小林一三 - 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
4.35
  • (9)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 135
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120051517

作品紹介・あらすじ

阪急、東宝、宝塚……。近代日本における商売の礎を作った男。哲学と業績のすべて。博覧強記の著者による、圧巻の評伝。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2019年5月読了。
    人口態動の変化に従って事業をどの方向に舵取りして行くかという発想を持っていることが、同時代の鉄道事業者達と小林一三との違い。
    鉄道と沿線開発、歌劇団、百貨店、映画、ホテル、バラバラの事業だが、中間層の増加に合わせて彼らをターゲットにしているという一点で、これらの事業は全て共通している。

  • 東宝という会社はもちろん知っていたが、その成り立ちは全く知らなかった。
    小林一三はスゴイ!初めてちゃんと知ったわ。
    こんなにすごい実業家が日本にいたのかと舌を巻いた。
    しかも経営者としての才覚を発揮していくのは、サラリーマン時代の後だ。
    三井銀行で15年間を勤務したというのだから、退職したときは30代も後半。
    それまで普通のサラリーマンをしていた人が、どうしてここまでのカリスマ経営者になれたのか?
    しかも三井銀行勤務時代も決して優秀な社員ではなかったのだ。
    全国の支店がきちんと働いているかを探る内偵係。
    調査部という名前だが、社員からは嫌われる閑職だ。
    そんな身分だから、社内でも味方は少なかったのだろうと思う。
    (多かったら銀行を辞めなかっただろう)
    しかしそこからが人生の転機となる。
    ひょんなことで経営に関わることになる「鉄道会社設立」が大きく彼の人生を変えて行く。
    うだつの上がらない銀行員だった彼が、どうしてこの会社設立が出来たのだろう?
    そして、どうして彼にはこの事業が「イケる!」と未来が見えたのだろう?
    この本には詳しく書かれているが、彼のまさしく非凡なところなのだ。
    しかし銀行マンからなぜ鉄道?(阪急鉄道だ)
    さらにそこから宝塚を作り、阪急百貨店を作り、電力会社も作り、映画会社も作った。
    どうにも会社の業種としては一貫性がないのだが、なぜ彼にはこれらが成し遂げられたのだろうか。
    とにかく才能が突出している。
    「100歩先の未来が見えるものが勝つ」というが、本当になぜなのだろう。
    未来を見るチカラだけでなく、一本芯が通っているのが本書を読んで感じたことだ。
    商売の基本と言うか、信念がある。
    「儲け過ぎてはいけない。儲けは顧客に返す。さすればその顧客が常連になってまた利益を持ってきてくれる。すなわち顧客に還元することが一番」
    この経済が循環する仕組みが肌感覚的に染みついたのは、銀行員の経験があるからか?(とてもそうは思えないが)
    それと自分が想定している顧客の顔がちゃんと見えていたことだ。
    中流のサラリーマンの家庭が対象となり、安くていいものを。
    仕事は都市部で働いて家に帰るから、週末は安くて家族で楽しめる娯楽を。
    この中流サラリーマンが、これからの資本主義の日本を支えていくと見えていたのだ。
    これは最早に信念に近い。
    「日本を発展させるためには、彼らの人生の充実が必須である」と。
    最近は特に思う。
    「会社経営には『思い』が重要である」
    普通にサラリーマンで出世して、事業に信念のない人が取締役になっても、真の経営者とは決して言えないだろう。
    私自身もすでにうだつの上がらない50歳のサラリーマン。
    これからどうやって生きていくべきか。
    生き方として大きな指南本となりえるものだ。
    (2020/4/4)

  • 鹿島茂の文体にはずれなし。考え抜かれてる。

  • 序章 小林の「人口増に乗った経営」を切り口にするのが、本書の独自性なそうな。私の常識が問題なだけですが、ここまで広範囲に携わっていたとはおどろきでした。
    P43 三井銀行の三井社長 頭取じゃないの?
    P56 小林24歳、恋人こう16歳
    P108 宝塚少女歌劇団 「少女にしたわけ」で、自分は16歳の恋人とゴタついておきながら……と思ったのでした。
    P154 阪急、阪神の争い。球団で存続したのは、阪神でしたけど。一文字での略称で阪神=神なのは、せめてもの名残?
    P171 鉄道時代になって、地の利がなくなった 鉄道史を知ると、何もなかったので鉄道が敷けたのがわかります。地下鉄は除きますけど。
    P207 東京電灯は表記ゆれ?
    P226 宝塚大劇場4000人、当時としては大きすぎ?
    P242 ヴァイタフォン はじめて知りました。映像と音声の分割はdtsと同じかと。dtsはCDが紛失したとか。まあ、日本では普及しませんでしたけど。
    P447 敗戦後でも、革新官僚による統制経済 既に官僚統治が……
    P467 第一騎兵師団、キャンプ・ドレイク たぶん、朝霞駐屯地近辺?東宝争議への投入戦力がちょっと大げさかと。連隊未満かと。

  • この男の人生に、日本の経営学の全てがある! 阪急、東宝、宝塚……。近代日本における商売の礎を作った男、その偉大な思想と業績。

  •  
    ── 鹿島 茂《小林 一三 ~ 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 20181219 中央公論新社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/412005151X
     
    http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5206301.html(20090814 11:10)
     小林 逸翁 1957 逸翁美術館設立・開館。
    https://booklog.jp/search?service_id=1&index=Books&keyword=%E5%B0%8F%E6%9E%97%E9%80%B8%E7%BF%81
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20101009
     絶縁状発見 ~ 魯山人から一三へ ~
    https://booklog.jp/search?service_id=1&index=Books&keyword=%E9%80%B8%E7%BF%81%E8%87%AA%E5%8F%99%E4%BC%9D
     
     生没点描 伊丹 万作 + 小林 一三 = 伊丹 一三 ~ 伊丹 十三
     
     小林 一三  東宝社長 18730113 山梨 大阪 19570125 84 /明治 6.0103/阪急電鉄創業
     伊丹 一三 俳優・監督 19330515 京都 東京 19971220 64 /飛降自殺/改名=十三
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19971220
     その男、一三 ~ 伊丹 十三の謎 ~
     
    ── 《経世済民の男(4)「小林 一三」(後編)20150912 21:00-22:00 NHK》
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BE%AE%CE%D3+%B0%EC%BB%B0
     小林家の人々 ~ 阪急・東宝グループの閨脈 ~
    https://twilog.org/awalibrary/search?word=%E5%B0%8F%E6%9E%97%20%E4%B8%80%E4%B8%89&ao=a
     
    (20190227)
     

  • なんだろ、やっぱり「天才」なんだろうな。経営に優れた人は文化人でもあったりするが、単に文化を愛するというよりか、クリエイターとしての資質も高いタイプの文化人。
    https://mochi.click/archives/195

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1949年生まれ。東京大学仏文学科卒。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。フランス文学者。1991年『馬車が買いたい!』(白水社)でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』(青土社)で講談社エッセイ賞、2000年本書『職業別 パリ風俗』(白水社)で読売文学賞評論・伝記賞受賞。著作は他に『「レ・ミゼラブル」百六景』(文藝春秋)、『パサージュ論 熟読玩味』(青土社)、『情念戦争』(集英社)、『渋沢栄一』(文藝春秋)、『失われたパリの復元 バルザックの時代の街を歩く』(新潮社)など多数。書評アーカイブWEBサイトALL REVIEWS主宰。

「2020年 『職業別 パリ風俗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鹿島茂の作品

小林一三 - 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター (単行本)を本棚に登録しているひと

ツイートする