叡智の図書館と十の謎 (単行本)

  • 中央公論新社 (2024年6月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784120057892

作品紹介・あらすじ

逃げるか、死ぬか、答えるか。十秒以内に決定せよ――長い旅路の末、伝説の図書館へとたどり着いた旅人に、守人は謎をかける。鍵となるのは十の物語。扉を開き、森羅万象に通じ、神に等しい力を手に入れることは出来るのか。本格ファンタジーの新旗手による意欲作!

装画・六七質/挿画・田中寛崇

プロローグ・エピローグを新たに書き下ろした完全版

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからは想像もできない物語の展開に目が離せなかった。
    一つ一つの短編がとても濃くて、引き込まれて、それぞれもっと詳しく読んでみたいと思ったほどでした。
    最後の方よりかは最初の5問題あたりが好きだったかな。
    分かったような分からないような…。まだまだ読み込めるんじゃないかと思ってます。
    エピローグ、私には全然ピンと来なかったけどなにかの作品のシーンなのかな?

    お話の設定が新鮮で、石板が鍵となる物語を再生してくれるのだけど、毎度全く異なる世界、時代、場所になるのでその導入を読むだけでわくわくした。

    人間の醜さ、優しさ、不完全さ、でもとても尊い存在であることを教えてくれました。
    あとがきも著者の読書好きが伺えて、なんだか身近に感じました。
    もっと他の作品も読みたいなー。

  • 中公文庫から2019年に刊行されたものに、pro[log]ueとepi[log]ueを書き下ろしを足したもの。
    叡知の図書館を求め旅するローグはしゃべる石板と共にある。目的の物っぽい塔の縛(いましめ)を解くために塔を守っている彫像の乙女に10話のエピソードを求める答えとして見せていくのが珠玉の短編となっていた。どれも不思議な世界観を呈し、面白かった。ちょっとした空き時間に読める。
    全体の作りが見えにくく、石板が英語で話すのが読みにくかった(フリガナが日本語)。
    お話を読みなれているなら、中学生から。基本は高校生以上。

  • 2023年6月に中公文庫で登録してあったものを 単行本で発見。

    レーエンデ国物語などはまだ読んでいないものの、興味あり。
    多崎礼さんの作品は(たぶん)読んでいないので、長編ドーンより、味見からスタートするためにこちらを選びました。


    978-4-12-005789-2
    c0093¥1850E

    叡智の図書館と十の謎

    2024/06/10. 初版発行
    2024/06/30 再販発行

    著者:多崎礼 (たさき れい)
    発行所:中央公論新社

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    煌夜祭 でデビュー
    本の姫は謳う 全四巻
    夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 全三巻
    夢の上 サウガ城の六騎将
    八百万の紙に糖 全四巻
    神殺しの救世主
    血と霧
    レーエンデ国物語
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    この作品は「小説BOC」1~10(2016/6月号~2018年夏号)に連載。
    中公文庫より2019年2月に刊行されたもの。単行本化にあたりプロローグとエピローグを書き下ろしたもの。

    本文はクセのあるもののように感じるが、あとがきなどは、美しい日本語でした。

    https://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi259_tasaki/

    登場人物の異なる(一部重複)、世界も時代も時間の流れも異なる作品が10本。
    それにプロローグとエピローグ。
    あとがきも調味深く、読んでみたい本が増えました。

    プロローグからエピローグまで通しで出てくるキャラ
    ローグ(ログ)消し炭色の瞳
    乙女の彫像(アレクサンドリア・ヒュパティア)
    石板(道具ではなく、きっと意思があって、中々おちゃめな性格も持ち合わせていそう)
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    ① 戦士アハートの死
    ② 悪党の息子
    ③ 七人の巡礼者
    ④ 蟲
    ⑤ 白と黒(サフィロの正体)
    ⑥ 君と思い出の箱(クッキーの缶)
    ⑦ 二人の花婿(リドル・ストーリー:妖狐と人間)
    ⑧ 水晶玉(シキミと太刀花)
    ⑨ 愛と平和(登場人物は1~6の番号をもつ)
    ⑩ 特異点

