そらそうや (単行本)

  • 中央公論新社 (2024年10月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784120058356

作品紹介・あらすじ

麻雀や将棋、競輪や競馬、そして株。長くたしなんできた賭け事のこと、オカメインコのマキや庭の生きものたちとの日々、そして自作解説などを交え40年の作家生活を振り返るエッセイ集。巻末に東野圭吾との対談「僕は運が強いんです」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 黒川作品を読み始めて間もないけど、なんと今回エッセイがまとまりました。
    遡ること30年以上も昔のものも含まれていて、あとがきにも述べてあるように編集者にはたいへん感謝されております。
    内容は作家になるまでのエピソードが面白おかしく描かれていて、日常生活、奥さんとの関係性もなかなかユニーク。
    ファンでなくとも最後まで読み切れる一冊かと思います。

  • 図書館にて借りる、第767弾。
    (京都市図書館にて借りる、第231弾。)

    ここのところ、「疫病神」シリーズに浸かっていて何なら口調までイケイケヤクザの桑原になりそうなほどだ。

    そんな状態で図書館で黒川博行のエッセイを見つけたら、読みたいに決まっている。

    で、読んだ。

    サラリーマンから高校の美術教師を経て作家という面白い経歴。勉強は嫌いと書いてあったが、地頭がいいのだろう。そもそも、簡単に美大にも高校教師にも作家にもなれない。

    作者の面白い経歴とエッセイを読んでいたら、大好きな中島らもにどことなく近いものを感じた。奥さんに頭が上がらないのも良い。

    多作なのは素晴らしいが、「疫病神」シリーズの新作を書いて欲しい。

    星は3つ。3.3としておく。

  • <河>

    黒川博行のエッセイをたぶん初めて読む。たぶん,と言うのは読んだ記憶が無いだけで実は読んでいた,なんてことは最近茶飯事だからだ。 で,本文。 ん,黒川はん にしてはなんだか凄く真面目な文章が続くなぁ。ちょっと期待した雰囲気とは違う本かもしれないなぁ。

    平日の夜 シャワー浴びて ご飯食べて黒霧焼酎25度を飲みながら読んでて気が付くとあっという間に100ページを過ぎていた。結構沢山の本を読む僕でも100ページを超えるには決心やら胆力が必要な本がしばしばあるのだけど本書はホントあっという間に超えとった。こういう本にはなかなかお目にかかれない。まあこの本がむちゃくちゃオモロイちゅーこっちゃろ。先にも浅田次郎吉オヤビンのエッセイ本読んだけど,あれとおっつかっつの面白さやで。

    本書は全体が大きく六つの章に別れている。無粋だがその章立てを以下に書き写す。 Ⅰ.デビューまで Ⅱ.作家的日常 Ⅲ.麻雀・将棋・カジノそして運 Ⅳ.交友録 Ⅴ.自作解説 Ⅵ.直木賞受賞記念エッセイ対談。巻末には各お話がいつどこの誌に掲載されたのかが詳らかに書かれている。章ごとにズラズラと書いてあるので一番古いのがどれかというと懸命に全部見て探さなければならない。で探した。一番古い作品は1986年9月に『GORO』に掲載したエッセイ「悪銭身に付かず―二十代の履歴書」という作品であった。

    最新作は本書の為に書き下ろして 第Ⅴ.章に収まっている。『喧嘩』『泥棒』の二作。(第Ⅴ章ということは自分の本を自分で解説している件り。)するとなんとなんとトータル 2024-1986=40年間に渡って書き溜めたエッセイ類を吐き出したことになる。もちろん全作,なんてことは無く厳選された作だけだとは思うが,こんなに長期に渡って書いたのを一冊の本にまとめてしまった例は他にあるのだろうか。僕は知らない聞いたことない。

