坂本龍馬

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121000699

作品紹介・あらすじ

維新前夜の群像 第2;付: 参考文献

感想・レビュー・書評

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  •  池田敬正『坂本龍馬』

     幕末に活躍した人物の中でも高杉ら同様、群を抜いて知名度が高いのが坂本龍馬だと思います。
     そんな龍馬についての本でいいものというのはなかなかなくて、この本はその点良かったです。
     龍馬を褒めすぎず貶さず、彼の自由気儘な性格がそのまま描かれていたように感じました。
     町人育ち故の楽観的な所なども(笑)
     とはいえ近代に入った後の日本についてはやっぱり少し古いかなあ…

     個人的には中岡と龍馬との違いが書かれていて面白かったです。
     やっぱりこういう微妙な差はどこででもあったんですねぇ………

  • ※2003.7.10読書のすすめから到着
     2003.9.7読書開始
     2004.5.1読了
     2011.11.5売却

  •  坂本龍馬とその時代を描いた古典的な一冊。著者は『国史大辞典』の「坂本龍馬」の項目を執筆した人物であり、本書は最もスタンダードな”龍馬像”を伝える一冊と言える。
     本書の特徴として、龍馬の出自に注目した点が挙げられる。坂本家は「町人郷士」という「町家であると同時に武家でもある」という立場であり、これが龍馬の「町人的現実主義」の源流になったと指摘する。尊攘志士でありながら、勝海舟の下で航海術を学び、その技術を元手に海援隊を結成した彼の生き様をうまく表現していると言えよう。
     一方で、龍馬の限界に注目している点も、本書の特徴である。彼は武士でありながら経済に精通していた一方で、政治的に重大な決断を求められた際には「便宜主義的な策略家」としての限界が生じた。幕末の政治的変革が大詰めを迎える中、龍馬は武力討幕に踏み切れず、大政奉還論――著者に言わせれば「現実のきびしい諸勢力の対立をかなり安易に判断している」ものであった――に固執した点などは、その表れと言えよう。
     本書の初版は1965年と古いものではあるが、様々な龍馬本が本屋にあふれる中、まずはスタンダードな”龍馬像”を知る上で参考になる一冊である。

  • 教科書では知ることのできない龍馬についてです。
    どうして彼は名前の知られる
    人物になったのか…

    彼はその当時にしては
    先進的な思想の持ち主でした。
    しかしながら、彼は生まれるのが
    どうやら早すぎたようです。

    だけれども、彼なしには
    明治維新が達成されることは
    なかったでしょう。
    その悲願が成就する前に
    彼は命は落としましたが
    目の前にある事実にとらわれない…
    それは大事なことだと感じました。

    少し読みやすさに難ありですね。

  • 4121000692 197p 2003・5・25 61版

  •  1965年刊行でさすがに古く、今日からみると実証面でも叙述面でも?なところは少なくないが、坂本龍馬の入門書としてはまだ使える。中岡慎太郎の評価が高い。

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 幕末はスターが勢ぞろい。
    龍馬だけでなく、勝、西郷といった立役者との絡みが抜群に面白い。
    薩摩、長州、土佐と幕府、朝廷の動きなど、激動の時代を舞台とすると、史実を忠実にトレースするだけでも、壮大なドラマになる。
    これは、この時代がコンパクトに理解できる解説書でもある。

  • (2010.03.08読了)
    明治維新100年を目前にして書かれた本です。
    大政奉還、王政復古が1867年、明治元年が1868年です。
    1970年代ぐらいまでは、マルクス主義史観が歴史を読み解くときの視点として、強い影響を持っていましたので、この本もその辺の視点が強調されています。
    「この動乱と変革の明治維新を、連邦国家でなく統一国家の実現という形で成功させた最大の功労者はだれかと尋ねられたら、私はためらうことなく、それは勤労民衆であると答えるであろう。」(③頁)
    「龍馬は、維新の指導者の中では珍しく、武士の持つ窮屈さからは自由な人物であった。それだけに庶民の英雄としてもてはやされるのであろう。だからこそ、私は、龍馬の持ついろいろな可能性を、維新変革という歴史の流れの中で解明したかった」(⑤頁)

