理科系の作文技術 (中公新書 (624))

著者 : 木下是雄
  • 中央公論新社 (1981年9月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121006240

理科系の作文技術 (中公新書 (624))の感想・レビュー・書評

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  • ブクログ仲間さんのレビューを拝見して読んでみました。

    文章を書くことを指導するための文章を書く、というのは想像するだけで難しそうなのに、著者の筋道立った筆の運びはとても整っており、見習わねばならぬことばかりでした。
    指導の内容を本文の中でしっかりと実践されていて、著者のきめこまやかな配慮とライティングに対する静かな情熱が感じられます。
    全体の構成、段落や文の作り方、記号や単位の使い方まで、明解かつ簡潔に論文を書くための基本を学ぶことができました。

    最近はイラストや大きな文字で論文やレポートの書き方を解説している本も増えていますが、学生さんにはぜひ本書も薦めたいと思います。

  • 僕がこれまでに読んだ全ての啓発本の中で最も偉大な本の一つです。
    理科系の仕事(あるいは研究)に就く全ての社会人及び学生が必ず読んでおくべき本です。マジで必読です。
    何なら僕は15年前にこの本に出会っておきたかった。
     
    読者は、終始この本から、「あなたが書いた下手な文章が相手の時間を乱暴に奪い続けてるんだけど、気づいてる?」と問いかけられます。
    この問いに対して自信を持って「オレの文章はそんなことないぜ!」と答えられるようになるためにまず必要なのは、「読者の身になって自分の書いたものを何度も何度も見直す心掛け」だそうです。
     
    日本では、非常に多くの企業が、労働時間の削減だとか、生産性の向上だとかを目標に掲げてことごとく失敗していますよね。僕が勤めている会社もそうです。
    でも、業務文書の書き手がへたくそなせいで、読み手が内容を理解するのに余計な時間を費やしたり、勘違いが発生してそれを解消するのに時間がかかったりしているんだから、書き手の作文技術を改善しようよ、という視点で問題に取り組んでいる企業ってどれぐらいあるのかな?と思ったりします。
    実は理科系の仕事って、文章を書いたり読んだりする機会ってとても多いんですよね。
    自分が、ある一日に会社でどんな作業をしていたかを細かく分析すると、メールの返信やら仕様書の推敲やら、とにかく作文作業に割いた時間が意外と多いと気づきます。そしてそれらの文章は常に複数の他人に読んでもらうことを目的としています。当然自分が読み手側になることだって多々あるし。
    だからこそ、書き手である自分は、冒頭で書いた「心掛け」が必要なんだと強く叱咤された気分で(あるいは怒られたような気分で)この本を読みました。
     
    では、書き手が、具体的にどのようなことに気をつければ、作文技術が改善するのか。この本に学んだことの一部を紹介します。
    (1)事実と意見を明確に区別して書く
    (2)できるだけ短い文章で文を構成する
    (3)いつでも「その文の中では何が主語か」を意識して書く
    (4)まぎれのない文を書く、読者が理解できるように書くだけでなく誤解できないように書く
    (5)ぼかした言い方を避ける、「ほぼ」「ぐらい」「らしい」などのぼかし言葉は本当に必要か吟味して書く
    (6)なくてもすむ言葉は、一つも書かない
    (7)できるだけ、受身(受動態)でなく、能動態の文を書く
     
    この他、筆者はこの本の中で、子どもに言語技術教育をしっかりとおこなう欧米に対し、日本はこれを軽んじていることについても危惧されていました。
    例えば、上記の、(1)事実と意見を明確に区別する、について、アメリカの小学五年生の国語の教科書には以下のような問題が出題されているそうです。
    こういった教育を僕は受けた記憶が無いので驚きでした。
     [問題]
    以下の(a)と(b)の文のどちらが事実の記述か?もう一つの文に述べてあるのはどんな意見か?意見と事実はどう違うか?
    (a)ジョージ・ワシントンは、米国の最も偉大な大統領であった
    (b)ジョージ・ワシントンは、米国の初代の大統領であった
     