    黒川はん 最近新刊があまり頻繁には出ないという印象を僕は持っている。それと既刊著書の数が少ない印象も。なので目ぼしい近著は僕はもう読みつくしたと思しい。まあでも年に二冊は新刊出てるのかな。黒川はんのお歳ならまあそんなもんかいな。 で,ここで急に思い出した。こないだ作家が集まって演劇をやったって記事をみた。確か「文士劇」っていうんだ。大阪でやったらしいのだけど,なんと66年振りなんだそうだ。66年前出ていた作家はもう一人も居ないだろうなぁ。主なメンバーは黒川はん,湊かなえ,朝井まかて,高樹のぶ子 ら。

    黒川はん 本書での一人称がなんで全部 「わたし」なんじゃわ。偏見かも知れんけど それでは全然似合えへん。絶対に「俺」か「ワシ」だと思うわ。でないとなんかしっくりけぇへん。けど多分僕の偏見なんやろうなぁ。笑う。そして表紙カバーの絵はもちろん よめはん 黒川雅子画伯の手によるもの。風神の絵か?風神はしばしば雷神との対で絵がかれる事が多いがここは風神だけの様である。ちょっとお茶目な風神である。そういえば私事だが僕の音楽仲間の娘さんにふう / らい という名前の双子がいる。二人ともかなりの美人さんだよー。

    黒川はん 生き物全般が好きみたいや。動物も植物も両生類も木や花たち植物も,金魚やメダカたち魚類も。なんなら数多の虫やミミズみたいなもんも。全部ひっくるめていっしょくたに自宅で面倒を見ている。その件りを面白おかしく書いている。特にカエルが好きみたいで卵から孵化したオタマジャクシをカエルに育てあげマメに面倒を見て,また卵を産み…という繁殖活動まで廻している。そういう全く異質な行為がヤクザな小説作品を生み出すための貴重な活力源と僕は見た。

    第Ⅲ章 博打についての色々な話。そこでの黒川はん本人曰くの結論,わたしは博打が強い! ふん僕はめちゃくちゃ弱いんじゃ。ビギナーズラックという奴にすら出会った事は無い。およそ博打好きな方々は何がしかの機会に絶対にココロに残る大勝ちを経験している。でも僕はそれが只の一度も無いので賭け事には一切興味が無い。そんなのつまらん人生だろうに,と言う友人知人は存外居ない。むしろ羨ましそうな目で見られる。そうなのだ博打好き達もトータルでは負けているらしい。黒川はんの様な わしゃ勝っとる! ちゅう人は珍しいのだ。

    黒川はん自分の小説で書く博打話はホンマもんしか書かんけど 他の作家が書く博打話には「おいおい,それは嘘やろ」と思う部分がたくさんあるのだそうだ。小説なんだから全部嘘の作り話でしょうが,などと野暮なことを僕は言わない。ただそれは「嘘」ではなくて「蓋然性が無い」って言った方が正鵠を射てると思いまっせ黒川はん。嘘つくならもうちょっと真実味のある内容にしなはれ,ちゅうこってすわね。

    第Ⅲ章の一編『文壇麻雀自戦記』に僕の贔屓筋の浅田次郎吉オヤビンが登場する。と云っても黒川はん が一緒に麻雀した,というだけの話なのだが。そこでは故人藤原伊織もいっしょに卓を囲んでいる。(小説現代の誌上対局企画) 『テロリストのパラソル』うーん面白い作品だったなぁ。この作品で いおりんに嵌ってしまった僕は次々と作品を読み漁ってさあ次の新刊はと思った時に いおりんは亡くなってしまった。ああ悲しい。ありゃ いつの間にか藤原伊織の感想になっている。いいんだ いつも僕の感想文はこんなんだから笑う。

    『麻雀放浪記』というめちゃ有名な本がある。阿佐田哲也というこれまた超有名作家が書いたエンタメ小説だ。そこまでは知っていた。けれど黒川はんが若い頃に主に麻雀の師匠としてとても良くしてくれたエピソードを載せている 色川武大という作家については名前くらいしか僕は知らなかった。ところがこの二人が同一人物だという事が本書で分かってしまった。いや別に誰も隠していた訳ではないのだろうけど賭け事奥手人の僕は知らなかったのだ。

