- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121000361
感想・レビュー・書評
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最近は、自分の内面を批評的な目で見て、勝手に傷つくことの多い日々でした。そんな中、精神科医にこちらの本を紹介して頂きました。
欧米の思想家の机上の哲学とは違い、荘子の思想・哲学は具体的で実践的であるため、大変取り入れやすく感じます。
人間は非合理的な存在であるため、合理的・分析的な思考は人間の精神を抉ると述べられています。
人間は渾沌な存在で定まった形をとらないことを認めると、自分自身を人の目や規範に合わせた形に成型する必要はないと改めて感じ、救われました。
生命なき秩序より、生命ある無秩序を愛していきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あとがきを読んで、荘子よりも作者の人となりに興味が湧いた。
荘子の哲学は面白いし、共感したり、なるほどと膝をうつところも少なくないが、ぶっちゃけ現実的ではない。宮本武蔵に似たようなぶっとんだところがあると思う、ある意味で。
この直前に加地伸行の儒教の本(やはり中公新書)も読んだが、二人の著者の性格が真逆すぎておもしろかった(書籍の質としては荘子がよかった)。 -
荘子の思想の解説書です。
「あとがき」には、「私としてはただ現在の私が理解する私の『荘子』を、私なりの表現で説明する以外にいかなる方法もなかった」と述べているように、『荘子』のテクストの内容を読み解き、著者自身の観点からその内容についてわかりやすい解説がなされています。
従来の解釈では、『荘子』の「内篇」が比較的古い部分であり、荘子そのひとのほんらいの思想に近いとみなされてきたと著者は説明し、そうした理解を基本的には正しいものとして受け入れつつも、「最近の私はむしろ内・外・雑篇の形式的な区別を重視することよりも、その枠をはずした全体の中で荘子的な哲学の本質のようなものを選択してゆくことにより大きな関心を抱いている」と述べています。本書はそうした観点から、荘子の思想のもつ意義について考察が展開されています。
このような議論を展開するにあたって著者が設定したのが、荘子の思想を「古代中国の実存主義」とみなすという視点です。すなわち、「万物斉同」という立場から、この世の人間がとらわれているあらゆるしがらみを放擲し、人間の自由を追求する思想として、荘子を解釈するという試みがなされています。 -
福永光司さんの『荘子』読了。荘子を想う著者の熱量を感じる著作。同著者の朝日新聞社の中国古典選の『老子』・『荘子』を読みたくなった。
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福永さんの荘子であって、価値がないわけではないけど、その部分は時代が反映されてます。
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20150514読了せず
今月の「100分de名著」に荘子が取り上げられており、なかなかおもしろいので借りてみた。が、詳しすぎて飽きた。もっとライトなもののほうが取っ掛かりとしてはありがたい。素直に「100分~」のテキストを買うか・・・玄侑宗久さんの荘子に関する書籍を探すか・・・。