ある作家の夕刻-フィッツジェラルド後期作品集 (単行本)

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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120051999

作品紹介・あらすじ

〈楽園の向こう側〉に一人の小説家が見たものは。





早すぎる栄光から一転、三十代にして翳りの時代を迎えた作家の葛藤と、困窮のなかでも失われることのない確かな輝き。





四十四歳にして死を迎えることになるフィッツジェラルドの
晩年十年間に書かれた短篇とエッセイの名品をセレクト。

感想・レビュー・書評

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  • 【書評】『ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集』スコット・フィッツジェラルド著、村上春樹編訳 抗えない晩年への危機感 - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/smp/life/news/190707/lif1907070014-s1.html

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    三十代にして迎えた不遇の時代。困窮のなかにあって、その筆致は揺るぎなく美しい。早すぎる死までの十年間に書かれた多彩な短篇とエッセイをセレクト。一九三〇年代の名品群。
    http://www.chuko.co.jp/tanko/2019/06/005199.html

  • 編訳者の言うごとく、後期には後期の味わいが、悲しみが、美しさがあるんだろうけど、それは「夜はやさし」につながっていったのだろうけど、ライトなフィッツジェラルド読者としては、やはりジャズエイジ時代の「氷の宮殿」とか読みかえしたくなった。フィッツジェラルドが落ち目と自覚する自分へ向けるまなざしのすさまじさ----あちこちに借金したあげく人類学者とともに北極探検に小説のネタを見出すフィネガンという登場人物。また芸能人たちの集まるセレブのパーティーで、本職の役者たちを前に小芝居を披露してどんずべりする作家。---など。書こうにも書けずにもがく作家像も描かれ。「フィッツジェラルド、警官を楽園のこちら側でノックアウト」なんて、皮肉な報じられ方だけど、まだニュースバリューがあった証拠とも読めて。◆というのは彼は若い時分から、人に何かを見せびらかしたいという弱点を抱えていたからだ。静かに耳を澄ませ、じっくり観察するかわりにp.193(ある作家の午後)◆私がつらいのは、どうやっても相手を助けられないのだということです。たまらなく切ないのです---何をしたところで無駄なのだと知ることはp.214(アルコールに溺れて)◆そして魂の漆黒の暗闇にあっては、来る日も来る日も時刻は常に午前三時なのだp.292(貼り合わせる)◆

  • 長い間、フィッツジェラルドの作品は折を見てコツコツと読んできたけれども、本書の中のエッセイの「壊れる」三部作にこの作家の真髄と言えるような点が発見できたことが大きな収穫だった。
    と、考えている内に「氷の宮殿」が読みたくなってきた。中毒性というのとは違うフラッシュバックのような作品への希求が時折訪れる不思議な魅力を持った作家である。74

  • 若くして迎えた不遇の時代。困窮のなかで、その筆致は揺るぎなく美しい。早すぎる死までの十年間の多彩な短篇とエッセイをセレクト。

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著者プロフィール

1896~1940  1920年、処女長篇『楽園のこちら側』がベストセラーとなり、妻のゼルダと共に時代の寵児ともてはやされるが、華やかな社交と奔放な生活の果てにアルコールに溺れ、失意のうちに死去。『グレート・ギャツビー』『夜はやさし』等長篇数作と数多くの短篇を残した。

「2022年 『最後の大君』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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