    エンタメ小説では阿佐田哲也というペンネームを使い,純文学作品は色川武大という本名で書いていたのだ。そしてあさだてつや は 朝だ徹夜 からとったペンネームなのだそうだ。そういう発作的筆名づけっの作家って結構いそうだなぁ 笑う。さていよいよとうとう僕もまだ読んでいない「麻雀放浪記」を読むか。

    第Ⅰ章二番目の「四年きりのスーパーマン生活」という話で 京都芸大卒業後 某スーパーの本社店舗意匠課に配属されたが そこのクソ課長がとにかく嫌な奴で業者の金で飲み食いはするは…という件り がある。この話読んだ時は まあそういう輩 昔は沢山居たわいな,とだけ思ったが,後の章にはそのスーパーが「ダイエー」だと堂々と書いてあった。前にも書いたが「四年きりのスーパーマン生活」は本書で最も古い初出の作品で1986年に書いたものだ。その当時に「ダイエー」と書くのは流石にまずかったのだろう。

    で,後に「ダイエー」と書いた稿を書く際には日本一だった巨大スーパーマーケット会社ももう既に無くなってしまっているものなぁ。そうだな無くなってしまえば何を書いたって怒る人はおらんわな。うーむそうかそうか。

    さて後半に黒川とは直木賞作家仲間の いおりん(藤原伊織)が亡くなった時の経緯が詳らかに書かれている。前にも書いたが僕は藤原伊織のファンだったので亡くなった時の詳しい経緯については大いに興味を持って読めた。書き写しにはなるがまたここを読み返す機会が僕には絶対に来るので少し書き置く。病名は食道ガン。

    最初は喉にモノが使える感じがして…から始まったが,ガンが見つかった時は既にステージ4だった。手術が出来る場所では無かった。ところが放射線治療と抗ガン剤治療でガンが消えた!喜んで黒川たちとまた頻繁に麻雀をした。その麻雀が原因などではないが,一年程して再発した。この時は手術をしたがガン細胞を完全に切除しきれておらず抗がん剤による治療を続けたが亡くなってしまった。享年59歳だった。余りに若いなぁ。

    本書ではずっと わたし という一人称を使っていた黒川はん であるが巻末に載る東野圭吾との対談でしゃべり言葉ではあるが「僕」と「俺」をニ三回使っている。こういうどうでも良い事ばかりを目ざとく見つけてしまう僕ってどうなんだ,笑う。この本を読んで,僕は黒川はんの初期の作品をほとんど読んでいないという事が分かった。読もう。けど慌てることはあらへん。ゆっくりじっくりと選びながら読んでゆこうか,ゆくのか,ゆこう,そういう事になった(R枕獏)

    全くの私的余談だけどちょっと事情があって今回感想文の一部をGmailのl新規Mail作成画面で書いた。驚いたのはWordを凌駕する文章校正機能が気分良く働く事。Wordみたいに怪しい文章はなんでもかんでも赤線引いて指摘!などしては来ない。気分良く書ける。うーん,こっちの方が色々良いなぁ。さて次の黒川はん の新刊はなんだろう。僕は小説雑誌には全く興味がないのだが,こういうふうにここに書いてると「今○○というお話を連載してまっせー」と言うお知らせを友人から頂いたりする。嬉しい事です。はい,おしまい。

  • 作家・黒川博行の誕生秘話エッセイ集。本能的な生き方が作品に生かされていると感じた。東野圭吾との繋がりも興味深い。『セグとの日々』『震災の朝』が良かった。

  • 激減していた読書量復活後はしばらく翻訳ばかり読んできた。自ずと現代国内物は読書地図が寂しい。
    だが、黒川氏は「キャッツアイころがった」以降8割強は読了・・ファンというにはおこがましいながら、追いかけている。
    装丁は連れ合いさん作とは思ったが、なんともかわいい風神!むちっとした手足と優しい目・・作者の人柄がにじんでいるような。

    エッセーという事もあり、重複箇所を経つったら3割減になりそうな綴り・・笑えては来るものの、これでもかという氏の人柄が見える。
    そして自称するように麻雀、将棋、競馬、パチンコ・・かけ事に関する箇所の多い事。私自身、身内が全くそういったことを避けた花茎だったもので疎いもいいとこ、乳児レベル以下の知識しかなく、フーンという事で流す。