    皆さんも、ぜひ読んでみて下さい。本当におすすめの本です。

  • 大学生なら必ず一度は勧められるであろう、作文技術の名著。
    本書が教えるのは、画期的な文章術というよりは、作文のごく基本的な心得のようなものだ。
    この本を読んでいて感じるのは、著者の木下是雄先生がめちゃくちゃすごい人だということ。本の中で教える心得を、徹底的に実践しているのがひしひしと伝わってくる。
    本書で理想とされる、簡潔・明快で、誤解の余地を与えず、読みやすい文。流れがすっと頭に入ってくる章立て。本書それ自体が、こうしたことの最大のお手本になっている。そこがこの本のすごいところだと思う。
    作文技術を教える本を書くという行為には、自分が書いたことを完璧に実践してみせることが求められる。ここに生まれる緊張感と、それをやってのける手腕の見事さ。こうしたものを本書を読むことで感じることができる。実用書としてすぐれているだけでなく、魅力的な読書経験を与えてくれる本。

  • 「理科系」とあるだけあって例文が理科系のものが多く、読むのに疲れたが、理科系に限らず一般的な文章論として通用する本だと感じた。

    印象に残ったのは「逆茂木型」文章を極力書かないようにというところ。
    日本語は欧米語と違い修飾語が被修飾語の前に来るため、修飾語が長くなると分かりづらくなるので注意する必要があるといった意味合いのようであった。

    あと月並みであるが「事実」と「意見」を明確に区別するというところも改めて認識させれたれた部分であった。

  • 日本語の文章でよく見られる「であろう」や「といってもよいかと思われる」は英訳されないそうです。そもそも、事実と自己の見解を明確に示すべき理科系の文章に、そのような曖昧な表現は必要ありません。ただし、特許の明細書では少し勝手が違うようです。

    少しでも広い権利範囲を獲得すべく、構成要素の表現などにおいて機能的に記載されることがあります。また、「本実施例では…を用いたが、…でもよい」などの記載をよく見かけます。後者の記載はいいとして、問題は前者の記載です。広く権利を取りたい気持ちはわかりますが、その機能を有する構成要素をすべてカバーして何の意味があるのでしょうか。また、その機能を有する物が現実として使用される場合、数種類に限られるのではないでしょうか。機能的記載は、不明確として拒絶されるのが関の山です。

    機能的記載は対象製品が明確でない特許によく見られます。企業人なら、製品と結びつけて(売り上げに貢献)なんぼです。知財人として、常に製品と結びついた明細書の作成に臨みたいと思います。

  • 論文で伝わるように書く日本語とは、どのようなものであるべきか、
    そういったことをまとめている本。
    理系論文に求められることは、小説などに求められることとも
    違うので、どういった書き方をするのがいいか、を根拠を持って
    勉強できる点がいい。
    日本語で理系文章を書くときには必須の視点である。

  • IT研究者のひらめき本棚 ビブリオ・トーク:私のオススメをみて読みたくなった。
    TCの勉強用に

  • 理科系の仕事で必要となる論文やレポートの書き方について解説している本です。

    原稿用紙の使い方について解説している箇所は、現代ではおそらく必要のない叙述でしょうし、また参考文献に関する説明やプレゼンのしかたなどの説明は、もう少し新しい本を参照するべきでしょうが、こんにちの読者にとっても十分に役立つ内容が含まれています。

    なお、文科系に向けて書かれた本として、本書とはべつに『レポートの組み立て方』(ちくま学芸文庫)が刊行されていますが、パラグラフの構成や、文における修飾語句の処理のしかたなど、文科系の読者にとっても本書はおおいに役に立つように思います。

  • ライティングの古典。学部時代に読んだときにはあまり理解できなかった思い出がある。今,読んでみると内容は簡潔で,「大事なことを先に書け」がメインテーマかなと思う。~と思うなどの語末の表現に関連して英語圏文化と日本の文化の違いにも言及している。

  • ずっと気になっていたので読んでみました。

    > 「私がこの書物の読者と想定するのは、ひろい意味での理科系の、わかい研究者・技術者と学生諸君だ。これらの人たちが仕事でものを書くとき――学生ならば勉学のためにものを書くとき――に役立つような表現技術のテキストを提供したい」。

    序章で著者がこう述べているように、本書は主に理系層がターゲットとなっています。
    しかし、実際に読んでみると、文書を書くすべての人におすすめできる内容になっています。

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