取材学 探求の技法 (中公新書)

  • 中央公論社 (1975年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784121004109

みんなの感想まとめ

フィールドワークにおける取材術や心構えを学ぶことができる本で、著者の実体験に基づく具体的なノウハウがコンパクトにまとめられています。50年前に書かれたにもかかわらず、情報収集の重要性や日本人の問答力の...

感想・レビュー・書評

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  • 50年前に書かれた取材術に関する本。フィールドワークを専門にする学者が執筆しており、自身の体験にもとづき情報収集のノウハウだけでなく取材に臨む心構えなどにも言及している。
    教育者として学生と接して来た経験から、日本人が優れた問答(=取材)ができないのは詰め込み教育に元凶があると指摘する。情報を一方的に受け取るのではなく、必要な情報を集めて使いこなせる人材になるべきと説く。
    生成AIやネットの登場で情報収集の手段は当時から進歩したものの、使い手たる私たちは進歩できているだろうか?むしろ溢れかえる情報に溺れていることにも気づかなくなっているのではないだろうか?

  • 黄Aシール

  • ほぼ半世紀前の本である。インターネット検索を本による検索と置き換えてみれば現在にもよく応用できる本である。ということはフィールドワークはそれほど発展していないということなのであろうか。

  • 取材の基本のきが学べる本。
    ・素材が大事
    ・事前準備、事前の問いを立てる
    ・知ってる人に聞くのが早い
    ・聞くのはインタビューではなく対話であるべき。答える側は問いを受けることでそれまで考えてもみなかったことに気づき、その答えを言った人間は、さらにそれまだ用意していなかった重要な問いを発見して新たな問いを組み立てる
    →対談は異質な人間同士がぶつかりあったときにできる!
    ・観察することは大事
    ・現地に入る。時間をかけて信頼関係をつくる
    ・効率的に仕事をして、空いた時間で無駄なことをする。知的散歩
    ・警戒すべきは独善と尊大。目指すべきは人間的愛情と謙虚さ

  • 取材の基本姿勢が書かれた本。入社したときに読んでおけばよかった。

    まず「取材」を広く、情報を集めて判断することと捉える。スーパーのチラシを見て買い物に行く主婦も、顧客や市場の情報を集めて決定するビジネスマンも広い意味で取材をしていることになる。記者や学者が取材する手法を一般にも役立つ技法として伝える本だ。

    以下各章のまとまらないまとめと感想

    一章
    問題解決よりも問題発見が大切と説く。適切な問いがあれば情報は集まる。
    →最近読んだ『イシューからはじめよ』と似た主張で、仕事復帰後にとりあえず実践していくことにした。

    二章
    「広く調べ、それから細かく調べる」ことが重要。
    →図書館の技法を紹介しているが、現在は検索の技術を知る必要ある

    四章
    新聞に聞くという文字が入っているが、ジャーナリストの能力はききこみ能力に依存している。
    なぜなら「話をきくということは問うということなのである」p101
    →問わないと話が始まらない! 友人、同僚と話すときでも質問を用意していくと実り多い。

    「ひとの話をきくまえに、はっきりさせておかなければならないのは、じぶんにとって(強調)なにが問題であるのか、についての自己確認である」

    作法
    ①取材には相手の都合がある
    ②話をきくまえに準備をしておく。予備知識、基礎知識
    ③よい質問を準備する
    ④教えを乞う、という態度を忘れない

    「相互に利益のある弁証法」が話をきく取材
    答える側は問いでそれまで考えてもみなかったことに気づき、その答えを得た人間はさらに重要な問いを発見して組み立てる

    対談から学べる
    →エッケルマン『ゲーテとの対話』、湯川秀樹『人間にとって科学とらなにか』、司馬遼太郎ドナルドキーン『日本人と日本文化』、『論語』、

    五章
    現地で肌感覚を得る
    現地の郷土史など本を買う

    「現地というのは、けっして客観的な実在ではないのである」p149

    では、よりよき現地取材の条件は? p150〜
    ①時間の条件 長くいれば確かさを増す
    ②現地の取材にかたよりのないように、できるだけたくさんの情報源を探す 役場の資料、貧しい家、裕福な家
    ③現地に浸りながら、溺れない

    第六章
    合理化した取材学→
    空いた時間で無目的な知的散歩をしよう
    取材相手と雑談もいい
    →思ってもみない問題発見につながる
    →さらに取材が進む!