    氏は1949年生、少し年上だが、タイムゾーンは酷似、うんうん分かるといった調子もあって、楽しい。
    この年代の前後の方々との人脈図~いおりん事藤原伊織(好きな作家さんだったが、あの渋い表情からは見えないぬくもりの人柄)色川武大(雀聖で有名、人間的にいろんな引き出しを持った方と)白川道、浅田次郎、鷺沢萠さんも登場・・続いて綴られた逝去の方々への言葉に涙腺が緩んだ。

    手慣れたでびしっと決まったおっしゃれーエッセーとは違う、なんやら、大阪臭い仕上がりはいい。
    ラストの東野さんとの対談もいいお味。

    何といっても【繰り返し、呟くよめはんへの想い

  • 黒川氏の特殊な?経歴はとても興味深かったが、
    何度も同じ内容が出てきてすっかり覚えてしまいましたw
    が・・・黒川氏の人となりをなんとなくわかった感じがしました。
    学生結婚された奥様とも仲良くされている様子がよくわかります。
    奥様の書かれる表紙の挿絵がいつも素敵でそれも黒川作品の楽しみの一つです。

  • エッセイらしい

  • 914.6

    3.8

  • ミステリー作家、黒川博行のエッセイ集。
    子供の頃のこと、大学入試のこと、その後社会人になり、高校教師になり、そして作家となったこと。
    なかなかの波瀾万丈の人生である。
    また、作品を作るにあたっての、取材やストーリー構成をどのようにしているかが、垣間見えた。
    色々なところに発表してきたエッセイをまとめているので、重複する内容もあるが、作家の素顔が見えるエッセイだ。

  • エッセイ

    Ⅰデビューまで
    博打と船と
    美大受験
    四年きりのスーパーマン生活
    大阪からの修学旅行生
    先生を辞めたくなかった

    Ⅱ作家的日常
    勝手に人生訓
    一日の始まりは麻雀から
    よめはんの口福
    ガザミの思い出
    愛車遍歴
    家の履歴書
    引っ越しビオトープ
    お裾分けのオタマジャクシ
    幸せは小鳥や金魚とともに
    手間ちがい
    ねこマキ
    セグとの日々
    文句が多くて、すんません
    持たない三点セット
    装幀について
    仕事と音楽
    胃カメラ
    震災の朝
    わがまち大阪・浪速区ー金は無くともぶらりぶらりとジャンジャン横丁
    個性派ぞろい、大阪アート

    Ⅲ麻雀・将棋・カジノ・そして運
    悪銭身につかず
    親父の将棋
    カジノギャンブルの旅ー黒野十一『カジノ』を読む
    カジノの負けは三桁
    麻雀は「運」を予想するゲーム
    八勝七敗
    阿佐田哲也さんの敗戦証明書
    色川さんと勝負したゲーム
    文壇麻雀自戦記
    カブ歴四十年の勝敗
    なぜベアリングズ銀行はつぶれたかー『私がベアリングズ銀行をつぶした』を読む
    トオちゃんとの凄絶な闘いー白河道著『捲り眩られ降り振られ』を読む
    競輪でビギナーズラック
    騙る

    Ⅳ交遊録
    めめが描いた″男の矜持”
    めめのこと
    いおりんのことー追悼・藤原伊織

    Ⅴ自作解説
    『文福茶釜』のこと
    世の中"後妻業”だらけー『後妻業』
    贋作はなくらないー『騙る』
    直木賞を受賞してー『破門』
    「疫病神」シリーズ一言コメント

    Ⅵ直木賞受賞記念エッセイ&対談
    読んできた本ー自伝エッセイ
    対談 東野圭吾×黒川博行「僕は運が強いんです」

    著者あとがき
    初出一覧

  • 読みやすい。
    美術予備校の話は興味深かった。

  • エッセイ。さらりと読む。テンポが良い。読後、特に何も残らない。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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