地政学入門: 外交戦略の政治学 (中公新書 721)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007216

感想・レビュー・書評

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  • 茂木誠氏の推薦コメント。
    「冷戦末期に書かれた本なので国際情勢分析は古いが、地政学の理論を知るための手軽な入門書としては便利。

  • <目次>
    はじめに
    序章 地球儀を片手に
    第一章 マッキンダーの発見
     1 地政学の起こりと古典
     2 英国の海上権の衰退
     3 西欧シー・パワーの起源と由来
     4 ハートランドの動向
     5 ヨーロッパ半島の運命
     6 自由社会の処方箋
     7 最後の論文
    第二章 ハウスホーファーの世界
     1 ハウスホーファーと日本
     2 生活圏の哲学
     3 広域の思想
     4 太平洋の地政学
     5 大東亜共栄圏との関連
     6 悲劇の結末
    第三章 アメリカの地政学
     1 モンロー主義の発展過程
     2 西半球防衛の展望
     3 汎米主義と二つのアメリカ
     4 アルフレッド・マハンの遺産
    終章 核宇宙時代の地政学
     1 ソ連と地政学
     2 アフリカおよび中近東の地政学
     3 危機の狐
     4 インド洋―世界の地中海
    参考文献について

    ***

    地政学とは地球全体を常に一つの単位と見、その動向をリアル・タイムでつかんで、そこから現在の政策に必要な判断の材料を引き出そうとする学問の謂であり、かなり高度な政策科学の一種である。従来、ともすれば誤解されがちな観念論でも宿命論でもない。国際政治学が国際関係を静態モデルの連続として、その間の変化を細かくとらえようとするのに対して、地政学は国際関係を常に動態力学的な見地から見ようとするのである。
    (本書カバーより)

    ***

    地政学の古典的な入門書。
    いきなりマッキンダーを読むのは厳しそうでしたのでこちらから挑戦してみましたが、私の場合は一読では「なんとなく読み終わった」という感じです。
    もう1回、今度は地図とノートを片手に読み直そうと思います。

  • 今のように混沌とした世界がどうなっているのか知りたくて、ではなくてw、地政学を知りたくて読みました。次は何読もうかな

  • 序章 地球儀を片手に
    第一章 マッキンダーの発見
    第二章 ハウスホーファーの世界
    第三章 アメリカの地政学
    終章 核宇宙時代の地政学

  • 1984年刊行。著者は東京理科大学教授。◆英人マッキンダー、独人ハウスホーファー、米国モンロー主義、ソ連の戦略、これらを通底するlandパワーとseaパワーの相克関係、これらが叙述テーマだが、まさに近代国際政治史の一面を照射。中でも欧米近代史を判っていた方が読み応えがあるかもしれない。◆ハウスホーファーの見解を戦前日本(軍部?)が摂取した可能性に触れられるが、その不十分さも鋭く指摘(特に日中戦争の不毛さ)。また、日本はlandパワー国にはなり切れない点も感得可能かな。◆ソ連(=露)内陸には大河が多数。
    それらは何れも外洋航海可能な3000t級艦船の航行可能。つまり、物資輸送(武器輸出・原料輸入など)という観点において、ソ連内陸から外洋へのsea-roadが開かれており、これは他国(というよりlandパワー国家)には余り見受けられない特異さという点に注目。

  • 20161124~1211

  • 久しぶりに大学院時代の学友と再会をした。せっかくなので継続的に会おうという流れになったのだが、その肴として一緒に本でも読もうかということで出てきたのが地政学。

    実際に読むのは別の骨太な本なんだけど、その予習として読んでみたのがこの本。だってタイトルが「地政学入門」なんだもの。

    というのは冗談で、マッキンダーとハウスホーハーを取り上げてる、ってのが理由。ざっくりと地政学がわかるんじゃないかと思ってる。そのため期待度は高め。

    章立ては
    序章 地球儀を片手に
    第一章 マッキンダーの発見
    第二章 ハウスホーファーの世界
    第三章 アメリカの地政学
    第四章 核宇宙時代の地政学
    で構成されている。

    特に今気になっているのはマッキンダーの地政学。

    要するに、
    海上貿易国家の立場からハートランド、つまり大陸を支配する国家の出現を防ぐ、それがマッキンダーのハートランドの理論。そこでは、第一次世界大戦はユーラシア大陸のハートランドを制覇しようとするランドパワーと英国のようなシーパワーの闘争であり、東欧を支配する強力な国家の出現を許してはならない。
    その手段としての勢力均衡であり、国際連盟だ!
    といったところかな。

    この本自体が30年程度昔の本であり、マッキンダーの主著は100年ほど昔の本。そのため、記載内容は古臭いことも多い。
    しかし、イギリスが大陸を支配するドイツやロシアへどう対応したかという教訓は、今の海洋国家である日本にとっての大陸の脅威をどう考えるかの参考になるんじゃないかな、と思う。

    あ、それなら、この本をガイドにマッキンダーの地政学を読むほうがいいのかもね。まずはこの本で予習して、考える物差しを準備しとこう。

  • 30年経っても色褪せない、深い洞察に感嘆した。
    天気予報のアメダスのように、ある時点の過去10年からこの先10年を考察する視座を与えてくれるのが地政学なのかも。

  • 60冊目。

  • 外交に関するニュースや、外国の政府の高官の発言などで
    「地政学的に」というキーワードがありますよね?
    これまでは「あーそうなのか」という感じでした。

    ふと、以前から気になっていた地政学の本書を買って読んでみました。
    過去の歴史や民族問題、商工業の発達など、
    さまざまな要因を例として地政学を説明する良書だとおもいました。

    ニュースをみていてふと疑問におもう、
    「南シナ海はなぜ軍事的に重要な場所なのか?」
    「朝鮮半島は地政学的に重要なのは本当か?」
    「日本は地政学的に重要な場所ではないって本当?」

    という答えが書いてあるわけではありませんが、
    読んで理解すればだれでも自分で答えを導き出すことが可能です。
    自分は、たとえば「地政学的に重要ではない」という点について、
    計り知れないほどのメリットがあることに気がつき、
    本書のような新書に出会えたことをうれしく思いました。

    最近いろいろ地政学の本が出てるのですが、
    自分はこれ一冊であとは『100年予測』のシリーズで十分かな。

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