茶の世界史―緑茶の文化と紅茶の社会 (中公新書 (596))

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  • 中央公論新社
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レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121005960

感想・レビュー・書評

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  • 読了。

    茶の世界史 / 角山栄

    1980年発刊のようでして、現在は改訂版が出てるんですね。

    お茶にまつわるエトセトラ

    世界のお茶の流行と商品の流れ

    日本茶の境遇と末路

    二本立てですね。
    今では安心の日本産っていうイメージあるんですけど、当時は日本産は信頼がなかったようですね。江戸から明治になって一気に世界にもまれ内々ではなんとかなったものが外にでると最悪の結末になったり。
    中国の独占からいかにしてインド紅茶が世界に広がっていったかはなかなかおもしろい。

    今では抹茶ブームもありましょうが、紅茶ではない日本茶は文化で売るしかなさそうですねぇ

    とてもおもしろかったです。
    良本。

  • 今世界中で飲まれている紅茶、そして日本で飲まれている緑茶。
    古来からの文化と思われがちなこの文化、実は近代化による飲料文化の派遣争いがもたらした結果であった、ってことをすごく面白く、そしてしっかりと数字資料を交えて教えてくれる本でした。

    セイロン・アッサム茶って中国の茶文化と東インド会社がなければ存在しなかったんだな、とか、そもそも日本の茶の湯がヨーロッパに紹介されたのが茶文化の始まりなんだな、とか、アメリカでは昔紅茶じゃなくて緑茶を飲んでいた、とか、驚くことばかりです。すげえなあ東インド会社。

  • 1980年刊行の本。
    非常に面白かった。東洋の神秘の一つとして西洋に受け入れられたお茶が、いかに西洋において市民権を得たのか。経済活動の拡大に伴い文化財から重要な消費財に価値転換されるお茶。かつて憧憬の対象だった日本茶を阻む政界経済の壁と「世界のお茶文化」。
    数百年の流れがよどみなく分かりやすく解説されてお茶好きの好奇心をくすぐる良書でした。

  • 日本紅茶協会からいただいた本です。

  • お茶の文化史的、経済史的読み物。日本で文化として根付いていたお茶が国際化によってコモディティー化していく過程、お茶の中で紅茶が広まっていった反面で緑茶が苦戦した背景を描いた。
    たまたま図書館の返却棚に置いてあったことに気がついて借りたのが経緯。これまでと違う切り口から世界史を見つめる機会となった。カリブ諸国でプランテーションが築かれた背景、19世紀のイギリスの施策が今日の紅茶の勢力図の元になっていたことなど、知らないことが多かった。
    日本の緑茶が広まらなかった部分については、明治時代の文の引用が続き読みにくかったのと、精神論的な描写が見られたため、読み応えは少なかったが、総じて満足度は高かった。ちなみに明治時代のマーケティング不足による海外進出失敗の事案は、思い込みが先行した(?)現代にも通じるものを感じた。

  • 西洋への紅茶の流通がよく話題になる船で運ぶ間に発酵したという説が明らかな間違いである事と、かなり苦労して輸入していることがよくわかって良かった。
    また、開国後の日本の主力輸出品としての茶は現代のガラケー問題をさらにひどくしたような状況だと感じた。国内で浸透したものが海外展開に失敗した上に品質が悪いものを含んでいるというのは最悪の状況だと思うね。

  • 仕事に行く時、ステンレスボトルの3分の1くらいに濃いめの紅茶を
    作り、目一杯の氷を入れて持って行く。仕事場に着くころにはキン
    キンに冷えたアイスティになっている。

    これを仕事中に飲む。紅茶を飲み干しても氷が残っているので、
    今度はミネラルウォーターを入れて飲む。

    でも、昼休みはブラックの缶コーヒーを飲んでいる。だって、ペット
    ボトルの紅茶飲料は味が好きになれないのだもの。甘すぎたりするし。

    だから、誤解されることがある。コーヒー派なのだ…と。以前の職場
    では仕事中に助け舟を出してあげた同僚が、「お礼」と言ってわざわざ
    缶コーヒーを買ってくれたくらいに。

    あのね、実はお茶派なの。紅茶、緑茶、中国茶。お茶の方が圧倒的に
    好きなの。でも、せっかく買ってくれたものに「これじゃない」とは
    言えないよねぇ。

    なので、ボストン茶会事件なんて「なんてもったいないことをするんだ」
    と思っちゃうのだ。海に茶箱を投げ捨てるなんて…。私にくれ…ボソ。

    本書はイギリスではどのように紅茶が一般的な飲料になったのかや、
    明治政府が貿易品として力を入れた日本茶が何故、紅茶に敗北した
    のかを追っている。

    アメリカやカナダでは緑茶が広く飲まれたようだが、砂糖・ミルク
    入りなんだよな。それじゃ緑茶の風味も何もありゃしないと思うのは、
    やっぱり欧米人とアジア人の味覚に違いがあるからなのかな。

    本書は1980年に初版が発行されているので、この間に外国人と日本茶
    の関りも変化しているのではないかな。

    紅茶のようにフルーツや直物で香りをつけたフレーバー日本茶なるもの
    も登場しているしね。

    でも、薫り高い日本茶はやっぱりそのまま楽しみたいと思うの。

  • 西洋諸国に東洋の茶が広まる様子、贅沢品から生活必需品になり、アジアを支配していく様子が詳しく分かりやすく書かれている。
    始めにオランダ船で西洋に渡った茶は日本茶だが、本格的に日本が茶の世界史に参加するのは開国後。世界市場では紅茶が主に流通していたので、情報が無い中で国内では需要の無かった紅茶作りに奮闘し、世界の各市場で競争することになる。

  • その葉で作る水が多くの人々を魅了し、遂には戦争まで起きてしまう、恐ろしくて妖しい木です、お茶の木は。

  • 東西文化交流史の一翼を担うお茶。一時は交易の中心となり戦争の引き金にもなったお茶を歴史的観点から考察した本です。

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著者プロフィール

1921年(大正10年),大阪市生まれ.1945年,京都大学経済学部卒業.和歌山大学経済学部教授を経て,同大学名誉教授.和歌山大学学長,堺市博物館長を歴任.2014年10月逝去.

「2017年 『茶の世界史 改版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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