中継地にて 回送電車VI (単行本)

  • 中央公論新社 (2023年10月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784120057014

作品紹介・あらすじ

土に還る。天に昇る。大気中に消え去る。どのような消え方も、ここでは許容されるだろう(「中継地にて」より)。

 さまざまな媒体の注文に応じて生み出された52篇の小さいけれど大きな世界。変わったことも、変わらないことも実感できる「回送電車」11年ぶりの発車オーライです。

感想・レビュー・書評

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  • この「回送電車」の中にはとても静かな時間が流れている。
    感染病や紛争、自然災害もなにもなかったかのように。

    もちろんこれらの文章が書かれた2010年以降には実にいろいろなことがあったが、「言葉との対話」による静謐な時間も間違いなくあったことを思い起こさせてくれる。

    「静かに息を吸い、細く息を吐きつづけているうち、ひとつの世界がふっとあらわれ、また消える。同時に、このはかない世界を支えている現実の固い手応えが感じられる」散文に触れることのかけがえのなさに改めて思いをいたす。

    そろそろ長編小説を書いてくれないかなあ…。
    こんな時代だからこそ、『なずな』や『いつか王子駅で』みたいな作品を読みたいんですけど。

  • 堀江敏幸の書くものから、ぼくはいつも「声」を聞いてきたように思う。それは堀江自身の「声」でもあり、彼が読み取る/聞き取る作家たちのさまざまな「声」であり、あるいは彼が体感したできごとにまつわる「声」だ。堀江の芯の強い文体(つまり唯一無二の「声」)にいざなわれて読み進めると、主義主張を実に聞えよがしに語る大きな「声」に惑わされたりしておらず、むしろそうしたノイズの洪水からこぼれ落ちるようにして届く「声」をていねいに拾っていることがわかる。悪く言えばいつもながら地味なのだが、この耳の良さもまた唯一無二の境地だ

  • 注文に応じて生み出された52篇の小さくて大きな世界。変わったことも変わらないことも実感する、回送電車11年ぶりの発車オーライ

  • 今回は漱石に関するいろいろな媒体に掲載された考察がまとめられていて、非常にありがたかったです。

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著者プロフィール

堀江 敏幸(ほりえ・としゆき):1964年、岐阜県生まれ。作家、仏文学者、早稲田大学教授。95年に第一作『郊外へ』(白水社)を刊行。著書に『熊の敷石』(講談社文庫)、『雪沼とその周辺』『河岸忘日抄』『その姿の消し方』『おぱらばん』(新潮文庫)、『正弦曲線』『戸惑う窓』(中公文庫)、『オールドレンズの神のもとで』(文春文庫)などがある。

「2025年 『鶴 長谷川四郎傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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