幼い子の文学 (中公新書 563)

著者 :
  • 中央公論新社
3.71
  • (22)
  • (9)
  • (32)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 301
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121005632

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 実に奥深い。かなり専門的だけれども、絵本を本当に知りたいという人は、一読すべきではないだろうか。

  • 170613読了。
    瀬田さんが晩年に日比谷図書館で「おはなし」したものを書籍化した一冊。
    内容がとってもすばらしくて、いいもの悪いものを明確に論じているのが本当に勉強になった。
    「行って帰る」話、私も創作するときはそんな内容ばかりだ!染み付いちゃってる!すごい!と思えるほどスタンダードな話で、それから動物が出てくる物語、シェローバー(シェルオーバー)の話はよい部分が詳しく解説されていて納得。
    瀬田さんが訳した抜粋も面白いし、最高だった。
    なぞなぞ、童謡についても今となっては有名なものがふわふわと記憶に漂うだけだったので、新しい知識と発見が嬉しくてたまらなかった。
    図書館で借りたのを急いで読んだけど、これは絶対買います。
    子どもができたら必ず読みたい本。

  • すごく面白かったです。
    全編、瀬田先生の「おはなし」の語り口調になっているので、講義をきいてるような感覚、そしてこんな先生に習いたいなという気持ちになりました。
    懐かしい物語が山ほど登場し、読み返したくなりました。
    マジックアンドミュージック。魅力的だと思います。

    個人的にはP186の「残酷さ」の部分が心に残りました。表現の規制が問題になっている時代。それでも、子どもの本を守るうえで失くしてはいけない描写だと感じました。

  • 「三びきのやぎのがらがらどん」「ナルニア国ものがたり」「指輪物語」・・・。訳書を挙げてみただけで、僕たちが受けた恩恵は計り知れないことがわかる。

    瀬田貞二。

    僕が心より尊敬する斎藤敦夫先生(主な著書「冒険者たち」)の、そのまた先生です。
    絵本、なぞなぞ、童謡、詩、物語・・・。先生が子どもを取り巻くべき「本当」の幼年文学について語った講演会の記録。ああこの場にいたかった。
    とっても易しく穏やかで、でも熱気に満ちていたであろう空気が伝わってきます。

    この本を読む時間、どれほどの発見と驚きと恍惚の震えに抱かれていたかを、僕はうまく言葉にできません。
    知ると言うこと、学ぶと言うこと、考えると言うこと、それらを欲する心をもつということが、子どもたち(それはつまり僕たちかつての子どもをも、だ)の人生をどれほど豊かにするのか。

    僕たちに瀬田貞二がいてよかった。

    てか、瀬田先生の本で1000円しないって、この本だけじゃね? そりゃ即買いでしょ。


    オマケ:斎藤敦夫の記した瀬田貞二の記録
    http://booklog.jp/users/gon623/archives/1/4907822022

  • 星いつつなのは、自分が児童文学に育まれた幸せに感謝して。

    瀬田せんせい!先生みたいな人が日本にいて、訳してくれた本を読めて私たちは幸せだった。
    there and back again、岩波少年文庫は心のふるさと。

  • 「ナルニア国ものがたり」や数々の児童文学の名訳でも知られる瀬田貞二氏。心底、文学を愛してやまず、子どもとその親に与える良き物語のあり方を、豊富な事例とともに、わかりやすく情熱的に伝えた大変素晴らしい著書です。読むたびに感動します。

  • なんだかしあわせな気分になれる本です。読み終わるのがもったいないほど。

  • 2019.9月
    瀬田さんの子どもの文学に関するお話。絵本だけじゃなくて詩、童謡、なぞなぞもあってなかなか奥深かった。子どもにこそしっかりした深い文学を。肝に命じて。

  • 愛情あふれる講義録。

    児童文学に対する愛情、美しいものにたいする愛情、こどもに対する愛情。
    それが一番の根底にあるから、これだけ説得力をもって迫ってくるのだと思う。

    単なる印象や、常識や道徳といったあいまいなものでなく、
    良いものを自分で分析した結果や、先達の分析や理論、そして具体的な作品を持ち出して
    訴えていて、研究者としての瀬田さんの側面も見える。

  • 児童文学や詩に関して
    とても勉強になった。

    すぐに役立つ!って訳じゃないかもしれないけど、
    今の私の経験でも、『たしかにー』
    って思える部分がたくさんあるから、

    これからたくさん経験を積んで
    またこの本に触れたいと思う。

    そんな本でした。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1916~1979年。現東京都文京区に生まれる。東京帝国大学国文科卒業。第二次世界大戦後、東京府立第三中学校に復職し、教師の傍ら雑誌に児童文学作品を投稿。後、平凡社勤務を経て、児童文学の創作、翻訳、評論の分野で活躍。1959年自宅に瀬田文庫を開き、毎週土曜日の午後に自宅を開放していた。代表的な作品『なんきょくへいったしろ』『あふりかのたいこ』など、再話『かさじぞう』『ふるやのもり』など、翻訳『指輪物語』のほかに『ホビットの冒険』『ナルニア国物語』などがある。

「2023年 『最新版 指輪物語7 追補編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀬田貞二の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有川 浩
サン=テグジュペ...
上橋 菜穂子
ユリー・シュルヴ...
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×