代理母、はじめました (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.28
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本棚登録 : 823
感想 : 100
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053924

作品紹介・あらすじ

底辺女子が人生逆転!? 不遇な家庭に育った17才のユキが、子供を持ちたい人々と貧困女性を救う〝代理母ビジネス〟の賭けに出る。



義父の策略で、違法な代理母出産をさせられた17才のユキ。命がけで出産したにもかかわらず、報酬はすべて義父の手に。再び代理母をさせ稼ごうとする義父の手から逃げだし、ユキは自らの経験を逆手に取り、自分のような貧しい女性を救う大胆な〈代理母ビジネス〉を思いつく。ユキを支えるのは医師の静子&芽衣子のタッグと、ゲイのミチオ&一路。さまざまな事情を抱えた「子どもを持ちたい」人々が、最後の砦としてユキたちを頼ってやってくるが……日本の生殖医療の闇、貧困層の増大、妊娠・出産をめぐる負担など、現代日本が放置した社会問題を明るみにしながら、「代理母」ビジネスのタブーに切り込んだ問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 近未来の日本を舞台にした、貧困と女性、LGBT と生殖医療の話。盛りだくさんだ。
    貧富の差が広がり世界的にも没落している日本。そんな中でも、相変わらず女性の地位は低い。それでも負けない女性たちが悩みながらも立ち上がっていく。
    垣谷さんの本は女性の地位向上を描いてあるというか、女性がたくましく生きていく姿を描いている物が多く、大好きな作家さんです。

  • 『代理母、はじめました☆☆』って軽いタイトルとは裏腹に、ヘビーな内容だった。
    タイトルの軽い感じから、代理で子供を育てるあったかい話かな、と思っていたら、代理出産のことだった。あったかくはない。

    2040年、地震や噴火などのため主要機関が長野など内陸部に移転し、廃墟と化した東京が舞台。

    大金が稼げると義父にそそのかされて、初産で代理母を経験させられた16歳のユキ。
    女性だからと医学部受験で弾かれた経験をもち、男性優位社会に心底辟易し、なんとしてでも女性を守ると強く決意している産婦人科医の芽衣子。
    この2人の視点が交互に描かれる。

    ユキは、貧乏生活から絶対にのし上がってやるという強い決意で、家を出てゲイのミチオとまさかの代理母ビジネスを始める。
    芽衣子は価値観の合わないジーサン院長の病院を退職し、代理出産を希望する女性に寄り添う女院長のもとに転職する。

    現代の日本の格差社会やおかしな親子制度を絶妙に皮肉っていた。
    それにしても未婚で出産を希望する女性ってそんなに多いんだろうか。ましてや子どもが嫌いなのに子供を持ちたいという人までいる。
    「子どもがいてこそ女性は一人前」という価値観はとっくに古いとは確かに思う。

    代理出産をお願いする人の側の気持ちも、代理母になる人の側の気持ちも、共感できる部分はあったが、どうして代理母で嫌な経験をしたはずのユキが代理母斡旋ビジネスに積極的になったのかは最後までいまいち共感できなかった。
    ユキが多言語を理解でき、覚えたことは決して忘れない「ギフテッド」という特殊な才能の持ち主であるという設定も、ただ物覚えがいいぐらいで、活かしきれていない感があった。

    いくら稼げる仕事といわれても、女性は産む機械じゃない。貧困女性を狙ったビジネスだとしか思えなかった…

    この表紙とタイトルから、もっとあったかい話だと思ってたなあ。

  • 今から20年後くらいのお話。
    富士山が噴火して...
    格差社会
    女性の社会進出。
    本当にこんな世界が来そうで怖くなりましたが引き込まれて一気読み。
    垣谷さんの小説は、想像と現実がわからなくなり読み終わった後すごく考えさせられます。

  • 垣谷美雨さんの小説は8冊目。
    タイトルそのままのわかりやすいテーマがあり
    中には実際に起こるいろいろな問題がちりばめられていて
    「そうそう!」と、時に笑いながら読みます。

