トランスファー (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.13
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本棚登録 : 75
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120052064

作品紹介・あらすじ

30歳の大倉玉青は、人材派遣会社に登録し大手通信系企業の受付として働いている。大学時代は、演劇サークルに所属していた。愛読書の『走れメロス』をバッグに放り込み、苦行のような満員電車に乗り職場へ通うのは、ただ生活のためだけだ。その生活が空虚で、何のために生きているのかわからない。彼女は、5年前の自分の選択に端を発するある「秘密」を抱え、その秘密に関わる者の存在を「希望」と感じながら、日々を過ごしていた――。


女優・執筆活動などで多彩な才能を見せる著者が、「入れ替わり」の起きた姉妹を主人公に現代的テーマに迫った、痛切な「命」の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 中江さんの作品を初めて読んだ。(実はずっと気になっていた)。『走れメロス』を下敷きにしている部分があり、読み始めたら先が気になって一日で読んでしまった。色々と詰め込み過ぎていて残念。あと時間差がある作品は苦手ジャンルなので、途中で設定が分からなくなってしまい少し混乱した。物語は不運や別離、死別が重なって自分の心を失ってしまい精神的に抜け殻になった玉青(たまお)が、トランスファーすることにより自分のルーツを知り気持ちに気が付き、人々に支えられながら自分を再構築していく…という内容。少し児童文学っぽいところや不穏すぎてホラーみを感じたりしながら読了した。冒頭の夢の描写がきれいでした。中高生あたりから読めると思う。むしろ10代にお薦めしたいと思った。

  • 女優・作家・歌手 中江有里さん 15歳で単身上京 精神的に追い詰められた私のために、母は… | 子育て世代がつながる | 東京すくすく ― 東京新聞
    https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/kazokunokoto/39825/

    トランスファー|単行本|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2019/06/005206.html

  • ずっとゆらゆらと醒めかけの夢の中にいるような、
    でもシビアに人の孤独も感じられるような
    不思議な物語でした。

    他の誰かを羨むことがあったとしても
    自分自身を脱ぎ捨てたくなるようなことがあったとしても
    主人公は二度と生きることを投げ出さないだろう。
    心と身体が揃ってこその、
    自分の人生だから。

  • 読書記録です。まだの人は読まないでね。

    現実主義の私は、こういう不思議な感覚の物語を読むとき、つい現実に戻っちゃって浸りきれないまま終わっちゃうことがあります。この物語は、けっこうぶっ飛んでいる設定でありながらも心の痛みや空虚感を掴める感覚が持てたので、その世界観のなかで読み切ることができました。
    どこまでが意識だけなのか、どこからが現実なのか。あいまいなままでも、そのままを受け入れて新しい一歩が踏み出せた主人公に、エールを送りたくなる読後感でした。

  • あの女優の中江有里さんがこんなお話を書くとは。興味本位で大した期待もなく読み始めたのだけど、文章もスマートで内容もしっかりとした軸があって不思議な世界にひきこまれまくり。作り物とは思えないほどに完成されたストーリーに感動することしきり。
    すごい才能溢れる作家さんとしての別の顔があったんだなぁ。色々と作品読んでみたい。

  • 生きる目的を失った主人公の玉青が、植物状態の妹と入れ替わる物語。
    他人の人生を自分のものとして生きることはできない。
    今まで存在を知らなかった姉妹の、生命や絆を考えさせられる小説でした。

  • 中江有里ファンです!

  • とくダネ!で紹介され注目!
    多彩な才能を見せる著者が、入れ替わりの起きた姉妹を主人公に現代的テーマに迫った、痛切な「命」の物語。

  • 幅広く活躍する著者が、「入れ替わり」の起きた姉妹を主人公に現代的テーマに迫る物語。「読売プレミアム」連載長編、待望の書籍化。

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著者プロフィール

中江有里

1973年大阪府生まれ。法政大学卒。89年芸能界デビュー。数多くのテレビドラマ、映画に出演。2002年「納豆ウドン」で第23回「NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞」で最高賞を受賞し、脚本家デビュー。NHK BS2「週刊ブックレビュー」で長年司会を務めた。著書に小説『結婚写真』、『ティンホイッスル』、エッセイ集『ホンのひととき 終わらない読書』、最新刊に『わたしの本棚』がある。現在、NHK「ひるまえほっと」(関東甲信越地域)“中江有里のブックレビュー”を担当、フジテレビ系「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。読書に関する講演や、エッセイ、書評も多く手がける。

「2019年 『トランスファー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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