女子マンガに答えがある 「らしさ」をはみ出すヒロインたち (単行本)
- 中央公論新社 (2023年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120056550
作品紹介・あらすじ
もう「少女」を名乗れない私たちの、人生の答えはマンガにある! 不朽の名作から今が旬のマンガまで、幅広い作品中での女性たちの描かれ方を縦横無尽に語り、現代女性の欲望と生き方を探る。「おもしろい女」「たくましい女」「ハマる女」「嫌な女」……あなたに似た女が、マンガの中にはきっといる。
感想・レビュー・書評
-
「女子」とは、要約すると、恋や性への絶望を知ってしまった、かつての「少女」ということらしい。恋や性にときめく少女期を過ぎると、おおむね妻や母になるだけだったかつての女性の生き方が多様化し、それにあわせて「少女マンガ」だけではおさまらなくなった多様な物語が望まれ、それに応えるべく生まれたのが「女子マンガ」ということなのだろう。恋愛にときめくことは悪いことではないが、それを断ち切ってみることで、女性が自分本来のパーソナリティやアビリティに気付くということはあるんだと思う。たとえば衿沢世衣子さんの、恋愛要素が一切ない女子校生たちの学校生活を描いた『シンプル ノット ローファー』で、これに出てくる女の子たちが恋愛を気にすることなく、みんな一人一人が自分の好きなことをしていたり特技を発揮していたりしている魅力的な姿を見ると、恋愛って女性をつまらなくするよな、とか思ってしまうのだ。本作は、もう恋愛期の代名詞である「少女」を名乗れなくなった女性の生き方のモデルを、マンガの中のキャラクターに見出すという切り口によるマンガ作品の批評というか紹介本である。最近はまっている水凪トリさんの『しあわせは食べて寝て待て』はこの本で知った作品である。当たり前だけど「女子マンガ」は何も女子だけが面白いものではないのだ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2024.6.29図書館返却。読みたい漫画がたくさんあった!いろんな女性がいていいのよ
-
少女ではなく女子マンガについてのあれこれ。主人公たちをおもしろい、たくましい、ハマる、老いた、幸せな等と分類し参考に漫画の一場面を載せるなどしてとてもわかりやすく解説。女子漫画の主人公たちを論じつつ、現代の女性の求めるかたち在り方を論じているようで興味深かった。
-
昔から、女子漫画大好きでした。
今、年を重ねて若い頃とは違う感性でもう一度読みたくなりました。何か、楽しみが出来ました(*´▽`*) -
もう「少女」を名乗れない私たちの、人生の答えはマンガにある! 現代女性の欲望と生き方を探る、新感覚マンガ批評&エッセイ。