やさしい猫 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
4.39
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感想 : 237
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120054556

作品紹介・あらすじ

出会って好きになったクマさんは、日本に暮らすスリランカ人。

バツイチ、子供アリのミユキさんの恋には思いがけない障壁が立ちはだかって!

感想・レビュー・書評

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  • 表紙はほっこり系で文章も優しい語り口。
    なのにものすごく難しいテーマの本だった。

    そもそもなんで入管ってこんなにひどい対応するんだろう。上原さんの「裁量」の話をもっと聞きたかったな。上原さんは入管を辞めてしまったけど、働き続けている人たちはどんな気持ちなんだろう。

    収容者の人権を無視するようなことが、おそらく今この瞬間も実際に行われている。
    入管側の内情をもっと知りたくなった。

  • 外国人が日本で生活する困難さ。その手続きの複雑さ。知らないことは、通り過ぎていく日常の中にある。届かない声に耳を傾け、できることをする。大切な人が近くにいる幸せは、当たり前のことではない。

  •  タイトルから想像して、猫が絡んだほのぼのとした話かと思ったら、全く違ったことに驚き、更に物語の途中で、それまでと雰囲気が様変わりする展開には、まさかの驚愕の思いであったが、最後まで読むと、何故そのタイトルにしたのか、よく分かる気がして、約400ページある、その内容の重みも加わって長く辛い物語ではあったが、そこには、ある家族の決して忘れてはならない、壮絶な人生の大切な記録が残されているのであった。


     物語は、父を亡くした母子家庭の、母「ミユキ」と娘「マヤ」が約15年間暮らしていた、通称ボロアパートを出て行くシーンから始まり、終始マヤが「きみ」に報告する形で、そこに至るまでに何が起こったのかを語っていく展開となる。

     序盤は、ミユキの言葉「二人きりになっちゃったから、仲良くやろうね」からも分かるように、母娘がなんとか協力して生活していく過程の中にも、プッと笑えることが絶妙なタイミングで盛り込まれた点に、人生は辛いことや悲しいことばかりではないよといった印象を抱き、それは、ミユキが意外な形で出会うことになる、クマさんこと、スリランカ人の「クマラ」の魅力的な人柄や、初めて彼と出会った、マヤの新鮮な驚きっぷりもそうだが、中でも、クマさんの3回にわたるミユキへのプロポーズは、とても微笑ましくて必見であるし、ここでの、彼ら三人の家族としての様々な思い出が、後に深い感慨を抱かせることになるのが、話の展開の仕方としては上手いが、なんとも悩ましく切ない。

     そして、上記した驚愕の展開であるが、最初は、これも面白い話が新たに織り成すことで、また塗り変わっていくのだろうと思っていたら、これがいつになったら抜け出せるのかといった、一種の絶望感に近い思いには、読んでいて、とても他人事とは思えなくなり、その切迫した家族の、明日こそはきっとと、僅かな希望を常に抱き続けて生きていくことが、心身共にどれだけの負担になるのかを慮ると、こんな生活よく続けてこられたなと感嘆せずにはいられなかったし、そもそも彼ら三人の家族には何の非も無いはずだったのに、何故そうなったのかを考えると、そこには日本の「入管」こと、入国管理局の知られざる顔があり、誤解を招くおそれもあるかもしれないが、はっきり書くと、日本ってこんな国だとは思わなかったというのが、正直な気持ちであった。

     おそらく、本書の発売が2021年であることと、中島京子さんの本書を書き上げたい情熱を窺わせる、その膨大な参考文献や取材量からも、信憑性は高いであろうと思わせるものがあっただけに、尚更辛いものを感じ、その国の数だけあると思われる、様々な国の事情を、どれだけ考慮しているのかと疑いたくなることに加え、難民や国境、国籍という言葉の意味合いについて、とても考えさせられた。

     例えば、難民とは戦争や飢餓に苦しむ人だけではなく、国を持たないクルド人のように、少数民族として扱われることから、差別や迫害を受けるため、難民として保護して下さいといった、いろんな理由で安全な国にやって来る、その難民認定率が、カナダ67%に対して、日本は0.3%であり、しかも日本に毎年やって来る難民の数は、約1万人だそうだから、認定されるのは、たったの30人ということになる。まあ、これに関しては、国土の広さや人口密度が影響しているのかもしれないが、それにしてもだ。

