四界物語 上 (単行本)

  • 中央公論新社 (2024年8月20日発売)
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本 ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784120058226

作品紹介・あらすじ

陸の民アリシャーランと海の民サクォーリアン、二つの民族が反目しながらも共存する世界〈一の大陸と千の島々〉。両者の血を引く〈半端者〉と差別されながらもアリシャーランの帝国に仕える青年騎士シルッカは、初陣の夜に奇妙な生き物を拾う。サクォーリアンを毛嫌いする皇子リンゼイ・ヴォーと共に〝ファティオータ〟と名付けたその生き物の帝都移送を命じられるシルッカだが、その裏では皇子暗殺の陰謀が――。気弱な騎士と傲慢な皇子、そして大喰らいの竜の幼生。二人と一匹が世界の秘密を解き明かす、王道ファンタジー! 幕開けの上巻。

感想・レビュー・書評

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  • 竜が出てくるファンタジー物語
    ファンタジー小説の造語ってなんでこんなにワクワクドキドキするんだろう!
    波頭馬(はとうば)やトゲウオ、一体どんな生き物なのだろうと読み始めはドキドキしていた
    竜、波頭馬、トゲウオがこの物語の主軸になる生き物たちだ!
    特に竜の神々しさ高貴さといったらもう素敵だ
    そして波頭馬やトゲウオが作る海面の道である水道(みみち)とか、絶対に美しい光景だろうなって胸躍る
    ファンタジーって本当に楽しいなぁ

    そしてワクワクと共に、想像よりも戦関係が殺伐としている
    肉片になったりちょっとうわぁぁぁって思うから、小学生とかの時に読んだらどう思ってたかなぁ…と思いつつ笑
    まぁ楽しんで読んでいるだろうなとは想像するけれども…
    シルッカ、リンゼイ・ヴォーにのしかかる多くの試練
    どのような道の先にたどり着くのであろうか
    下巻も楽しみだ

    新しい小説だ!って思っていましたが、元々は2010年に全3巻で刊行されていたみたいですね
    今作はその加筆・修正を行ったものとのこと

  •  第二界の水上集落で平和に暮らしていたシルッカ。

     一つの大陸の皇太子殿下7歳の誕生日のお祝いで集落がお祝いムードのところ、トゲウオが集落を襲う。

     トゲウオに集落を襲われて両親を失ったシルッカは時を経て努力のかいあって大陸の準騎士となる。

     母のお伽噺で聞いていた竜。

     その守り人になりたかったシルッカは、四界の大きなうねりに巻き込まれていくことになる。

     という前編。

     読んだきっかけは、

     今年は辰年だから、ドラゴンが出てくるファンタジーを1作でも読みたい!

     と思っていて、偶然新刊ででていたので、読んでみました。

     出だしの紹介文はわざと書いたのですが、世界や用語の説明はほぼなしで、想像力の手助けをしてくれるのは地図と登場人物紹介のみ。

     本当にこの世界のお伽話を読んでいるという気分にさせてくれるお話です。

     私は本作品は児童書コーナーで見つけたので、小学校高学年くらいでも読める作品なのかな?と思ったのですが、かなり残酷な現実を突きつけてきます。

     登場人物それぞれに試練を与えるなぁと思いながら読んでました。

     また、各章で何らかの出来事が起こり、大きく物語が動いていくので退屈しないなと思いました。

     設定、世界、用語などなんのこっちゃ?となるのですが、それでもぺージをめくる手を止めることができないという魅力が今のところあるなと思っています。

     上巻なので感じたことというのは下巻でさらにまとめていきたいところなのですが、あと下巻しかないの?と思うくらには物語にのめり込めるほどの魅力がある作品だと思います。

  • 天と呼ばれる「第一界」、地上の「第二界」。海は「第三界」で、もう一つの地上と呼ばれる「第四界」は海のさらに下にあるという。
    この世界は四つの界で出来ていた。

    第二界の先住のアリシャーラン。第四界からの血脈を引くサクォーリアン。
    共に第二界に住み、海の中で突如現れる「トゲウオ」という大きな生物に悩まされてきた。

    主人公はシルッカという男の子。船の騎士見習いとして日々頑張っている。
    そして、その相棒は皇帝の息子のリンゼイ・ヴォー。
    小さなトゲウオの幼生を捕獲した頃から、二人の運命は変わっていく。

    自信がなく、おどおどしたシルッカ。
    サイコパスのごとき、狂気の持ち主のリンゼイ。
    このリンゼイが本当に苦手だった。
    こんなやばい人と一緒になんかいられない、と思ってしまうのだけど、シルッカがそれでも相棒として付き添う。

    波乱が波乱を呼び、次々と物語は展開されていく中で、少しずつ二人が成長していく姿が印象的だ。
    苦悩の中にも、正しさや前を向く力が灯火のようで、彼らを利用とする大人たちの暗さがより際立って見えた。

  • 気弱な騎士と傲慢な皇子、そして竜の仔。世界の謎を解く鍵は二人と一匹に託された。竜と人、海と陸をまたにかけた王道ファンタジー!

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著者プロフィール

作 黒川裕子(くろかわ・ゆうこ)
大阪府生まれ。京都外国語大学学士、エディンバラ大学修士。2017年に第58回講談社児童文学新人賞佳作入選、『奏のフォルテ』でデビュー。小学生向けから中高生向けまで、幅広いテーマの児童書を執筆している。おもな作品に『天を掃け』『となりのアブダラくん』『いちご×ロック』(すべて講談社)などがある。千葉県市川市在住。

「2021年 『#マイネーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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