    別の本で「図書館の歴史」の事について書かれているものを開いたときに、そのはじめは、地中海貿易で財をなした商人たちが家庭内に(当時珍しかった)た書物(羊皮紙に書かれたものなどを含む)個人のコレクションを仲間内で利用、楽しんだものらしい。公的サービスではなかったんだね~とびっくりして、アフリカ大陸のエジプト・新アレクサンドリア図書館にわくわくしたのを思い出しました。
    「バベルの図書館」(J・L・ホルヘス著)も開いてみたいです。

    ※紙媒体ノートあり

  •  深度の高い叡智を求める旅?をしているローグと石板。

     そんな彼らが辿り着いた叡智の図書館には十の鎖と守り人がいた。

     守り人の問に答えられれば鎖は解け、逃げたり不正解だと死あるのみ。

     はたしてローグと石版は守り人の問に答え、叡智の図書館に辿り着くことができるのか?

     というお話です。

     十の問に対して、十の短編が用意されています。

     そして、十の問に対して十問目があるということは、正答を重ねるということで、ある意味ネタバレなのですが、これは、そこまで重要ではございません。

     十の問に対する答えを探す過程に、ファンタジーなミステリーが含まれております。

     答えを一緒に考えながら読むという楽しさのある作品だなと思いました。

     ただ、作者のあとがきにもあるように、十編全部の短編が仕上がっているかというとそうではないという感じですね。

     ただ、作者がやっちまったと思われている章は私は好きだったり、私には合わない?なと思うものもありました。

     それでも、全体的には十のそれぞれの長い旅を読んでいる感じがして、ただの問答を読んでいる感じはしませんでした。

     そして、問いかけに対する答えはもちろん、テーマとして『叡智』を得ることの意味を考えさせられる作品だなと思いました。

     すなわち、知識を得ることに何の意味があるのか?ということです。

     たくさんの情報を得ることができる私たち。

     よくも悪くも正しくも間違っている情報もたくさん溢れています。

     そして、私も含めそれらの情報の取捨選択をして日々生活をしています。

     知識とはなんぞや、そして、自分と違う思想や考え方を排除しようとするところまでいってしまう私たちは、最後は結局血で血を洗う戦いを選んでしまう。

     知識があってもなくても最後は血で血を洗う結末を迎えてしまう私たちに、叡智は何をもたらすのだろうか?

     きっと正解のない答えを考えたくなる問がここにある。

     叡智や知識とは何なんだろうか。

  • 十の短編が、徐々に一つのテーマについての答えを導き出す趣向。
    全く先が読めない展開だった。
    叡智の図書館の存在と人間の関わりが、どう決着を付けるのか。面白く読み進めた。

  • 短編なのに、長編を読んでいるかのような圧倒的満足感。
    文庫本でも既に読んでいたので2週目だったが、ほぼ初見のような気持ちで読めてしまった。
    それほどに面白く、どういう人生を送ったらこんなに面白い物語を思いつくのか不思議なほど。
    多崎礼先生の本を読んでみたいけれど、最初から長編はハードルが…という方はぜひ試しに本書を読んでみて頂きたい。読んでください。

  • 「レーエンデ国物語」が話題になっているのは知っていましたがはじめて多崎礼さんの本を読みました。これは単にタイトルに惹かれて…
    叡智の図書館を探して旅する魔法の石板を持つローグが、叡智の図書館の守り人から出される10の謎を魔法の石板の力を借りて次々に解いていくファンタジー。
    読み始めは、なんだか読みづらそうかな…とも思いましたが、読みすすめるうちにどんどん引き込まれていきました。
    人間の理想郷とは?
    戦争のない、貧富の差のない、多様性を互いに認め合う世界を人間は作れるのか?
    考えさせられます。

  • 多崎先生の描く世界は独特な世界だなぁと思う。少し理解しづらい世界もあるが、これも多崎先生の書く特徴でもあると思う。
    世界感が変わる第七問。急に日本?となりましたがこの話は好みでした。