    ●檜垣清治とのエピソード(5頁)
    檜垣と会ったときに龍馬は、檜垣の長刀を冷ややかに眺めて「無用の長物。いざという時に、かえって役に立つまい」と言って、普通より少し短い自分の刀を示した。
    しばらくたったある日、檜垣は再び龍馬に出会った。龍馬は、いきなりピストルを懐から出して一発ぶっ放した。「これが西洋の新しい武器だ、よく見ておけ」と言った。
    三度目、二人が一緒になった時「これからの世の中は、武力だけでは役に立たぬ。学問が大切だ。俺は今『万国公法』を読んでいるが、これは非常に面白い」と言った。そして一冊の本を取りだした。
    ●龍馬の生涯(7頁)
    龍馬の生涯は、四つの時期に分けて考えることができる。
    第一の時代は、龍馬が町人郷士の子として封建武士に成長していく時代である。
    第二の時代は、それを一歩抜け出し、尊攘志士として活躍する時代である。
    第三の時代は、近代航海術の修業時代と言えよう。
    最後の第四の時代は、日本の新しい国家体制を構想する政治思想を大成させた時代である。
    ●龍馬誕生(12頁)
    坂本龍馬は、1835年11月15日、町人郷士坂本家の次男として生まれた。坂本家は、戦国争乱の中で野望虚しく滅びた明智光秀の一門の子孫であるという。近江の坂本落城後土佐にのがれ、長岡郡才谷村に永住し、そこに長らくあったのが、四代目になって高知の城下に出て商家として繁盛したのが才谷屋である。六代目八郎兵衛直益は、郷士株を譲り受け、それを長男兼助に継がせ、郷士坂本家が誕生した。
    ●江戸へ(19頁)
    1853年3月、坂本龍馬は江戸遊学の途についた。その目的は剣術修行にある。
    この前年には、漂流して長らくアメリカにあった中浜村の漁師万次郎が、高知に新知識を持って帰ってきている。
    一年余の修業の後、1854年6月、龍馬は高知に帰ってくる。(27頁)
    龍馬は、画家の河田小龍を訪ねる。
    小龍は、龍馬に、洋式の汽船を買い求め、旅客や官私の荷物を東西に運搬し、同時に航海術の練習をすることが、当面焦眉の急であると強調したという。(34頁)
    ●再度江戸へ(36頁)
    1856年8月、龍馬は再度の剣術修行のために江戸遊学に向かった。同じ時期に後に土佐勤王党を組織した武市半平太(瑞山)も剣術修行のために江戸遊学に来ていた。
    武市瑞山は、1829年の生まれなので、龍馬より6歳上と言うことになる。
    このときに、龍馬と瑞山の親交が始まったであろう。(NHK大河ドラマでは、おさな友達と言うことになっている。)
    1858年9月、龍馬は、二度目の江戸遊学を終えて高知に引き上げてきた。(42頁)
    1860年3月3日、桜田門外の変。
    1860年7月、武市瑞山九州諸藩を遊歴。1861年、瑞山、再度江戸へ。
    1861年8月、江戸で土佐勤王党結成。9月、瑞山高知に帰る。
    坂本龍馬、中岡新太郎も相次いで土佐勤王党に加盟した。
    1861年10月11日、龍馬は瑞山の代理として国境で久坂玄瑞の使者と会いそのまま長州に行き玄瑞に会った?その後大阪を回って帰ってきた。
    1862年3月24日、龍馬脱藩。下関へ出て、九州一円を遊歴する。
    その後、龍馬は大阪、京都を経て江戸に向かった。
    江戸に出ると松平慶永と面会し、勝海舟と横井小楠あての紹介状をもらった。
    1863年正月、龍馬は京都にいた。土佐藩の仲間たちを海舟に紹介し、門下に加わらせた。
    以下略。
    龍馬に関することは、一通り書いてあるので、興味ある方にはお勧めです。

    著者 池田敬正(いけだ・よしまさ)
    1930年生まれ
    1953年、京都大学文学部史学科卒業
    1958年、京都大学大学院博士課程終了(文学博士)
    1962年、大阪府立社会事業短期大学教員
    1977年、京都府立大学文学部教員(教授)
    1992年、仏教大学社会学部教員
    2003年、四天王寺国際仏教大学大学院教員
    (2010年3月22日・記)

  • 1986.3.1

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著者プロフィール

京都大学史学科卒業、京都府立大学社会学部社会福祉学科教授、佛教大学社会学部社会福祉学科教授、四天王寺国際仏教大学文学部社会福祉学科教授等歴任し、2015年5月逝去

「2016年 『人類を進化させていく社会共同による人間福祉の成立とその展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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