の栄養、健康を得られる場所「マカン・マラン」そして誇り高きドラァグクイーンは自分の中では永遠だ。

  • 夢中で読んだマカン・マランシリーズ、とうとう最終巻
    もっと読んでいたい・・・

    心が疲れた人を無条件で受け入れ、肯定し、背中を押してくれたシャールさん
    しかし、シャールさんがこうなるまでには、いろんな紆余曲折があった! 苦しいことがあった!
    当然のことではあるけれど

    思えば、一体どこから" シャール " は、やってきたのだろう
    考えれば考えるほど、分からない。それこそ " 顕現 " エピファ
    ニーというものかもしれない。明確な理由はどこにもないけれど
    初めて女装をした時からシャールは自分の中に忽然と現れた

    挫けそうになるたび、鏡の中の " シャール "が、自分を叱咤した
    何をくよくよしてるの。しっかりしなさい。私は意気地なしのいじけたおかまじゃないの。私はね、愛と平和と革命に燃える誇り高きドラァグクィーンなのよー!

    長年抱えてきた性の不可解と戸惑い、つらい放射線治療・・・
    そんなことをいっぱい乗り越えてきたからこそ、人の辛さや不安が分かるのだろう

    だからこそ、いろんな人を肯定できるのだ
    マカン・マランを訪れた人々が、元気を取り戻し、前を向いて一歩踏み出せるのは、シャールさんの言葉が、肯定で成り立っているからだろう

    生きていく上でのいろんな示唆をもらった

    その他にも、マクロビオティック・アーユルヴェーダの考え方
    トルコオヤという手芸・ガレット・デ・ロワというお菓子とその中に入れる陶器のフェーブなど、私の知らないいろんな世界を見せてくれたこの本に感謝!

    この本を知るきっかけになったブクログにも感謝!

  • 今まで出てきた人がまた出てくる本でした。まさしく、さよならでおしまいの本かな。
    他の作品でまた登場するかもしれないけれど、シャールさんが読めなくなるのは残念。お別れですね。癒し・励ましの言葉をたくさんいだたきました。「どうか忘れないで。あなたも私も決して一人じゃないのよ」最後の雪村、柳田とのシーンは泣けた。

  • 人の生き方には、「こうであれ」という答えはない。
    取捨選択をしながら、今を生きるのが人であり、過去と共に歩み、未来に想いを馳せながら人生を歩む。

    過去と未来の狭間にある今、自分らしく生き抜く事こそが、本当の幸せなのかもしれない。
    選んだ末に得たものと失ったものを天秤にかけながらも、その本質がしっかりと見えていれば迷いも後悔も恐るるに足らず。

    シャールさんの生き様を想像すると、そんな風に思えてくる。


    人へ捧げる真心も、人を信じ、人を好きにならないと伝わらない。
    他を犠牲にするのではなく、他と共存共栄をしていくことが、高度な知能を得た人にとっては大切な生きる道なのではないかと…

    4連のシリーズ最終巻。
    ドラァグクイーンといえば、泰然とした姿を思い浮かべるが、人間味溢れるシャールさんにそういう姿はあまり感じない。だからこそ、この物語の主役となれるのかもしれない。。。

  • すごくステキなシリーズのラストだった!
    明確な区切りがなくても、いつもの日々で終わるのがマカンマランらしいな。
    だって、現実の日々は、どこまでも続いていくものだもの。

    きっと明日も明後日も、マカンマランでは、ドレスを縫って、お夜食を食べて、みんなで泣いて笑って認め合って毎日を生きていくから。

    あぁ、やっぱり、わたしもシャールさんのお夜食食べたいなぁ。

  • マカン・マランシリーズ完結編。
    さすがに四作目ともなるとややマンネリ感もあるものの、過去に登場した人々のその後も分かったりしてシリーズを追っている人間としては楽しめた。
    なんと言ってもシャールさんが少しずつ体調も良くなっているようなのが安心出来たし、個人的に好きな柳田教諭がシャールたちにギャアギャア言いながらも見守っている感じなのも安定していて良かった。そしてなんと意外な出世。こういう教師は一生平教諭でいるのかと思っていた。

    今回登場した人々の中には新しい場所を探すのではなく、そのままの場所で出直すというパターンもあって、それはそれで大変なことだろうと思いながら読んでいた。逃げ出すことは悪いことではないが、その場所に留まって、これまでの自分を見つめ直してやり直すという生き方を決断した彼らも応援したい。

    シャールさんはどこまでも広く深く受け止めてくれるが、決断するのは自分自身、そんな厳しく優しい突き放し方が素敵だった。
    そしてこれからもひっそりと道に迷った人を受け入れる夜食カフェがあるということが嬉しい。

  • マカン・マラン最終巻
    シリーズを通して
    人間の身体って食べる物で
    心癒される事あるのだと思った
    気持ちが荒れると食も粗末になる
    気分が乗らない時ほど時間を掛けて
    美味しい物を作り食べる事で
    自分を労わる事が出来る気がする
    誰しも自分で解決して行くべき事
    決断すべき事がある
    そんな時にそっと見守ってくれる人
    見送ってくれる人の存在があるって
    心強いものだ
    家族や親友にとって私が
    そういう存在になれると
    良いなと思わせる一冊でした

    シリーズは終わりましたが
    番外編期待したいです

  • 好きなシリーズ。最終章ということで、勿体なくて、なかなか手が出せないでいました。

    主人公と同じ境遇でなくとも、シャールさんの言葉は、今の自分を肯定してくれるように感じます。
    読み終わった後は、日々のモヤモヤとした気持ちに、光が差し込んだ様な気持ちになる。

    ラストのシャールさんの話が、とてもよかった。またいつの日か読めるといいな。

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著者プロフィール

東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、二〇一一年にデビュー。二〇一七年『フラダン』で第六回JBBY賞(文学作品部門)を受賞。他の著書に『赤道 星降る夜』(小学館)、『キネマトグラフィカ』(東京創元社)、『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』『女王さまの夜食カフェ マカン・マラン ふたたび』『きまぐれな夜食カフェ マカン・マラン みたび』『十六夜荘ノート』(中央公論新社)等がある。

「2018年 『さよならの夜食カフェ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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