  • 一つ一つの短編の面白さだけでなく、全体を繋ぐ話が最初の印象から少しずつ変化していくのが良かった。

  • 世界観キャッチアップできたのが2問目終わったあたり。いろんな設定の物語を書ける方なのはよくわかった。

    ただsf系はあまり特技ではないので、最後の方ちょっと?が増えてしまった。

    2024.8.15
    123

  • ファンタジー、法廷劇、ミステリー、恋愛、ホラー、時代劇、SF、社会派…すべての要素が詰まっていて、1冊で古代から未来まで様々な世界、色んな国を旅できたようなお得(?)な作品。

    守人の乙女に幸あれとも思うけど、あくまで(考えが些か古い)人間の私の視点から見ると複雑な気持ちにもなり…。

    あれとかこれとか、いろんな名作が思い浮かびました。

  • 物語のなかで物語が語られる千夜一夜的構造。個別の話は泣けたり、グッと来たりして面白いんだけど、物語全体としては少し物足りない。

  • ファンタジー要素が強めで、初めは状況がよくわからなかったが、第二問目あたりから話の筋や構成が掴めて来てだんだんと面白く感じていった。
    最後には問いを投げかけてくる存在について分かったり、謎の英語を喋る石板にも愛着が湧いてきて、最後は楽しんで読めた。
    世界観が独特でそれぞれの物語も時代や登場人物がガラッと変わることが多いので難しかった。
    第六問は切なくも美しい物語で、とても感動しました。

    印象に残った言葉↓
    悲しくもないのに人はなぜ泣くのか。その答えは『emotion 情動』激しく湧き上がる感情は人の心を揺り動かす。悲哀や苦痛だけではない、憤怒や歓喜の瞬間にも、人は涙を流すものなのだ。

  • ”レーエンデ”が素晴らしい著者の手になる、以前にものされていた作品の単行本化。挿画や装丁が美しいから、平積みされていたら欲しくなりますわな。ただ内容は、件の作品には遠く及ばず。タイトル通り、十の掌編から成る物語なんだけど、特に前半、あまりに既視感のある展開のオンパレードで、あやうくページを閉じかけた。後日譚が描かれる第5編でなんとか持ちこたえるんだけど、危なかった。以降は、そこで何らかのギアチェンジが行われたのか、前半よりは読める物語が配されていて安心。トータル的な結構も含め、”レーエンデ”に向けての習作、っていう印象が拭えず。

  • 完璧なAIに世界統治を任せたら平和になるのか?

    人間の理想と現実と、美点と欠点と、善い所と汚い所…
    どちらも持ってるから完璧になれなくて、どちらも持ってるからしょうもなくて、でもどちらも持ってるから美しいのだなと。

    正しい事がいつも正しいわけじゃないのが人間でだから楽しいんだってこと。わざと違う方を選んだり、勇気を出して高リスクを取って成功したり。壊したり間違えたり再構築したりのムダを大切にできる社会でありたい。

  • 以前読んだ鍠夜祭のような世界観かと思いきや問が進むにつれて気配が変わり、最後はどこへ連れて行かれるのだろうと思いながら読み進んだ。
    エピローグ、ラスト好きです。色々な意味で。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000285321

  • 30ページ程度の10の短編をまとめてひとつの物語にし、そこに仕掛けまで施されていて感心。
    未来への願いがこもった物語だと思う。

  • 連作短編ではなくテーマにそわせて並べた短編集だと思う。ずっと楽しめるが小粒感。器用な印象。あと出だしのあたり、無くても伝わるのに何故か入る重複擬音描写が多い文体で少し読みにくかったが、いつしか消えた。何だったんだろ。

  • 連作短編が好きなので、新装版になって発売されて嬉しい。
    書き下ろしのプロローグには「もしかして、あの作品のキャラかな?」となる遊び有り。
    多崎氏の作品を読んでみたいけれど、ファンタジー系かSF系か…どれから手を付ければ良いか迷っている人にお勧め。好きな系統の短編が見つかれば、次は同系統の長編を読んでみて欲しい。

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著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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