     更に、難民の認定を待っている間に、ビザ無しで滞在できる短い期間が過ぎてしまうと、オーバーステイとなり退去強制令が出されるが、それに帰れませんとなると、収容されたり、仮放免という制限付きの滞在許可みたいなものになるが、これも期間がだいたい1ヶ月や2ヶ月と決まっており、期限が来たら、いちいち入管に出頭しないといけない煩わしさに加えて、正規の滞在許可が無いので仕事も出来ず、健康保険に入れないから医療費は全額自己負担と、ここで既に大きな矛盾点を感じ、仕事が出来ずにお金が得られない上に、大きな病気になったらどうするのだろうと思ってしまうが、こうした点には、本書の『日本は難民を助けるための仕組みづくりに、ほとんど取り組んでこなかった』に肯けるものがあった。

     そして、日本の場合、正規の滞在資格のない外国人は全員、収容するのが原則で、入管に収容されている、その半数以上が6ヶ月以上で、長い人になると4~6年間も収容されており、収容は決して罰では無いのに、何故こんなに長期間、牢屋みたいな所に拘束させるのか、そこに人権はあるのかと思ってしまうが、日本の制度によると、裁判所の許可もなく無期限に収容していいらしい。

     例外として、赤ちゃんなど収容できない場合は仮放免となり、収容施設には入れないものの、母国に帰るのが前提となり、送還までの生活は大幅に制限される上に、オーバーステイの両親から生まれた子どもは、たとえ日本生まれ日本育ちであっても、非正規滞在者になってしまうことには、さすがに驚き、母国も両親のそれとなってしまうことは、おかしいのではと感じ、生まれてくる子どもには何の非もないのに、生まれてきた瞬間、あなたは非正規滞在者ですよって、いくらなんでも、それくらい人間の裁量でなんとかしなさいよって思ってしまう。

     そして、裁量といえば、本書で印象的だった、『入管はその裁量権が、でかすぎる』の言葉があり、そこには、入国管理局と難民認定機関を同じ所で処理しようとしていることや、そこで働いている人達は、国の機関として忠実に職務を全うするあまり、時には自身の思いと異なる判断を下したりと、その負担は大きいのだろうなと感じられたのも確かであり、そうした点には日本の場合、良くも悪くも、その保守的な姿勢に原因があるのかもと思った。

     本書を読み、改めて日本とは、テロや凶悪犯罪の少ない、これまで比較的平和な国であったと思われるのは、おそらく、そうした極端なまでの保守的判断によるものも大きいのだろうと感じられ、もしかしたら、そのどこまでも徹底した、国民の安全確保に基づいた国の方針が、入管に対しては、思わぬ矛盾点に満ちたものになってしまったのではないかと思い、であるのならば、そこに関しては柔軟な発想や考え方によって、もっと世界に開けた国へと少しずつ矛先を変えていってもいいのではと、私は思ったのである。

     しかし、そうした制度上の悲しみを感じながらも、本書の展開に於いては、それを超えると思わせる、過去からの人と人の繋がりが生み出した、情の素晴らしさがあったのも確かであり、それは、マヤの親友のナオキや、マヤのおばあちゃん、ハヤト、ペレラさんに、ハムスター先生と、その一人一人の負けない思いには、現実を変えられる大きな可能性を感じられた上に、ミユキとマヤの似た者同士二人の、共に喜びも悲しみも分かち合いながら、支え合ってきた姿には、母子家庭だからこそ込み上げてくるものがあったが、その陰に間違いなくあったのは、どれも鮮やかで忘れられない、たくさんのクマさんとの素敵な思い出であり、それを、物語を追っている読み手も、同様に我が事のように思い出して共感出来る、日本人とか外国人とか関係なく心動かされる家族の絆の素晴らしさが、本書のいちばんの読み所であり、そこに中島さんの上手さを感じる。

     確かに、本書で初めて知ったことはいっぱいあり、入管や難民、ビザについて、こんな辛いことが平和な日本で起こっていたなんて愕然とさせられたが、本書の良さはそれだけではなく、数年間にわたる、ミユキとマヤの激動の人生で教えてくれたことは、『普通かどうかなんて、外から見たらわからない』という、実は誰しもが当て嵌まるかもしれないことなのであり、そう痛感した途端、怖さや悲しみが蘇ってきそうだが、それとは真逆の感情が生まれることだってあり得るのだ、ということまで、本書は教えてくれた気がして、それは『きみ』が誰なのかを知ることからも、おそらく実感出来ると思う。

