四界物語 (下)

  • 中央公論新社 (2024年8月20日発売)
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  • 本 ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120058233

作品紹介・あらすじ

ファティオータや海賊ネルヴァーリと別れ、帝都に戻ったシルッカとリンゼイ・ヴォー。二人は大陸全土で行われている苛烈なサクォーリアン狩りに衝撃を受ける。リンゼイは父帝オハリオ二世の暴走を止めるため、西海の覇者ウィゴネール王国に協力要請をするが――。シルッカはファティオータと和解することができるのか? リンゼイ・ヴォーは父帝との決着をつけることができるのか? 壮大なファンタジー、堂々の完結!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったけれど、戦の部分か多いのと視点が定期的に変わるので読むのがゆっくりになってしまった…
    戦略を練る部分は大事なの分かるけれど…小難しく多くの登場人物の名前が出てきて段々とどこかどいつで誰と戦う…?みたいな感じに迷子になり正直読むの苦戦した
    ほら、登場人物説明に載らない人達いるじゃない
    そういう人がね、誰だこいつ?ってなるのよ←人覚えるの苦手な私が悪い笑
    でも下巻の中盤から最後にかけては興味が尽きず、寝なきゃいけない時間にも関わらず一気に読み進めてしまった!
    中盤以降展開が早いのが印象だったが、その早さがとても良かった
    四界に行きながき眠りの竜を目覚めさせている間に、二界の物語悪役である王が自分の領土とするべく攻め入る
    もうね、ここであと100頁とかで、終わりはどうなるんだー!っていうワクワク感がたまらなかった

    今作の主人公であるシルッカ、そしてリンゼイ・ヴォー
    2人の成長具合が著しい
    引っ込み思案で弱い少年は誰かを守ろうと立ち塞ぎ、強者で他者を省みなかった少年は思いやる気持ちが芽生える
    そして相性の悪い少年たちはいつしか本当の友になる
    2人の友情がとても尊かった
    個人的にはリンゼイ・ヴォーの方が推す
    リンゼイ・ヴォーが虎と戯れるところを想像すると、めっちゃ良い…

    今作の主軸である竜のファティオータ
    彼女は下巻で多くは登場しなかったのが少し残念
    でも、彼女と彼女の騎士との邂逅はとても最高であった
    あどけない女王竜の最期の願い事
    別れは寂しく、けれど今世で絶対2人は再会すると私は思っているんだ
    私の中では5年後ぐらいで再会すると踏んでいる…笑

    四界物語、面白かったけど上巻の序盤下巻の中盤以降が好みかな
    やはり戦関連のゴタゴタが気になる苦笑
    あとはちゃんと読み込んでないからモヤモヤ疑問になっているのかもしれないが、シルッカの赤の瞳の代償は過去を見るだけなのだろうか?
    もうちょい大変なことあるのかなとか思っていた…
    そして蛭蟲と呼ばれるのを生み出した者
    彼女も個人的には謎が残った気がする…続きあるんか?って思う感じでややモヤる

  •  両親を失った新米騎士シルッカと彼が初陣で拾ったトゲウオの幼生、そして新米騎士のオファンである帝国の皇子が大きな渦に巻きこまれ、現実と向き合っていくなかでそれぞれの成長していく様を描いたファンタジー。

     上巻は序の口だと言わんばかりの、大きな出来事に彼らを巻き込んでいき、現実の残酷さや絶望感を与えてきますが、それらを乗り越えた先には希望という光が輝いているのかもしれません。

     上巻でも書きましたが、想像力を働かせまくらないといけない本作品、下巻も当然想像力を駆使して読まないといけないです。

     ただ、上巻を読み切れるなら下巻もいけるやろと思います。

     本作品は、私は「希望」の物語だと思っていて、いろんな困難、いろんな残酷な現実、絶望が登場人物達に試練なのか?と思うくらいに襲いかかっていくのですが、困難を乗り越えて成長していく姿が描かれていて、最後は希望に満ちていたなと思いました。

     読んでいて、ところどころ刺さることが書かれていて、私にもこういうことってあるなとか、現実でも確かにあるなと思うことがありました。

     たとえば、憎しみに囚われていては憎しみに飲まれてしまうということ。これが人間らしさを失わせてしまうことがある。

     ただし、その憎しみは残るものの乗り越えることができる。

     乗り越えるかどうかは全て自分次第なのですが、それを乗り越えるためにはまわりの人の手助けが必要だよなと思わせてくれるストーリーもあります。

     また、人は自由だけども持っている権力や権限が強いほど実は自由ではなくなっていくということにも気づかせてくれた作品でもあります。

     そして、自分は道具でもないし、他人も道具ではない。生きている人間なんだと知った時、私もそういえば、他人を道具としてみていないか(あの人が恋人ならまわりは羨ましく思ってくれるとか承認欲求を満たす道具としてみていないか?など)と改めて考え直してみている自分がいます。

     某テレビCMではないですが

     「そこに愛はあるんか?」

     と聞こえてきそうな本作品。

     彼らの冒険を読み、彼のこれからの冒険も険しい道ですが希望に満ちたものであることを願いながら本を閉じた作品です。

  • サクォーリアンと南海が手を結び、ルドゥリア帝国と全面戦争に勃発。
    帝国は蛭蟲をわんさか扱い、武力で鎮圧しようとしてくる。

    シルッカと始原の竜(ファティオータ)は再び絆を結び合い、共に戦い始める。
    ところが、敵味方関係ない皇帝の最大攻撃により始原の竜は囚われ、皇帝に心を支配されてしまう。

    始原の竜を取り返すため、また平和な世界を取り戻すため、シルッカとリンゼイは動き出す。


    皇帝がもうやばい。
    第四界に行きたすぎて、敵も味方も全て自分の手駒。
    自分さえ良ければ万事OK。
    怖すぎる……。

    そんな中、リンゼイの成長が止まらない。
    気づけばあの狂気に包まれたサイコパスな性格はどこへやら。風格すら漂ってくる。
    シルッカとリンゼイ、立場は違えど結んだ相棒以上の絆はこの先もずっと強く、互いの背中を預け合い続けるだろうな。

    他民族、ドラゴンのいる世界、ふしぎな能力など、確かに王道ファンタジーではあるが、
    二人の少年の成長ストーリーでもあった。

  • 遂に始まったサクォーリアン狩り。二つの民族は手を取り合えるのか? 二人と一匹の決断とは? 王道ファンタジー、堂々の完結!

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著者プロフィール

作 黒川裕子(くろかわ・ゆうこ)
大阪府生まれ。京都外国語大学学士、エディンバラ大学修士。2017年に第58回講談社児童文学新人賞佳作入選、『奏のフォルテ』でデビュー。小学生向けから中高生向けまで、幅広いテーマの児童書を執筆している。おもな作品に『天を掃け』『となりのアブダラくん』『いちご×ロック』(すべて講談社)などがある。千葉県市川市在住。

「2021年 『#マイネーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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