詭弁論理学 (中公新書 (448))

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 153
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121004482

感想・レビュー・書評

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  • 論理パズルを紹介している本でもあるのですが、詭弁や強弁についてのエッセイのような叙述も含まれており、少しまとまりのない印象を受けました。

    以前読んだ同じ著者の『まるさんかく論理学』(Z会ペブル選書)とかさなる内容も多く、そちらのほうが内容的にはまとまっているように感じました。

  • ロングセラーの理由がよくわかる。面白い。

    昭和51年10月25日が初版だから、西暦だと1976年。
    かれこれ40年ぐらい前の著書なのに
    現在の「発言小町」や
    「2ちゃんねる」を想定しているかのような文章。
    今風に言うならば「マウンティング」の話だと思った。
    小さな優越感を感じたいがために
    自分のほうが上だとアピールする行為は
    40年以上前からあるんだな。

    相手の言うことを耳に入れず
    ひたすら「自分の言いたいことをいいつのる」人を
    著者は『小児病』と定義する。
    途中で意見がコロコロ変わっても各瞬間ではつねに勝利者。
    全くの自己矛盾に陥っていることに気づかないのか、
    気づいていないフリをしているだけなのか。

    このタイプの厄介なところは
    「本人がそのつもりでない」という点にある。
    極端な言い方をすれば「妥協したくない」から
    妥協しないのではなくて、
    そもそも「妥協」ということを知らない。

    子供の感情は現在が中心でありすべてだ。
    感情を論理で抑えることはできないし、
    また、人間誰しも感情を持たない人はいないので、
    意見に感情が反映するのはむしろ自然ともいえる。
    しかし各自が自分の感情を大切にすることはよいとしても、
    それが他人の感情を無視する「わがまま」にまで
    膨れ上がるのは決して好ましいことではない。

    最近の「ありのまま」ブームに
    一石を投じてくれたかのように(勝手に)感じた。

    相手が『何にこだわっているか』がわかると、
    コミュニケーションはスムーズに進むんだ。

  • 私は話すのが苦手です。
    話すのが苦手なので、仕事でプレゼンをするときいつも「あぁ、もうちょっと上手く喋れたらなぁ」と思うのです。
    ただ、話上手(?)のプレゼンを聞いても、「言葉数が多いだけであんまり納得感はないな」とか、「自己一点型の自分の角度からしか物事を捉えられてない主張の仕方だな」とか、そんなことを思うのも多々あります。

    今回この本を手に取った理由は、そんな話者に対する不満や違和感をどうにかして"見抜く"術を身に付けられたらと思ったからでした。
    加えて、そんなお上手な話術で言い負かすことを望んではないけれど、いつか必要になったりするかもしれないときの保険としてね。

  • 40年前から60刷も重ねている本だった。「クレタ人の嘘つき」系のパラドックスとか論理パズルとかを楽しみながら、詭弁や強弁好きな、面倒な人たち対処していこうという趣旨。現代のロジカル・シンキング全盛期には、どこかで見聞きする例題が多く、読み飛ばした箇所も多い。個々の例題の解き方や論理の基本の説明なんかより、なぜ詭弁家がいるのか?なぜ論理が必要なのか?等という、本質の言及が(字数は少ないながら)心の琴線に響く。これがロングセラーの理由だと思う。

  • 偶然にも同じ著者の本を全く違う棚から探し出して買っていた。タイトルが魅力的だったのだろう。でも中身はそんなに面白くない。最初の方は当たり前すぎて、後ろの方は難しいのとどっちでもいいよというのが多かった。印象に残っているのは、ブザーの仕組み。電流が流れるとスイッチが電磁石に吸い付けられて上がる。そうすると電流が切れてスイッチが下がる。これが「パラドックス」を実用したものだと言われると、面白い。

  • おもしろい。けれど、(とくに後半は)難しい。きちんとひとつひとつ理解しようとしながら読むと、脳みそがオーバーヒートしそうになる。詭弁やパラドックスというと、「アキレスと亀」のように、「どう考えても普通に聴けばそのおかしさに気づくはず」と考えがちだが、じつは日常的な話し合いの中でも人は無意識のうちに詭弁や強弁を使っていて、相手を翻弄したりされたりしていることが多々あるのだなということに気づかされたりする。また、著者は数学のセンセイなので、xやyを使った数式が頻繁に出てくる点が要注意。

  • いかに自分が強弁・詭弁を使っていたかが理解できるし、いかに社会に強弁・詭弁がまかり通っているかわかる。少しむずかしい記述もあるが、言っていることは論理を追えば理解できる。

    構成は非常に論理的。まずは強弁をいくつかの型に分けて説明する。言いたいことだけ言い続ける小児型、社会のほとんどは中間にあるにもかかわらず100か0かで判断する二分法、細かいことを指摘してアラ探しをする相殺法などである。

    詭弁はさらにたちが悪い気がする。強弁がシンプルな犯罪だとするならば、詭弁はペテンやそそのかしのようなものだからだ。絶対的や相対的など、賢そうに聞こえるが実は意味する内容がほとんどない単語に注意せよという指摘は、非常に役立つ。私は今海外の大学院にいるが、アカデミズムにはこの傾向が特に強い。賢い研究者の論文はやはり読みやすく簡単なことが多いのだ。それはいかにそれ意外の論文に詭弁が用いられているかを示しているかということだ。こうした論文だけは書くまいと反面教師にしてきた私にとっては背中を押された気分になったし、気持ちがさらに引き締まる。使いたい気持ちもわかるからだ。

    結局、本書で一番大切なメッセージは、実体を見つめよということであるように思う。不要な形容詞、副詞に眼を取られずに、枝葉に眼を取られずに、本当に大切な意味されている部分を読み取ることが情報へのリテラシーとして重要だということだろうと思う。これは、全ての行動原理にも繋がる。意味のない行動を省略していくだけで、生産性が上がると思われる。アウトプットを増やすより、無駄なアウトプットを削除して必要なものの質を上げることが重要なのだ。

    この本を読んで、頭をつかって考えるようになった。様々な言説を目にした時、これは本当に正しいと言えるのだろうかと論理的に、批判的に眺める力がついたと思う。収穫の大きい本だった。

  • 詭弁・強弁という言葉をキーワードにして、論理学の初歩についていろいろと教えてくれている。
    細かく分けて、詳しく説明しているし、ところどころで頭の体操的な論理クイズや、具体例を示しているので、どうにかこうにか最後まで楽しくついていくことができた。

    ……が、理解できているかどうかは別問題です。

  • 高校生の頃に父の書斎から拝借して読みました。すごく面白かった!

  • 詭弁という切り口で、論理学の簡単なところを説明してくれる。面白くてわかりやすい。

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