青年期―精神病理学から (中公新書 (463))

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121004635

感想・レビュー・書評

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  • 「斜めの関係」を調べていて、この本に行き着いた。
    青年期心理学の各種トピックが網羅的に、平易に書かれていて、わかりやすい。この中には、現在でも相変わらず問題となっているもの(拒食症など)や、すでにあまり聞かれなくなったもの(スチューデントアパシーなど)がある。その用語があらわす症状や概念が変わったものもあるだろうが、やはり、心理的問題は、その時代背景や、社会が個人に求めるものにより変化する、ということだろうと思う。
    一番印象的だったのは、「スチューデント・アパシー」の学生の特徴として「やさしさ志向」「手造り志向」が挙げられていることだった。「やさしさ志向」は今でいう「社会貢献活動への志向」に近いと思うが、この本では「競争社会を生きることから身を引いたものだけにある『やさしさ』」、「弱力性非力性としてしか評価されない」と評されている(このことについて著者は、案じてはいるが非難はしていない)。今はむしろ、こういった学生の方が多くなっていると思うし、社会的にも、経済的豊かさだけが豊かさではない、との認識が広がって、社会貢献活動をコンセプトとする企業も増えてきている。
    しかし、いずれにしても、現代につづく青年期の心問題は、この高度経済成長期の後くらいから顕在化し、ずっと続いているものが多く、興味深かった。
    さて、くだんの「斜めの関係」は、学生との関わり方として調べていたものだが、この本の解説は大変わかりやすかった。また、「治療論を超えて、青年心理一般にも適用できるかも知れない」とあり、実際に、今では職場の人間関係のあり方としても良い関係として取り上げられている。1977年の本だが、大変参考になった。

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2016年度第3回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第2弾!

    本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。

    佐々木正宏教授(心理学科)からのおすすめ図書を展示しています。
        
    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2016年7月19日(火) ~ 2016年9月16日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

    大学生のカウンセリングをするようになった頃に読みました。出版後かなり経ちますが、青年たちに深く関わった経験に基づいているためか、述べられていることが自然に心に入ってきます。対人恐怖の青年が苦手とする状況について「半知り」の人たちを苦手とすると著者は述べていますが、この「半知り」は、複雑な状況を一語で見事に表現できていると感じました。

  • 著者は、青年期にしばしば見られる、無気力に陥る精神の病理を「スチューデント・アパシー」と呼んでいます。本書は、こうした若者たちと関わった著者自身の臨床経験に基づいて、現代の青年期の精神病理に迫ろうとする試みです。

    やや古い本なのですが、現在の不登校や引きこもりなどの問題に通じるところが多く見られることに驚きました。とくに著者が、スチューデント・アパシーと呼ぶ精神の不安定な若者たちが示す「やさしさ」に注目しているところなどは、現在から振り返ると、鋭い洞察だったと言えるように思います。

  • 著者の経験を綴った物であまり体系性がないのだが、ステューデント・アパシーについての記述にはかなり気合が入っており、楽しく読める。記憶に残ったワードは「やさしさ志向」。

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