無意識の構造 (中公新書 (481))

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 929
レビュー : 77
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121004819

感想・レビュー・書評

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  • ユング心理学。学校お薦め図書だったので読んでみた。

    きっと最新の心理学ではないのだろうけど、基礎的なものを分かりやすく説明してあって理解しやすかった。

    夢の例も沢山出てきて面白い。夢は一々具体的すぎて、普遍的な夢説きにはならないかもしれないけど。

    人間が100%客観的に生きる事が出来ない以上、精神世界は馬鹿にできないのです。
    【印象に残った言葉】
    メサイア・コンプレックス
    シンボル崇拝
    自我と自己
    アニムス

  • 日本のユング心理学の第一人者・河合隼雄氏(1928~2007年)が、1974年にNHKテレビの大学講座で放映された「無意識の構造」(24回)をもとに書き下ろし、1977年に出版したもの。
    本書では、人間の心を層構造的に捉え、無意識の存在を重要と考える「深層心理学」のエッセンスがまとめられているが(深層心理学には、大きく、フロイトが創始した精神分析学派、ユングが創始した分析心理学派、アドラーが発展させた個人心理学派がある)、主にユング派の理論に沿って以下のような考え方が述べられている。
    ◆人間の心の構造は、「意識」、「個人的無意識」、「普遍的無意識」に分けられる。
    ◆夢は意識と無意識の相互作用によって生じるものであり、夢は意識に対する補償機能を有していることが多い。よって、夢は無意識の状態を知るための強力な武器と言え、ユング派の心理療法においては「夢分析」を極めて重視する。
    ◆個人的無意識の主なものには、フロイトが重視した「エディプス・コンプレックス」、初期のアドラーが強調した「劣等感コンプレックス」などのコンプレックスがある。
    ◆普遍的無意識内には「元型」と呼ばれる人類に共通なもの(地域・時代的な文化の差によって影響は受ける)が存在し、これの意識内における働きを自我がイメージとして把握したものが「原始心像」と呼ばれる。元型には「グレートマザー(母なるもの)」、「影(自分の生きられなかった反面)」、「アニマ/アニムス」、「自己」などがある。
    ◆人間は外的環境からいろいろな期待や要請をされ、社会を円滑に動かすために、それに応じて行動しなければならないが、人間が外界に向けて見せるべき自分の“仮面”を「ペルソナ」という。男性が、男性としてのペルソナを持つために、無意識界に隠れた女性的な面を「アニマ」と呼び、女性が無意識界に隠した男性的な面を「アニムス」と呼ぶ。男性/女性はそれぞれのアニマ/アニムスを特定の異性に投影することがある。アニマはムードを好み、アニムスは意見を好む。
    ◆人間の「意識」は、「自我」を中心として、ある程度の統合性と安定性をもっているが、人間の心には、「無意識」も含めた一層高次の心の統合性を志向する傾向があり、そのような心全体の統合の中心を「自己」という。
    ◆人間の自己実現のためには、自我によってコントロールできない内界に目を向けねばならないが、ユングの最大のテーマは、西洋において確立された自我をいかにして自己へと結びつけるかであった。
    40年前の著作で少々読みにくい部分はあるものの、ユング派心理学の大枠を把握するには適当な一冊であろう。
    (2016年4月了)

  • 全体としては、ユング心理学の基礎編という感じで分かりやすかったが、中盤以降「普遍的無意識」「夢分析」などが主題になると、なんだか科学性が薄く感じられ、オカルトのようにさえ感じられた。ユング自身もオカルトに興味を抱いていたという。


    心理学ってもっと科学的な学問だと思っていたのだけれど、自分の求めているものが違ったのか、これを読んで素直に心理学を「科学」として受け容れられない気がした。

    平易な文章はとっつきやすく、万人に読みやすいと思うだけに残念。

  • 無意識という分野を勉強する上で、ユングの普遍的無意識を説明した本書は入門編としてとても勉強になったとおもう。

  • 小難しい。どうとらえていいかわからんまま終わる。

  • 「改版」が出ているが、自分に向いているのは古い版なのか新しい版なのか、どちらなのかよく分からない。とりあえず古い版を読んでみたが、ほどよく深くて読みやすい。
    内容はユング心理学の表面をさっとおさらいしている感じだが、時折著者の考察や解釈が入るのだが、これが鋭く言い当てているように感じて、これが版を重ねていて改版までされる理由なんだと感じた。

  • 多少難しいところはあったけど、それでもわかりやすくて面白かった。いろいろな思考が湧いてくる。手元に置きたい。

  • ・深層心理学では、ヒステリー患者の言う恐ろしい経験が実は虚偽であれ、それを患者が無意識に願望している事実であると考える。ヒステリー患者はそれが虚偽であるとわかったからと言ってヒステリーが治ることはないのは、その恐ろしい経験を実は渇望していることと、自分が渇望しているという事実を認識していない点が真の病理と言えるからである。
    ・自我=拡散と収縮という相反する運動を共存させる。拡散とは、無秩序の中で、ある一点を設定することで外界と内界という形で秩序付け、外界や内界との接触運動により、自己を変革しようという自我の働き。収縮とは、自分に統合性をもたらすために、雑多なものをまとめる自我の働き。
    ・普遍的無意識というユングの概念があるが、これがとても東洋的なのである。人間には意識の下部に個人的な無意識があり、そのさらに下部にはすべての人類に共通する普遍的無意識というものが存在する。いわゆる本能的なもの、人間の初期設定である。世界中の神話や宗教が似たような形をもつのもこの普遍的無意識によるもので、思うにこの普遍的無意識は人間に集団的思考、つまり自己犠牲の精神などをさせている。岡潔の無差別智に近い概念で、面白い。とても夢がある。
    ・シンボルと記号があるが、ユングの定義では、意味されるもの(シニフィアン)が理解できるものを記号といい、わからないものをシンボルという。決して言葉では説明できないが、お互い感じあえるものをシンボルという。

    レビューを書こうと読んでいるうちにいろいろなことに気付く。上記はまだまだ一部だが、何度も読むに値する本だろう。

  • こう、心理学の流れと基本的な考え方をざっくりまとめた本読みたいなーと思って借りた本。
    希望にばっちり合致してました。素晴らしい。
    あと偶然手に取っても、その時必要な本を読むようになってるなあとつくづく思います。
    もう何冊かこういう類の本を読んで予備知識を蓄えてから、有名古典に挑もうと思います。

  • ユングの元型についての考え方を確認したくて、何十年ぶりかの再読。で、よくわかった。人間の心は全体性を志向するもので、生きられない部分を無意識的に補おうとする。その作用を元型とよび、その作用が意識内にあらわれたものが、種々の元型イメージである、と理解しました。

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プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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