太平洋戦争 (上) (中公新書 84)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121000842

感想・レビュー・書評

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  • 真珠湾からガダルカナルまで。
    なかなかわかりやすい

  • 太平洋戦争はいったい何をもたらしたのか。

  • 太平洋戦争は日本にとって空前絶後の大戦争だった。それだけに太平洋戦争については、そでに多くが語られてきたが、これまでの著述にはいくつかの点で不満と疑問をもっていると著者は言う。

    第一に、既刊の著書、とくに戦史関係のほとんどは旧軍人の作だという点である。戦争を語るには戦争の当事者であることに利点があるのは言うまでもないが、旧軍人であるが故に、無意識のうちにも旧軍隊ないし陸軍、海軍といった立場にとらわれ、重要な真実が見過ごされ、評価の軽重に偏りが生ずる傾向はいなめない。この種の著書に太平洋戦争のありのままの全容を期待することは難しいように思われる。

    第二に、これまでの著作は、日本側あるいは米国をはじめとする連合国側のそれぞれ一方からしか書かれなかった点である。むろん、それぞれを読めば戦争の様子を一応知ることができるが、互いに勝手に戦ったかのごとき印象を受ける。

    第三には、太平洋戦争について語る姿勢がおしなべて消極的であること。たとえば、侵略戦争だ、いや自衛戦争だ、植民地解放戦争だという評価にしても、いわば過去におされた戦争犯罪者の烙印にかかずらわった議論にとどまっている感がある。しかし、われわれ日本人にとって、太平洋戦争は単なる回想や懺悔の対象であっていいはずはない。

    この著書は、これらの立場からの脱却を心がけて記され、弁護したり、判決する前に、なによりも戦争をして戦争を語らしめることを心がけたという。常に相戦う双方を照らし合わせ、戦争の実相を明らかにすることとしている。

    ただ、そういった趣向のため、著書に歴史小説的な感情移入の類は一切省かれ、ただ、淡々と戦争の実態が記載されているのみである。何を期待して読むかということで、評価は分かれるであろう。

  • 夏休み課題本....やっと半分までいったけど, 感想書いてたら手元が狂ってぜんぶ消えちゃった.....

    福島原発以降, 頭から消えない疑問は, なんでこんなことになっちゃったんだろうということである. 日本の戦後体制のせいか, それとも日本人気質なのか.....

    ポスト戦後社会とはどんなものだったかを考える時に,どう考えても外せない視点が, 戦後の政治経済体制を形作ることになったアメリカとの関係, つまり日本が大負けに負けた戦争とはどんなものだったかということである. 戦後と終戦が続いて
    いるなら, とうぜん終戦に至る道も理解しないといけないわけで, この手の知識は明らかに欠如している私も( ほんとは国際関係学科卒業なんだが......) 思い腰をあげて? 新書をで勉強することにしました.

    まず, 太平洋戦争とは何かというと, 41年暮れの真珠湾攻撃から始まって45年の沖縄地上戦, 原爆投下, 日本完全降伏に至る, 対 連合国戦争である. 目的は日本の植民地拡大で, とくに太平洋南方はエネルギー資源が豊富な地域として重要視されていた.当時は日本も軍事力をつけてきていて, ゼロ戦などの性能のよい飛行機なども
    開発されて, 海軍の装備なども太平洋に限ってはアメリカにも劣らないくらいのレベルは一応あったらしい.

    しかし...勝算の見込みがあったかといえば, 冷徹な情報分析の結果というより, 希望的観測で戦争に突入したような感じである. 陸軍が全面的にイケイケの状態で突き進んでる様子.....真珠湾攻撃は大成功に終わったものの, その後, 上巻のガダルカナル島までは戦力も落ちてこりゃ勝ち目はないだろうと絶望的な気分になる. シンガポールは陥落したが中華系の対日感情は悪化したし バタールは捕虜待遇が劣悪だった死の行進で有名だし, ミッドウェー海戦はボロ負け, ガダルカナル島では飢えと病気で大変な数の日本兵が亡くなった. この時点でまだ開戦から一年たってない.これからさらに3年で,計200万以上もの日本人が亡くなり, 一部は骨さえも見つからず, いまも南方の島々に埋まってるはずだ. いまの日本は, 結局この戦争の負け方で決まってしまったわけで,なんというか.....負け戦さを無理に戦うとロクなことがないなと思った.

  •  児島襄『太平洋戦争 上』(中公新書84)

     太平洋戦争について書かれた本です、そのままです。
     上巻は戦争前夜からガ島までです。
     淡々と進んでいく文章ですが、日本側ばかりでなく敵の状況も書かれていて戦況の理解はしやすいです、地理がわからなくて苦戦する事はありますが。
     戦争観の違いと著者は指摘しておりますが…なんというか、なんでここまできて日本軍は地味に中世的なんだとちょっと突っ込みたくはなりました(苦笑)

     それにしてもとにかく最初から最後まで物資の供給の話が頭に残っています。
     戦争でいちばん辛いのは「飢え」なんだろうなあ…と感じた一冊でした。

  • 戦争開始直前の内閣、陸軍、海軍の動きがわりと詳しく書いてあって良かった。
    その後はざっくり。
    中国戦線は述べられるべきだと思うけど…

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  • 侵略か自衛かという議論から等間隔に距離を置き、日米双方の視点から戦争の流れを客観的に描こうとする姿勢に好感がもてた。日本の歴史教育は、悲惨さを強調し反省を促すばかりで、事実と向きあう姿勢が基本的に欠如していると感じるが、安保闘争全盛期の60年代に、よくこれだけ冷静な記述ができたなと思う。本書は、そんな著者の代表的な作品で、今に至るまで50年近く読まれ続けているロングセラー。残念なのは、参謀本部が米国との開戦を決意した場面から記述が始まるので、開戦そのものの掘り下げに物足りなさを感じるのと、大東亜戦争の一部である太平洋戦争しか書かれていないので米国の動き以外がわからないことである。南方作戦までは日本が圧倒的だったが、せっかく手にした資源を十分に日本に輸送できなかったことが日本の戦局を徐々に悪化させていった。上巻はガダルカナル島の戦いまで。

  • 知らないことがたくさんある

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