女子マンガに答えがある 「らしさ」をはみ出すヒロインたち (単行本)

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 153
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120056550

作品紹介・あらすじ

もう「少女」を名乗れない私たちの、人生の答えはマンガにある! 不朽の名作から今が旬のマンガまで、幅広い作品中での女性たちの描かれ方を縦横無尽に語り、現代女性の欲望と生き方を探る。「おもしろい女」「たくましい女」「ハマる女」「嫌な女」……あなたに似た女が、マンガの中にはきっといる。

感想・レビュー・書評

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  • 「女子」とは、要約すると、恋や性への絶望を知ってしまった、かつての「少女」ということらしい。恋や性にときめく少女期を過ぎると、おおむね妻や母になるだけだったかつての女性の生き方が多様化し、それにあわせて「少女マンガ」だけではおさまらなくなった多様な物語が望まれ、それに応えるべく生まれたのが「女子マンガ」ということなのだろう。恋愛にときめくことは悪いことではないが、それを断ち切ってみることで、女性が自分本来のパーソナリティやアビリティに気付くということはあるんだと思う。たとえば衿沢世衣子さんの、恋愛要素が一切ない女子校生たちの学校生活を描いた『シンプル ノット ローファー』で、これに出てくる女の子たちが恋愛を気にすることなく、みんな一人一人が自分の好きなことをしていたり特技を発揮していたりしている魅力的な姿を見ると、恋愛って女性をつまらなくするよな、とか思ってしまうのだ。本作は、もう恋愛期の代名詞である「少女」を名乗れなくなった女性の生き方のモデルを、マンガの中のキャラクターに見出すという切り口によるマンガ作品の批評というか紹介本である。最近はまっている水凪トリさんの『しあわせは食べて寝て待て』はこの本で知った作品である。当たり前だけど「女子マンガ」は何も女子だけが面白いものではないのだ。

  • 女子マンガというジャンル、耳なれなかったけど、
    少女マンガの延長??くらいの意識。

    作者のはじめに~で心を打たれる。
    「多すぎる人生の選択肢の前で、
    身動きがとれずにいる読者のために女子マンガはある」
    確かにもう「恋愛」だけでは生きていけない。
    その先にあるいろんなことも知ってしまったし、
    経験してしまったそんな女子のためにあるマンガだよね。と納得・・・
    ある意味、素晴らしい研究、ぜひぜひ、作者様、
    今後も研究を続けて、こんなマンガがあるよと指南してほしいと思う。

    私は王道の「輝く女」から読み始めた。
    参考したい、読んでみたい!と思うマンガは沢山あった。
    のだめカンタービレ、チャンネルはそのまま!、ちひろさん、
    ハッピー・マニア、こいいじ、カトレアな女達、女たちの都、
    メタモルフォーゼの縁側、その女、ジルバ、
    高台家の人々、凪のお暇、ヘルタースケルター、Real Clothesなど
    読んでみたいマンガがたくさん、

    これからもまだ長い私の女子人生、
    きっと助け、励ましてくれるマンガがあるはず、
    これからもたくさん、紹介してほしい。
    女子マンガに期待!!!

  • 懐かしい!名作から今の知らなかったものまで。あっちに飛びこっちに迷い込み。いろいろ意見の相違はあるがなんかいい。裏表紙の絵がうれしくなってしまいましたよ。

  • 2024.6.29図書館返却。読みたい漫画がたくさんあった!いろんな女性がいていいのよ

  • ふむ

  • 著者が女子マンガに出てくる様々な女たちの生き方を考察し、私たちに色んな女としての生き方の可能性を話してくれる本!
    胸キュンだけの楽しさじゃなくて、色んな葛藤や将来の不安もありながら力強く生きる姿を描く女子マンガは多くの勇気をもらえるなと改めて思った!

  • 少女ではなく女子マンガについてのあれこれ。主人公たちをおもしろい、たくましい、ハマる、老いた、幸せな等と分類し参考に漫画の一場面を載せるなどしてとてもわかりやすく解説。女子漫画の主人公たちを論じつつ、現代の女性の求めるかたち在り方を論じているようで興味深かった。

  • 昔から、女子漫画大好きでした。
    今、年を重ねて若い頃とは違う感性でもう一度読みたくなりました。何か、楽しみが出来ました(*´▽`*)

  • もう「少女」を名乗れない私たちの、人生の答えはマンガにある! 現代女性の欲望と生き方を探る、新感覚マンガ批評&エッセイ。

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著者プロフィール

1979年、秋田県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科に進み、少女マンガにおける女性労働表象の研究で博士号取得。ライターとして 日本の文学、マンガ、フードカルチャーについて書く一方、東北芸術工科大学芸術 学部准教授として教鞭も執っている。2021年から手塚治虫文化賞選考委員。

「2023年 『労働系女子マンガ論!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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