     そして、タイトルの「やさしい猫」は、クマさんが話したスリランカ民話で、その内容は簡潔に書くと、『昨日の敵は今日の友』だが、そこには爽やかさだけではない、『親を殺した者が、その子どもたちを育てていく』といった、常識としてはちょっとあり得ないかもしれないが、それでも全くの0%でもない、まさに日本の難民認定率くらいはあるんじゃないかなと思わせる稀少な出来事ではあるが、世の中にはそういった奇跡的なことも起こる反面、理不尽なことだって起こり得る、そうした世界で私は暮らしていることを、改めて痛感させられた、まさに表紙のような、のどかな景色でありながらも、その中には入国者収容所だってあるのかもしれない、そんな世界に。

  • 第56回吉川英治文学賞。
    第72回芸術選奨・文部科学大臣賞文学部門。

    こんなに凄い賞を受賞している作品なので一体どういう話なのか気になって読みました。
    ブク友さんのレビューは忘れてしまっていました。ごめんなさい。

    スリランカ生まれで日本にやってきて仕事をしている24歳の青年クマラ(クマさん)と恋をして家族になろうとした保育士のミユキさんとミユキさんの亡くなった旦那さんの連れ子のマヤの家族とその周りの人たちの物語でした。
    クマさんとミユキさんは恋をしますが、二人が結婚をせずぐずぐずためらっているうちにクマさんは仕事がなくなりビザが切れてしまいます。
    そして、ミユキさんと結婚して(結婚するとビザが取りやすいというミユキさんの意見で)クマさんは東京入管に行こうとしたところを警察官の職質にあい、入管法違法で収容されてしまいます。
    そこには五百人以上の外国人が収容されています。
    収容される部屋は窓のない狭い部屋で、収容中に自殺する外国人もいるそうです。
    クマさんは五年間入国を禁止されそうになり、ミユキさんは弁護士を紹介してもらい勝率2%の裁判に一か八かの勝負をしますが…。

    外国人との結婚は入国ビザの為の偽装結婚を疑われて、泣き寝入りしている外国人と日本人のカップルが数多くいるそうです。
    日本は諸外国と比べて外国人のビザが取りにくい国だそうです。

    私の日本の友人もアメリカ人と結婚して、あちらへ渡るのに何年も日本で待っていたり、日本人同士でも旦那さんの転勤についていくだけでも海外へ渡るのに奥さんは一年以上手続きにかかって後になってしまったという話を聞きました。
    その反対に、日本に外国人がくるのはもっと大変だということです。

    ビザのない外国人だというだけで、酷い部屋にまるで犯罪者のように収容され、病気になっても治療も受けられないというのは酷いと思いました。

    でもこの作品が文学の賞を獲るということは、そのことを心に留めている日本人もいないわけではないという明るいニュースではないかと思います。

  • 可愛らしいタイトルと柔らかな色調の表紙から、ふんわりした物語を想像していたのだけれど、実際はとてもシリアスな現実を突き付けてくるものでした。

    日本人の女性とスリランカ人の男性が知り合って恋をして結婚する‥‥そんな単純なことのはずなのに、複雑な問題が絡んでくる。
    入管、就労ビザ、配偶者ビザ、オーバーステイ、仮放免‥‥etc‥etc‥‥ニュースで聞きかじっただけでは知り得ない当事者の苦労。
    助けてくれる制度は沢山ある、それを知らなかったのはあなたの勉強不足では?
    って、そんな制度があるなら最初から丁寧にそちらが説明しておいてくださいよ!こんなところに小さな文字で付け足したように書いてあるだけじゃ分かりませんよ!いや、書いてないことさえあるじゃないですか!
    ってこと日本人でも何度も経験したことがありますよね? 
    それを外国人に求めるなんて。日本人にだって理解し難い専門用語の羅列なのに。

    この物語は、日本人女性の娘(高校生)が“きみ“に語りかける形で進んでゆく。
    全てを噛み砕いて分かりやすく説明してくれるので読者が、置いてけぼりになったりはしません。
    高校生くらいの時、こんな本を教科書代わりにしたっていいんじゃないかな?と思います。