  • 自己啓発
    思索

  • 久しぶりに読み返した、「聞きとりの作法」の中で紹介されていたので、読んでみた。

    1975年の出版。生まれる前だ。
    インターネットが登場したので、いわゆる紙カードの整理法や図書館などの検索は様変わりしているが、情報を使うという立場と使うための技法、つまり知的自律性の確立と情報を使う技術、はいまも有用。

    そして、この本が出てから40年以上経っても、インターネットの登場以外、さして変わらぬ状況と思えてしまう。

    社会というのは、変わっているようで、そう簡単に変わらないことが古い本を読むとよくわかる。

  • p162
    わたしが名付ける知的散歩というのはそういう無目的な情報行動のことであり、もしもわたしにいわせていただくなら、こうした知的散歩こそ、じつは人生における最大の快楽なのだ。

  • 1975年刊行。

     「学芸は長く、人生は短し、という格言は正しい」「我々は未完成品をたくさん残しながら死んでいく」「古本の市場は、いわば書物たちの実力競争の場なのである。よい本は生き残って高い価格で取引」など名言が多数含まれる。良書。

  • 書物を相手にした「取材」というべき、図書館や事典の利用法から始まって、フィールドワークの仕方まで、研究や取材の技法について述べた本です。

    タイトルは、取材「学」となっていますが、体系的な本ではなく、どちらかというと著者自身の経験則に基づいて書かれている印象です。読者の一人ひとりが、本書のうちから研究や取材についてのヒントを自由に引き出すという読み方をすればいいのではないかと思います。

  • レポートを書く際の参考にします

  • 大学の課題図書にあった一冊、書店で購入して読んだ

    素材の重要性に納得した
    これまで新書にはあまり馴染みがなかったのだけれど、新書という形態は最適の入門書だいうこともわかった

  • 大切なのは自分の興味の対象をはっきりさせる事であり、そのためには問題発見能力の開発が必要である。

  • 「読書力」の35ページにある本…
    法政大学第一中・高等学校で岩井歩教諭が実践した、定期テストに読書問題を取り入れた実践。

    21冊目…高3の定期テストに

    たしか…難しい本だったような…。

  • 購入日:20110411
    筑波大学の講義『情報サービス構成論』のレポートで指定された文献。

    図書館の使い方や百科事典の使い方についての記述がおもしろい。

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  人から有益な話を聞き出す方法論を期待したが、百科事典や本からの情報獲得方法までも読むことができた。
     「情報行動」……抽象的に人間を観念としてあつかっているかぎり、学問は現実の日本社会に足をふんばったものにはなりえない。生きた人間から、生きた言葉によって学ぶことがどうしても必要だ、ということが書かれている。
     「遠野物語」(柳田国男)……人の話をたゆみなく聞くことによって成立してきた、日本民俗学の古典。
     「群衆の顔」「孤独な群衆」(リースマン)……現代のアメリカ人を相手にしたすばらしい面接記録集。
     「自己表現」……どうしたら話が上手になれるか、について論じている。
     「柳田国男対談集」「人間にとって科学とは何か」(湯川秀樹・梅棹忠夫)……会話が進むときの、すばらしい問答の世界が見られる対談集の例。
     最後の「打ち切り地点」のところで、学問や研究に終わりはなく完全は求められない、ということが論じられている。

  • ずいぶん前になくなった義父の本。今回ある研修(複数)の参考にと読み返した。1975年発行なので当然インターネットのイの字も出てこないが、googleが米国で出来て日本ではうまく出来なかったのがなぜかがわかる。索引文化が日本にはなかったからだ。

  • 百科事典のありがたみについては、最近ではさしもに薄れてしまったが、情報探索の心得としては今でも参考になるアドバイスがじっくり詰まっている。特に、しっかりした本の索引についてはもっと活用すべきだというのは耳に痛い。

  • もはや古典的名著となっている一冊。

    この本は、素晴らしすぎてレビューするのがしのびない。

    だまされたと思って、手にとってぜひご覧ください。

    名著の論述は、決して色あせないんだと思い知らされました。

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著者プロフィール

加藤秀俊(かとう・ひでとし) 1930年東京生まれ。社会学博士。一橋大学(旧制)卒業。京都大学人文科学研究所助手、同教育学部助教授、学習院大学教授、放送大学教授、国立メディア開発センター所長、日本育英会会長などを歴任。現在、中部大学学術顧問、世界科学芸術アカデミー会員。 著書に、『加藤秀俊著作集』全12巻、『メディアの発生』『メディアの展開』(中央公論新社)など多数。

「2016年 『加藤秀俊社会学選集 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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