    この本が今までと違うのは、20年後ということ。
    だから今起こっている問題がさらに進んでいるというか
    デフォルメしている感じ。

    それで「代理母」は今どうなっているのか?
    調べてみたら、日本ではできず
    裕福な人がアメリカやロシアに行って実現できるとのこと。
    戸籍では特別養子縁組になります。

    そしてそんなにまで子供の欲しい人の発言と
    産婦人科医倉持芽衣子の感想は次のようなもの。

    〈「学生時代の友人たちにはみんな子供がいます。同窓会でも言われたんです。『麗子は子供がいなくて自由でいいわね』って。」
    友人の言う通りではないか。なぜ、そんなにつらそうに顔を歪めるのか。
    「卒業後もずっと一生友だちでいられると思っていたのに、あんなにきつい皮肉を言うなんて」
    皮肉じゃなくて本心ではないのか。子供がいなければ自分の人生を自由に生きることができる。経済的にも段違いに楽だし、仕事に邁進したり、趣味や旅行を楽しめる。それに比べて、子持ちとなれば、お金や自由時間がなくなるだけでなく、やれ学校でイジメに遭っただの、成績が悪くて進学できないだの、名もない大学だから就職できないだの、派遣社員だと嫁が見つからないなどと、何歳になっても心労が尽きない事例は人生相談を読んでいれば山ほどでてくる。(中略)
    ―子供は諦めて、自分の人生を楽しく生きるという選択もありますよ。あなたの服装や雰囲気からして裕福そうだし、私も現に自分一人の人生を選んでいます。
    そう言いたいのを私はぐっと我慢していた。〉

    「代理母」というビジネスは確かに合理的と思います。
    合理的、私は好きです。
    でもそれを養子縁組に適用するのは、どうかなと思います。

    特別養子縁組で養子になった女性の相談を、
    テレフォン人生相談できいたことがあります。
    中学生位まで普通の親子だと思っていた。
    それからも問題なく暮らしていた。
    その後自分の産んだ子供について養親が口出ししてくるのが嫌になって離縁した。
    今彼女は30代で、最近養親の姿を久しぶりに見た。
    養父が養母の車椅子を押していた。
    自分はこのままでいいのか。
    そんな内容だったと思います。

    特別養子縁組で養子になった人の本音をきくのは初めてだったし、
    人生相談に登場する人には、しばしば悪人がいるのに
    この相談では優しい人ばかりで。
    すごく切ない気持ちになりました。

    日本で今「代理母」が認められていないのは
    私の知らない様々な理由があるのでしょう。
    死刑賛成、安楽死賛成の私の性格では「とても良いと思う」と言いそうですが
    いや、やはりそんな単純なのものでは…反対かも。

  • 表紙の絵のイメージとは違った、近未来を舞台とした重めの内容だった。
    終盤は急に完結に向かっていった感じが否めない。

  • 近未来の日本の姿に不安が増しました。少子化は最近ではなくずっと昔から始まっており、特効薬もないまま、相変わらず女性ばかりが生きづらい世の中になってしまうのでしょうか。

  • この著者から、表紙絵から、ホームコメディタッチの話しかな
    て思っていた
    大違い
    2040年の廃墟の東京
    えらいことになっている
    女性差別、人種差別
    現在より劣悪?

    だまされて代理母になったユキが事業として立ち上げる
    代理母斡旋

    色々な問題をミックスして提示されるが
    うーん、しっくりこなかった

    子どもを産む、育てるって何だろう?

    ≪ 母になる 選択の一つ  人生の ≫

  • 絶対にのし上がってやる。
    底辺をウロウロしたまんまで人生終わってたまるかよ。
    いつか大金持ちになって、世の中を見返してやるからな。
    ーーーーー冒頭、主人公ユキのこんな心情から始まる。

    ユキは、代理出産をさせられ怒っている。義父に騙された。16歳なのに、18歳と偽るように言われ、まだ知識の浅かった私を言いくるめた。
    ・・・・・立派な人助けだよ・・・・・だなんて。
    こんなことになったのは、超極貧生活
    だったからだ。代理出産の報酬は、大金だった。ユキは出産後、自分が桁外れの世間知らずだったことを後悔する。
    そして、家出を決意する。義父は代理出産で稼ぐ計画を、企てていた。
    そんな時、幼なじみのミチオに会い一緒に逃げる。