    シリアスな現実を“きみ“に語りかけることで、とても温かな一冊になっています。
    やはり表紙はこれなんだろうな、と納得です。

    • こっとんさん
      しずくさん、こんにちは!
      この本読んでるんですね!
      感想楽しみにお待ちしてます♪
      私もしずくさんの『本心』のレビューを読もうとして、読まずに...
      しずくさん、こんにちは!
      この本読んでるんですね!
      感想楽しみにお待ちしてます♪
      私もしずくさんの『本心』のレビューを読もうとして、読まずに我慢してます。
      図書館で予約していたのがやっと手元にきたのですが、なぜか数ヶ月前から予約していた数々の本が一気に順番が回ってきて、なんだか大忙しの毎日を送っています 汗
      あんなに順番を待っていたのに、なぜ一気に何冊も回ってくるのか???
      それでは、しずくさんの感想楽しみにしてまーす♪
      2021/12/07
    • しずくさん
      本当に図書館は一気にどさどさと届けてくれますね。待ってる時には全然なのに(笑) 感謝はしますが(^_^;)
      時にはタイトルを忘れてる本も有...
      本当に図書館は一気にどさどさと届けてくれますね。待ってる時には全然なのに(笑) 感謝はしますが(^_^;)
      時にはタイトルを忘れてる本も有ったり、気持ちがすでに離れてたりです。
      かってな借り手側の都合なのですけどね(汗)
      嬉しい悲鳴をあげましょう!
      2021/12/07
    • しずくさん
      やっと、レビューまでこぎつけました(笑)
      やっと、レビューまでこぎつけました(笑)
      2021/12/22
  • 父親が病死した母子家庭とスリランカ出身の外国人が出会い、家族となる話し。娘の視点から、謎の誰かに宛てた日記の体裁で進められていく。タイトル通りのやさしい心持ちになるかと読み進めたが、途中までは良かったが仕事を失ったあたりから不穏な雰囲気が出てくる。
    次々と出てくる法律問題と行政の対応。あちこちの入管で起きている事件を元にしているのだろうが、理不尽な制度と窓口となる公務員達の対応の酷さに不快な気持ちが込み上げる。大事な税金で運用されているので、しょうがない面もあるのかもしれないが、疑いを前面に押出し、犯罪者に仕立て上げるやり方。病気であるのに医者の診察も受けさせない。こういうやり方で、何人も殺してしまったことが実際に起きている。不服申立てで裁判をしても、勝つ確率が1〜2%と絶望的。難民申請も同様に日本では認められることが少ないとか。
    少子高齢化で人手不足の日本。外国人に頼ることが多くなっているのに、何時までもこんな理不尽な対応をするのだろうかと強く感じてしまう。

  • 日本国籍を持っている人全てに読んでほしい本。

    当たり前のように、日々暮らしているが、それは日本国籍を持っているが故。
    日本国籍を持たない者がこの国で暮らすことの困難さが、どれほどのことなのか多少は知っているつもりだったが、それは知識として持っているというだけのことだった。

    日本国籍を持つ人と家族として暮らす人。
    自国にいたら命の危険があるためこの国に逃れてきた人。
    この国に夢を託してやって来た人。

    それぞれの人の人生があり、未来があるはずなのに、法的な資格もない者が、彼らを裁く。
    最初から彼らを犯罪者ときめてかか決めてかかるような入管の姿勢。

    一つの家族の物語として読むことで、入管の問題がよりリアルに浮き上がる。
    そこに収容されている人々の人生、失われた年月を日本国籍を持つ者としての責任を感じずにはいられない。
    2022.1.4

    • akodamさん
      ロニコさん、こんばんは。
      とても心に刺さるレビューでした。

      私の勤める会社の子会社に多言語通訳翻訳部門があり、1年ほど出向していた時期があ...
      ロニコさん、こんばんは。
      とても心に刺さるレビューでした。

      私の勤める会社の子会社に多言語通訳翻訳部門があり、1年ほど出向していた時期があるのですが、そこで初めて外国籍の方々が日本で働き暮らす大変さを知りました。

      在留資格の問題は勿論のこと、離れて暮らす家族のために出稼ぎできている方や、日本で生活基盤をたて、いずれ家族を日本へ呼ぶのだと、私に夢を語ってくれた方もいました。

      今や在留外国人も300万人を超え、日本のグローバル化にも影響をもたらし、今後共生社会の実現に前向きな一方で、一部の来日外国人による不法残留や、送還忌避な事案など、入管法上の問題があるのも事実です。これにより入国管理局も警察同様に、国の安全第一のため、疑うことが役目となっていて、中には性悪説主義の偏見を持った担当者もいるでしょうね。

      私の住む街は、多文化共生に力を入れていることもあり、約7,000人ほどの外国籍の方々が暮らしています。近所にも多国籍なお店が沢山あるため、親交もあり異文化コミュニケーションで得る感性には、いつも刺激されています。

