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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784120053153
作品紹介・あらすじ
昭和初年に斎藤茂吉らが選んだ「万葉百首」に加え、著者の愛する50首を取り上げ、作家ならではのまなざしで千年かわらぬ人々の心について綴るエッセイ集。初単行本化。
みんなの感想まとめ
古代の人々の心情を現代に繋げるエッセイ集は、著者の深い洞察と豊かな表現が光ります。万葉集の中から選ばれた歌を通じて、千年以上前の人々の感情や思いが鮮やかに描かれ、読者はその共感に驚かされます。特に、著...
感想・レビュー・書評
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この本は、2020年6月に刊行されています。
著者の田辺聖子さん(1928~2019年)は2019年6月に死去されていますので、亡くなって1年経ってからの刊行になります。
著者が、1984~1985年に書かれたものを、編集したようです。当時の著者の年齢は、56~57歳位になります。
で、万葉集ですが、これは、全20巻、4500余首、500~700年代というほぼ300年にわたる、一大民族詩集です。
2020年10月24日、追記。
57頁位まで読んで、図書館に返却。
万葉集を趣味の一つにしようかと思ったが、自分には無理っぽいかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
田辺聖子さんの大きな仕事のひとつに、古典文学の紹介者としての側面がある。代表作は『新源氏物語』であろうけれど、この方は、平安文学だけがお詳しかったわけではない。古代から近代まで、まことに広い読書体験と知識をお持ちであった。現・樟蔭女子大の国文科で培われた基礎教養と、自発的に湧きあがる読書欲、知識欲が、生涯にわたって、このひとを磨き抜いた。
この本は没後刊行され、私などはその発刊が嬉しくてたまらなかった。既に知っている本でも、田辺さんに案内されると、馥郁たる物語性と親近感に充たされ、必ず読後には、原典を読んでみたくなる。そういうマジックが起きるからだ。きちんとした学術知識を下調べしての、わかりやすい解説。面白さを削がない場面の再現性は、この本でも変わっていなかった。
雑誌連載がもとであったようだから、読後、きっと多くの読者が原典に手を伸ばしたのではないかと思う。今回の私も、ご多分に漏れずで、辛抱たまらずに原典を文庫本で購入した。そして、めったに読了せず返すことはしないのだが、急ぎで図書館に返却してきた。
何故か?面白かったなら全部読めばいいのに。うん。そうなのである。でも、この本が悪いのではないのだ。この本は、入門者にも解りやすいよう、例えば額田王などのメジャーな歌も取り上げている。既知のこととて、読むべきだけれど、読み進めているうちに興が乗って、万葉集を読む呼吸というのか、勘所の掴み方が解ってきた気がして、むずむずが止まらなくなったからだ。それは
「自分なりに好きな歌を探して、浴びるほど読みたい!」
そういう、まあどうしようもない衝動。そこまで行けば、作品はもう、あなたや私のそばまで寄り添ってくれている。その案内人として、田辺さんは最高だった。私は、一応これでも大学で国文学も学んだので、たぶんほんのちょっと、知識があって、ブワッと一気に原典に進んだが、焦ることはない。この本をきちんと読み切って、わかりやすい注釈の付いた本に進まれるのがいい。
「え?それ何?私らは詳しくないから読めって?」
と思った方、そうではないのだ。ここだけの話、私は万葉集の時代までの文学、つまり上代といわれる時期のものと、室町時代あたりの文学、あまり学生時代も興味が持てなかった。江戸期もしかり。最近になって江戸時代の文学は、改めて好きになったけれど。それとて落語であるとか、時代小説、歌舞伎などなど、周辺の文学や文化が好きだから、目が開かれただけなのだ。つまり、万葉についても、一般的な国文科卒業生くらいで、時間もたっているし、あなたと大差はない。苦手のクチである。ただちょっくら、慣れているだけ。
田辺さんの語り口が優しく、また易しいので、噛み砕いてもらったら飲みやすくなっただけなのだ。性別も、年齢も、読書経験の有無も、心配なさらなくて良い。万人に読みやすく、また面白い古典案内、万葉案内である。
これが面白かったら、無理に万葉集の分厚い全集ものの一冊などお手に取られず、脚注の充実した文庫で、一巻だけ手にとって見られると良い。万葉集は、文庫でも数冊に分冊されているから、幾種か内容を見られて、取っ付きの良いなと感じたものを、まず一巻だけ、のんびり捲ってみられるといい。好きな歌が見つかれば、しめたもの。抜書きして、自分だけの愛鍾歌集を作ってみよう。田辺さんの古典案内書や現代語訳を入り口に、ざっと筋や要点を知って、それで原典に触れる。高校生から上の年齢の方なら、どなたでもイケる古典愛好、理解への近道である。古典が苦手な受験生さんに家庭教師をする時、実はこの裏技、よく使った。
「ええ-、俺古典なんかわっかんねーよお。愛の歌とか。
へっ!」
とか
「だるいしー。あたし興味ないなー。」
なんて言ってた生徒さん、ことごとく沼に沈んで頂いた。つまり、面白くってハマっちゃったわけだ。大人に向けた格調のある文章であるから、あなたが私より人生の先輩でも、大丈夫。
「ご趣味は?」
「最近万葉集を読んでいて。」
なんてどうかしら。熟田津から船出する歌から、もうひとつ先に。無論この歌の魅力も再発見できるし。『令和』の新元号が発表されて、ブームに乗って万葉集を買ったけど、そのままそこらへんに積読しちゃった、なんて方も、この本を入口に、一緒に読み進めてみませんか?絶対楽しいから。ね。田辺さんのご労作の数々、ずっとずっと読みつがれて、また新しいどなたかに、このお仕事も引き継がれて行って欲しい。私はそう思っているのだけれど。 -
読んだ気がしなくて、図書館で何度も借りました。(3回位)
そんなわけで、一計を案じノートに、「紹介されてる歌」と、「田辺聖子流現代語訳」を書き写しました。既に、勉強だよ!高校の古典の授業でも、そこまではしなかったのに!そして、2週間くらいかかって、やっと写せました。
・・・私をここまで突き動かしてくれたという意味で、この本に出会えてよかったです。 -
和歌に興味があり、これまでに平安時代の和歌についての田辺聖子さんの紹介・解説本も読んでいる。田辺聖子さんの解説はすんなり納得できるし、背景まで彩り豊かに想像できるのがなんとも良い。千年以上前の人たちの心情がリアルに迫ってきて、自分と同じような感情を持っていたことに驚かされ、身近に感じられる。
田辺聖子さんのような作家は他にはいない。新たな作品が読めないのが、とても寂しい。
それにしても平安時代の和歌に比べて万葉集のものは、解説がなければほとんど意味がわからないものが多くて、読み辛かった!平安時代のものは一読でなんとなく意味がわかるものが多いのに…。一読である程度理解ができないと、心に響いてきにくい。 -
学生の頃、田辺聖子さんの古典ものを読んで進路を決めたことを、今でも良い出会いだったと感謝している。
特に万葉集と源氏物語はとても深く田辺聖子さんの影響を受けていることをこんなに年月を経ても感じる。もう体の芯まで染みてる…笑 -
千年の時を経ても変わらぬ人々の心。万葉集の中から150首を取り上げ、作家ならではのまなざしで紹介するエッセイ集。初単行本化!
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著者プロフィール
田辺聖子の作品
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