    大金持ちになりたい!どうしたらいい
    のか?
    この本の題名にあるように、ユキは自分の経験を生かし、ミチオと代理母の仲介会社を設立する。

    代理出産について、人それぞれの意見が
    ある。凍結された遺伝子を使うことも、
    お腹だけを借りることもあるだろう。
    不妊治療が実らす、養子を迎える夫婦もいる。「自分の子が欲しい」その思いは計り知れないのでは、と思う。
    最近では、妊活という言葉を耳にするようになり、それだけ「子供を産みたいんです」と声に出して言える世の中になったのかと思う。

    最後になったが、この話の舞台は現代ではない。2040年だ。代理出産は、やはり法に触れたら困るだろう。でも、
    ドローンタクシー、無人タクシーが
    登場したことには驚かされた。


    2021、3、27読了

  • この人の書く本は何だか途中からご都合主義でストーリーが進んで安易にハッピーエンドで終わるというのがパターンだったけど、この本は特にそれが顕著だった。
    本当に、激しくネタバレ内容になるので、まだ読んでない方はこのレビューは見ない方がいいです。

    主人公は二人。
    10代の少女と婦人科の女医。
    10代の少女、ユキは母親が家出してから、義理の父親と妹、弟と暮らしている。
    金に困った父親はユキに代理母をさせ、大金を手に入れる。
    二度とそんな体験をしたくないと思ったユキは男友達と家出。
    何だかんだあってタワーマンションの最上階に住むことになる。
    やがて、自分の代理母の経験からお金に困っている女性と子供が欲しい人との橋渡しの仕事をしようと思うようになるユキ。
    一方、婦人科医の芽衣子は仕事を通して、様々な理由で子供が欲しくて代理母を望む女性を見る。
    ・・・という事で、代理母の側、それを望む側、それぞれの目線で描かれたストーリーになっている。

    そこが焦点でないからというのは分かるけど、代理母になった少女の妊娠しているくだりはほとんど描かれていなくて、彼女の辿る運命の展開もあまりにスピーディーでその分、安易に感じられた。
    家出したと思ったら、その数日後か時間の経たない内にタワーマンションの最上階に住んだり、まだ10代なのに代理母の斡旋業を始めたり、一緒に家出した男友達がゲイでパソコン知識に優れている・・・なんて、あまりに出来過ぎでストーリーが薄っぺらい。
    テーマにしている事は重いのに。
    結末もあまりに大団円すぎる。
    家出してた母親が戻ってきて偶然出会ったり、父親が死んだり・・・。

    代理母というものに興味がなかったり、自分に関係のない人はその内容をほとんど知らないと思う。
    私もそう。
    だから、代理母というものをこの本を通して知る事ができるのはいいかもしれない。

  • これは酷い。
    雑過ぎる。
    初っ端から眉間に皺が寄り、嫌悪感しか無い。
    いくら大袈裟に、誇張して書いているにしても、「垣谷さん、どうしちゃったんですか?」状態。
    私のこれらの失望感は、代理母というテーマに対するものではなく、著者の書き方に対してだ。

    私が読む(本当は大好きな)垣谷美雨さんの14冊目。
    図書館貸し出し、長いこと待った。

    しかし42ページまで読んだところで、読み続けることに不安を覚え、ブクログのレビューをネタバレお構い無しに、いや、むしろネタバレを求めて拝見した。

    皆様のレビュー、参考になりました。
    ありがとうございます。

    これ以上は時間の無駄と判断して読むのをやめる。

    「垣谷美雨さん」カテゴリではなく「読み続けられなかった本」カテゴリ行き。

    (あくまでも個人的感想です)

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著者プロフィール

2005年『竜巻ガール』で第27回小説推理新人賞を受賞し、小説家デビュー。『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『うちの父が運転をやめません』など著作多数。『老後の資金がありません』が2022年に映画化され話題に。近著に『もう別れてもいいですか』がある。

「2022年 『あきらめません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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