      取り止めもなく綴ってしまいました…。

      日本に住む外国籍の方々にとって住みやすい国になっていくことを望みます。
      2022/01/30
  • 自分が知らなかった日本の現状が知れた1冊。
    やさしい語りかけの文章でとても読みやすかったけど、内容はかなりシビアだった。

    日本に住むスリランカ人の男性と恋をして結婚したミユキ。
    ただ家族で平穏に暮らしたいだけなのに、、。

    オーバーステイ、不法滞在、仮放免、難民、、、言葉は知ってたけど、詳しいことは全く知らなかった。
    外国籍の方の滞在に関する審議はすべて入国管理局に決定権があって、上層部(局長)の裁量次第で決まるらしい。
    日本は厳しいらしく、それは治安を守るためには仕方がないことだと思っていたけど、必要以上に厳しすぎることや、こんなにも非人道的で道理が通らないのかという事に衝撃を受けた。

    1番気になったのはハヤトくんの事。
    難民の子供達はこんな生活を強いられてるんだと思うと胸が痛む。
    ハヤトくんがこの先どうなってしまうのかがとても気がかりだった。

    こういう事はこの話の中だけでなく、実際に起こっている事なんだろう。
    たくさんの人がこの現状を知って、簡単ではないのだろうけど、救われるべき人が救われる世の中に向かっていけばいいのだけど、、。

    重い気持ちは残るけど読めてよかった。
    ちなみにタイトルにある猫はあんまり関係ないかも笑笑








    • mihiroさん
      傍らに珈琲をさ〜ん、こんばんは\(*ˊᗜˋ*)/
      ドラマもやってましたね〜♪
      やるの知ってはいたんですが、1話2話見逃しちゃって結局見ずに終...
      傍らに珈琲をさ〜ん、こんばんは\(*ˊᗜˋ*)/
      ドラマもやってましたね〜♪
      やるの知ってはいたんですが、1話2話見逃しちゃって結局見ずに終わっちゃいました(^_^;)
      私は原作と映像、どちらも見たいタイプです〜笑
      あそこが違うここが違うとか、キャスティングがどうとか、きゃっきゃっしながら両方楽しむのが好きです←ツッコミいれるの好き〜笑笑ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)
      2023/08/09
    • 傍らに珈琲を。さん
      mihiroさん、お返事ありがとうです!

      そーですね、キャスティングがどうとか、あのシーンが無かったとか、きゃっきゃするの楽しいですね。
      ...
      mihiroさん、お返事ありがとうです!

      そーですね、キャスティングがどうとか、あのシーンが無かったとか、きゃっきゃするの楽しいですね。

      そぉか、そう思うとどちらも見たくなってきたぞ。
      あーだこーだツッコミ入れ合える時間て、とても楽しいですもんね。
      2023/08/09
    • mihiroさん
      傍らに珈琲をさ〜ん♪♪
      こちらこそありがとうございます♡
      ほんときゃっきゃっ言うのが楽しいです笑
      だけど、だいたい先に見た方が基準になっちゃ...
      傍らに珈琲をさ〜ん♪♪
      こちらこそありがとうございます♡
      ほんときゃっきゃっ言うのが楽しいです笑
      だけど、だいたい先に見た方が基準になっちゃうので、映像先にみたらそっちの方が好きで、原作が先だと断然こっちみたいになります〜笑
      先に読んだ方忘れた頃に、見たら素直に両方楽しめるかもですね!笑ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)
      2023/08/10
  • 人の結びつきの傷つきやすさと優しさを、日本の入国管理制度をめぐる問題を通じて描いた物語。

    入国管理局や在留資格、収容所のこと。
    ニュースを通じて聞いたことはあっても、日本で制度がこんな風に運営されていること、ちっとも知らなかった。
    そして知らないということは、その当事者がどう感じて過ごしているかまったく想像できていない、ということでもあって。
    一方で、物語の中で何度も描かれる「普通」でないことに対する周囲の人々の厳しさや、公的な手続のわかりにくさと心細さは、私も自分のこととしてすごくよく知っているから、だんだんとクマさん、ミユキさん、マヤちゃんに感情移入して、一気に読了。
    気がついて変わらないといけないのは、いつだってネズミではなく猫の側なのだと思います。

  • シングルマザー保育士ミユキさんと娘のマヤ、そしてスリランカ出身のクマ(クマラ)さんの三人家族が、入管法に翻弄されてしまう物語。外国人が日本人と結婚しても、『在留資格』を得ることの難しさがよく分かる。後半の裁判のシーンが、とても印象に残った。

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著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島京子の作品

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