法と社会 新しい法学入門 (中公新書 125)

  • 中央公論新社 (1966年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (198ページ) / ISBN・EAN: 9784121001252

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

法の成り立ちやその背景を広範に探求し、法学を新たな視点から捉え直す一冊です。著者は法学を単なる実定法の解釈に留まらず、社会工学として人類学や社会学、心理学などの多様な分野と結びつけて考察しています。こ...

感想・レビュー・書評

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  • 法の成り立ちから、出版されたときまでを概観した好著。法の仕組みが分からないまま、三権それぞれの問題を論じたり、はたまた憲法とごっちゃに解釈している日本の状況からも、もっと読まれて良い本。

  • 法的規制と言語
    多くの国語において「法」をあらわすことばが「ただしい」「正義」などの意味をも兼ねている。
    「法は正義をめざすものでなければならない」

  • ありがちな法学入門の本とは全く異なる、まさに「新しい法学入門」。もっと早くこの本と出会いたかった。

    各国の法学の特徴や法学史といった、法学を学ぶ上で知っておきたい事柄が広く押さえられている一冊。
    ただそれにも増して個人的に嬉しかったのは、法学を「社会工学」と呼び、人類学や社会学、心理学、言語学などの諸分野と隣接した文化の一部とする著者の捉え方だった。

    実定法の解釈が殆どを占める法律学習において、(歴史的にもそのきらいはあったようだが)法学徒はとかくタコツボ型の法律観に陥りやすい。
    その中にあって臆することなく経験科学に目を向け、教養溢れるたとえや注釈を多用する著者の姿勢は、ともすれば内容以上に希望に満ち満ちたものに、私には思えた。

    初学者だけでなく、条文に溺れて法学の奥深さを見失いかけている学部生にもお勧めしたい一冊。

  • 新書で入門書のつもりで読んだら非常に難しかった。法律は文化の一部で共同社会をうまく成り立たせるために規定しているものだからとても大事だと思う。時代とともに考え方、やり方が変化するので法律も変えていかないといけないと思う。日本国憲法が70年も改正されないのはとても不思議だ。とりとめのないことを考えさせられる一冊だった。

  • 「新しい法学入門」と題してはいますが,入門レベルに留まらず,「法と社会」を凝縮された中に,慎重に選ばれた言葉で論じられており,大変,勉強になります。碧海先生は古くなってないですね。法哲学概論も長く品切れですが,再販してほしいです。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/125/K

  • 法は社会秩序維持のためにあるものだけど、その起源は文化や言語と密接に関係している点が深く語られていて興味深い内容だった。

  • 入門書としてとても読みやすい。
    文化の一部であり、個人間または権力と個人の間の争いを安定させる社会統制の一種でもある法が、どのような変遷を経て現在に至り、今後どのような課題が残されているのかを分かりやすく述べている。

    法を社会工学として捉える考え方はとても納得感があった。

  •  本書は、「法学」にかんする「入門書」を読むための入門書です。

     新しい分野の勉強を始めようとする際に多くの人は、「入門書」や「概説書」といった初学者向けの本を手に取ることが多いのではないでしょうか。これから「法学」を勉強する人が同じことをすると、多くの場合文句を言いたくなります。
    「初学者に優しくない」、「全然入門じゃない」etc. と。

     「法学」という学問分野の性質も関係していますが、多くの「法学入門」や「〇〇法入門」といった「入門書」では、現在ある「法」の背景を説明してくれません。「法」が存在することがあたりまえの社会を前提として話が進みます。そのため初学者は、なぜ「法」があるのかを理解することなく勉強をはじめるため、「法」の仕組みを捉えきれないことが多いです。

     しかし本書は、「法」と「文化」の関係にはじまり、「法」に想定さている機能といった様々な話題に触れることで、「法」全体がとらえやすくなっています。

     漠然とした「法」ではなく明確な「法」のイメージを最初からつかむことで、より効果的な「法学」の勉強ができるのではないでしょうか。

     これから「法学」の勉強を始めようとしているひとは、第1章だけでも読んでみてください。「法」のイメージを、なんとなくつかめると思います。

    ---
    碧海純一『法と社会:新しい法学入門』(中央公論新社、1967年)
    所在:中央館2F 請求記号:081//C64//125
    https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN01767456?hit=15&caller=xc-search

  • 法とは何かを人類学、社会学など面白い切り口で説いている。
    後半になるにつれて内容はやや高度になっていく印象。

  • 法というものを言語による社会統合の技術の一種ととらえ、社会・言語・宗教・歴史・哲学等の社会科学の視点から分解・研究した一冊。法だけを学ぶのではなく、当時の社会情勢や人間について理解をした上で法を学ばないと真の理解はできないと再確認。

  • 法律を少し知りたいと思いで読んだが、自分には難しかった。専門用語も多数出てくるので、初心者向けではないかも。入門の本なのだが、途中わからなくなり、最後までそのままいってしまった。

  • 105円購入2011-12-22

  • 著者は、ラッセルやポパーの思想に造型の深い、法哲学の研究者です。本書には「新しい法学入門」というサブタイトルを持っていますが、いわゆる法学概論ではなく、著者自身の法哲学ないし法社会学の立場が強く押し出されており、そのぶんおもしろく読める内容になっています。

    とくに著者は、ポパーの社会工学的な発想を受け継いでおり、立法の持つ「社会統制」ないし「社会統合」の役割を重視しています。また、法学史を簡潔に振り返った最終章でも、法社会学的な発想がどのようにして生まれてきたのかということに焦点を向けて解説がおこなわれています。

  • 【感想文】
    著者は法哲学の研究者で、本書は1967年の法学入門書。
    法の現在についての具体的な姿ではなく、書名通り抽象的な法について書かれている。議論の視野は広くもたれており、基礎法について読者の関心をうまく引き出すと思う。データの古さはあっても内容の問題は無く、オススメ。

