銀座の紙ひこうき (単行本)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120052262

作品紹介・あらすじ

神井航樹には、この春、大学4年生になる息子がいる。就職活動に悩む息子の様子を妻から聞いた航樹は、ひさしぶりに訪ねた銀座の街を歩きながら思い出していた。かつての自分の就活を。そして、就活の末に入社した、銀座に本社を構える紙の専門商社「株式会社銀栄紙商事」で過ごした数年間を。製紙メーカーによって抄造される紙の多くは代理店と呼ばれる特約商社が仕入れ、販売している。銀栄紙商事は、それら代理店のなかで中堅に位置していた。時は80年代。まさに雑誌の黄金期である。代理店各社は、用紙の確保に知恵を絞り、奔走していた……。



本は紙でできている――それは、時代が変わっても変わらない。雑誌黄金期に紙の「仕入」に奮闘する若者の仕事と恋を描いた、ハートフルな人間ドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 銀座に本社のある紙の商社に入社した
    神井航樹の本当の夢は小説家。
    少しでも出版に近いところにいたくて
    この会社に入ったのだが配属された仕入部は
    営業が受注してきた紙の手配係。
    だが、紙の種類を覚え、独特の符丁を覚え
    難題をこなしながら成長していく。

    ほぼ自分と同世代に
    社会の一員となった青年の話だから
    そういう意味でも共感できたかな…。
    そうそう、あの頃ってまだ
    こういう会社の雰囲気だったよねって。
    たまたま会社の規模とか仕事場の感じも
    似ているような気がしたから。

    しかし、中表紙が「ニューエイジ」なのは
    先に知っときたかったなぁ。
    作中で航樹が必死に手配する
    「スターエイジ」のモデルの紙だよね!
    読み終わって思わず
    さすさすと触ってしまった(^o^)

  • 大学4年の息子が就職活動で悩んでいるのを見て、バブル時代に大学卒業してすぐに銀座の製紙会社の仕入れ担当で2年間働いた後、出版社の営業として働き最終的に学生の頃からの夢であった、小説家になった主人公の物語だった。

    プロローグで主人公の息子の現状を書き、その後420ページ以上かけて主人公が会社で働いていた時代のことを詳細にかいて、エピローグでプロローグの続きと本編を通しての主人公のその後の人生を描くという書き方をした本を初めて読んだ。
    本編があまりにも長いため、少し飽きかけたが
    なんとか最後まで読めた。(全435ページ)

    製紙会社の仕入れがどれほど大変か、また、紙の専門用語があり業界ではどのような略称で呼ばれているか、そしてどのような場面でその専門用語や略語が使われているか、バブル時代では自分の机で喫煙しながら仕事をしていたことが当たり前だったことなどが知れて、とても勉強になった。

  • こういうお仕事小説は、知らない知識が入ってきて面白い。今回は紙の仕入の世界。著者の自伝のような気もするけど、主人公が夢に少しづつ近づく感じがよかったです。

  • 「遅れた滑走」
    一年待ち再挑戦。
    挑戦する為の時間を得れたのなら、その間に希望する職の面接練習や事前知識ぐらい人一倍すべきだったのでは。

    「紙でできた夢」
    新卒二人が居る。
    会社の意向であったとしても、入社して間もない新入社員に全てを任せる事になると考えたら普通は断るだろう。

    「迷走飛行」
    理不尽な世の中。
    勝手に在庫を都合よく管理していたのは良くないかもしれないが、そうでもしなければ上手く立ち回れないだろ。

    「つながっている空へ」
    望んでいた職へ。
    短い間とはいえ仕入れをしているのであれば、いくらで売っているのか気にならなかったのだろうか。

  • やりたいことがあるなら、それやった方がいいよ。
    やりたいことがあるって、幸せなことだ。

  • 著者の自伝なのかな

    紙→印刷→出版→編集→小説家

    好きなものに関われる仕事をしたいという思いを持ち続けてそれを叶えていく

    神のくだりはかなりマニアックでした

  • なかなか良かった!紙もそこそこ触れてたつもりやけど、ここまで詳しいとさすがにわからんなー。ほんま全然知らん世界。
    しかし、銀座のルパンはそろそろ行かなあかんな

  • この頃お仕事小説って多い?
    自分がつい手に取っちゃうから?
    このお話は紙業界です
    紙の手配はした事あるけどずいぶん前
    TYの区別はどうだったかなーお任せで決めてた感じかも?
    竹尾のペーパーショウなんて大好きで
    使わないくせに見本をいっぱいもらったり笑
    最近も紙マーケットに行ったりしました
    銀座には縁がないけど紙に関わる人達の物語は面白いです

    著者は、本当にこのような履歴の人らしい?
    サッカーの本書いているYA作家さんのイメージだったけど
    海の見える家を読んでみるとそうでもなさそうだし
    バブル時代を銀座で過ごした様子がリアルでした
    現在就職を考えている若い人たちに響くかなー
    その時代のノスタルジーで読む人が多いような気もします
    それでも自分の目指したいところに努力して進む人たちに
    大いに勇気がもらえると思います!

  • 一昔前のがむしゃらお仕事系小説。

    でも、理不尽に耐えなくちゃいけないサラリーマンの
    大変さは、今も昔も変わらんね。
    楽しいだけが仕事じゃない。

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著者プロフィール

千葉県生まれ。商社、出版社勤務を経て作家に。二〇〇六年『サッカーボーイズ再会のグラウンド』でデビュー。「サッカーボーイズ」シリーズ、「海が見える家」シリーズの他に『帰宅部ボーイズ』『ようこそ、バー・ピノッキオへ』『会社員、夢を追う』『太陽と月サッカー・ドリーム』などの著書がある。

「2022年 『サッカーデイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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