小鳥、来る (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 82
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120052804

作品紹介・あらすじ

夏休みが始まった。同じアパートに住むたけしはどこか抜けていて、まーちゃんはとても勉強ができた。商店街のじじいとばばあは子どもを嫌う。父はよく仕事を辞め、母を驚かせた。漢字を間違うと、父が殴りかかってきて、夜の動物園に逃げた。おれの知ってる誰よりも賢そうなゴリラがいた――大人たちの幼さと、子どもたちの賢さが溶け合う、ユーモラスで懐かしい長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 内容は 昭和の小学生の
    頭の中のまんま
    とりとめなく 
    すぐにオウム返ししたり
    人のこともぐちゃぐちゃと混ざる
    昭和の小学生にもどって
    半分ぼーーーーっとしたような感じで
    読むのがいい読み方のように
    思えます

  • 書店をフラフラしていたら、ながしまひろみさんのカバーイラストが目に止まり思わず購入。
    表紙のイラストと中身である本文が、これほど見事な組み合わせはなかなかお目に掛かれないと思います。

    台詞が連続する部分などは、ページの使い方 (段落の組み方)がずいぶん大胆にも感じますが、それが言葉のリズムを作ると同時に、ここでは余白が大きくあることが作品にとってとても意味を持っているのだと思います。

    物語の語り手は9歳の「おれ」ですが、脈絡なく急に話題が変わるところなど、小学生の男の子の語り方の特徴をうまく捉えているなぁと、思わずニヤリとしてしまいます。

  • 乱暴なまとめ方と言われるかもしれないが、この本は「じゃりン子チエ」の延長にある物語と言える。子供目線で展開されるが、もちろん書き手は大人だし、ときおり子供には表現どころか発想もないだろう文言が登場したりする。昭和の浪速事情、つまり弱肉強食の世界を描きながら、物語としての起承転結をほぼほぼ無視することで、単なる思いつきの展開となり、結果として読み手は次第に疲れてくる。

  • 2021の夏。オリンピック観て、CM中に消音で読書して。

  • 子どもたちの後に引かないさっぱりしたやりとりとしょうもない大人たちのやりとり
    父は1回やる、やって終わる。それでおれと父は解散する
    というのがとても良かった

  • 泣けた・・
    今でも僕の中に子どもの心が少しは残っているだろうか・・
    あと少し年をとったらまた子どもに戻っていけるだろうか・・
    夏のあの日の物語。

  • 9歳のおれは、父を倒す日をじっと待っている。勉強ができるまーちゃん、学年一強い女子のしまだ……子どもたちの笑えて切ない夏休み

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著者プロフィール

1966年、兵庫県生まれ。富良野塾二期生。96年より劇団FICTIONを主宰。2012年『緑のさる』で野間文芸新人賞を、17年『しんせかい』で芥川賞を受賞。その他の著書に『ギッちょん』『砂漠ダンス』『コルバトントリ』『ルンタ』『鳥の会議』『壁抜けの谷』『ほしのこ』がある。

「2020年 『小鳥、来る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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