    突っ込みどころは、Amazonでの本書の扱いだけです。
     [Amazonの(商品の説明)]
    1992年39版。古書として入手しましたが、ヤケもスレもなく、本文にもほとんど使用感のないキレイな一冊です。


    【版元】
    『法と社会――新しい法学入門』
    著者:碧海純一(あおみ・じゅんいち)

    初版刊行日 1967/2/24
    判型 新書判
    ページ数 212ページ
    定価 本体720円(税別)
    ISBN 978-4-12-100125-2

    社会においては個人の行動を規制し、秩序を維持していくことが不可欠であるが、これは主として・社会化・および・社会統制・という過程を通じて行なわれる。本書は、法を社会統制のための特殊な技術とみる立場からその社会的機能を論じ、法と他の文化領域――言語、神話、宗教、道徳などとの関係を明らかにする。古代社会や未開社会における社会秩序の問題にも考慮がはらわれており、従来の書とはやや異なった法学入門である。
    http://www.chuko.co.jp/shinsho/1967/02/100125.html



    【目次】
    まえがき
    目次

    第1章 文化の一部としての法 003
    1 「文化」とは何か 005
      「人工的環境」としての文化
      文化は人間に特有のものか
      動物の文化と人間の文化
    2 文化の一部としての法 014
      社会組織の問題
      「法」の定義
      法と他の文化良識
      法と言語
      法と宗教
      法と道徳
      法と政治
      法と経済

    第2章 人間社会の統合 027
    1 人間の抽象能力とその「生存価値」 029
      人間と道具の使用
      人間と言語
      人間の特権としての抽象
      脳と言語の「相互作用」
      道具と抽象能力
    2 社会秩序の問題 037
      社会生活と「人間の本性」
      「社会」はいかなる意味で実存するか
      人間の学習能力と社会統合
    3 社会化 043
      社会化と「良心」
      「良心」の多元性
    4 社会化の媒体としての言語 050
      言語と社会化との関係
      人間の言語の特徴
    5 社会化と言語の「個性」 058
      言語の「個性」とその文化的背景
      日本文化と敬語法
    6 社会統制 063
      社会統制の概念
      社会統制と社会化
      社会統制のいろいろな種類
      法的統制における物理的側面と心理的側面
      法的統制と言語
      法による重層的な社会統制

    第3章 法の発展の一断面 079
    1 序論 081
      「歴史」の多面性と法史学
      「法と社会」についての先駆的業績
      法の発展における「自然」と「人為」
      古代の立法
    2 法の発展における犠牲と衡平 089
      擬制
      衡平 
      ローマにおける「万民法」の発展
      イギリスにおける「衡平法」の発展
    3 近代法の発展における立法の役割 104
      近代における立法
      日本の近代化における立法の役割
      第2次大戦後の立法改革
      立法改革の「アフターケア」

    第4章 現代社会と法 113
    1 現代社会における法の機能の増大 115
      非制度的統制手段の衰退
    2 社会の「法的要請」とその変遷 115
      「社会工学」としての法
      自由主義の「法的要請」とその変遷
    3 法の「第1次統制機能」と「第2次統制機能」 122
      「秩序と自由」の問題
      第1次統制機能と第2次統制機能――刑事法のばあい
      現代刑事裁判制度の社会的意義
      第1次統制と第2次統制との関係
    4 法の安定機能と変革機能 131
      社会生活における安定と発展
      国家による「実力」の独占
      法における「静的安全」と「動的安全」
      法の枠の中での調整作用とその限界
      マルクス主義の解答
      イギリス型の答え
      単純な二元論では割りきれない
      「フィードバック」とは何か
      近代民主制とフィードバック装置
      近代民主制のフィードバック機構がはたらくための条件
      民主制の法的技術に関するソヴィエト圏と西欧圏との接近

    第5章 法学 147
    1 序説 149
      日本の法解釈学の大陸的背景
    2 19世紀のヨーロッパ大陸法学 151
      ドイツ私法学
      フランスのばあい
      イエリングによる「概念法学」批判
    3 自由法論 157
      「法源」の問題
      自由法論の主張
      法社会学への要求
    4 アメリカ法学界における革新運動 165
      アメリカ型の概念法学
      社会学的法学
      リアリズム法学
      ルゥエリンとフランク
    5 社会と法との関係をめぐる経済科学的探究の発展 175
      「法の経験科学」に対する法学内部からの要求
      欧米における法
      社会学的研究のはじまり
      日本の学界における法社会学の発展
      第2次大戦後の研究

    むすび 188

    第三七版への後記 192 
    参考文献(付 補遺) 194
    索引 200

  • 大御所の書いた入門的新書でもこれはかなりおもしろい。弟子筋にもすごい人がいて、研究も教育も啓蒙も大した著者であった。

  • 恥ずかしながら碧海先生の著書が新書化されていることを知らなかった。
    時間を見つけて是非読みたい。

  • 5-5 法律論

  • 家族が著者と知り合いで、自宅にあったので読んでみた本。

    一言でいえばかゆい所に行きと届く、法学の入門書だと思う。概論では、法学ではどんなことがあって、実定法を分けるとということが多いと思うが、著者の博識の文化論から法を位置づけ、宗教、哲学、道徳などの関係から、文化の一部である法学を、どのようなものであるかの全体像を理解させてくれる。

    本を読んでいて思うのは、各論になれば専門用語と学説の説明をすることで知識量と見識が主に問われるが、このような本では素人に近い目線をもって簡単な言葉で書くことは逆に難しいと思う。

    法学関係に進む人、法学に興味がある人はぜひ一度読んでみてほしい本である。

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