100%合法だが、健康によくない商品の売り方 多国籍タバコ企業の弁護士、世界を行く
- 中央公論新社 (2024年6月19日発売)


- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120057939
作品紹介・あらすじ
タバコ産業は依然繁栄している。この激しい攻撃にもかかわらず――。多国籍タバコ企業の社内弁護士の魅力的な語り口によって明らかになる、タバコをめぐるビジネスのパラドックスに満ちたその内幕。主人公の在籍した企業は、JT(日本たばこ産業)が買収! イギリス、アイルランド、スペイン、カザフスタン、スイス……と世界各国事情も満載。
感想・レビュー・書評
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ロンドンで吸うタバコとバルセロナで吸うタバコ。
どちらも同じタバコでもロンドンで吸った方が身体に悪そうな気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
●たばこに関する規制が進む過程が企業弁護士の視点から綴られるのが興味深かった。
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タバコ会社の企業弁護士の人生.
仕事に関連して知った禁煙とタバコによる健康被害がどのように政府(国家権力)を動かし介入してタバコ産業にダメージを与え,でもタバコ産業はなくならず成長していくパラドクス.なるほどねぇと面白かった. -
タバコ産業は依然繁栄している。この激しい攻撃にもかかわらず――。多国籍タバコ企業の弁護士が語るパラドックスに満ちたその内幕
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タイトル的にはビジネス本かハウツー本に近いものかと思いきや、ノンフィクションと呼ぶべき内容。
とはいえ、過去を振り返って内情を暴露するといった妙味はない。現在も蔓延る煙草帝国の圧力がいくらか働いていてもおかしくないのだろうが、登場人物の誰かが語ったように「非合法なことをして儲けようというわけではない」ということだろうか。
「タバコ」」「ビジネス」「様々な国」といった要素を織り交ぜながら物語と呼ぶべきものが進行していくといった感じで、ノンフィクションである必然性もそれほどないような範疇でタバコ会社との主人公との関係は終わりを迎える。
とまぁ、最終章前までの流れとしては、とりたててこの本をこそ読む意味が見出せなかったが、反タバコ政策を牽引するカナダでのやり取りには、今後のタバコ業界のあり方と、起こり得る終焉の形といったものについて新たな知見があったことも確か。 -
タバコ業界の大手企業の法務担当として働いた弁護士の話。倫理的には問題があるが、依存性の高さから禁止するのは難しく、逆に税収を頼りにされ守られている特殊な商品。福利厚生がタバコの無料配布という薬漬け戦略や焼け石に水な巡回営業などモヤモヤするところはあった。旧ソ連国やスペイン、アメリカ、東アジアなどエリアによってタバコを取り巻く環境が異なり(だからこそ、法律の目を潜って大儲けするチャンスがある)カナダのような反タバコ国の思い切った政策など解説されていて興味深かった。タバコと喫煙者がこの世からいなくなる未来はあるのだろうか?
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東2法経図・6F開架:KW/2024//K