福沢諭吉 (中公新書)

  • 中央公論新社 (1984年3月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784121007223

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  • 可もなく不可もない、ごく普通の解説本。

  • 福沢諭吉の思想と生涯を解説した評伝。西洋文明への憧れを抱きつつ時代の中で苦闘し、同時代の中でも抜きん出た「文明」の理解に到達し、国民国家の進むべき道を探る福沢の姿を描き出している。

    『西洋事情』『学問のすすめ』『文明論之概略』などに見られる福沢の思想を解説した箇所では、福沢を同時代の文脈の中に置くことで、その卓越した文明批評の「眼」が分かりやすく説明される。イギリスの福沢研究者であるC・ブラッカーは「福沢ほど明確にまた強く、文明というものが「物」の問題ではなく、まさに人間の考え方のそれであることを主張した者はなかった」と述べた。著者はこの言葉に沿うような仕方で福沢の説いた啓蒙思想の意義を解き明かしてゆく。

    「日本とても西洋諸国とても同じ天地の間にありて、同じ日輪に照らされ、同じ月を眺め、海を共にし、空気を共にし、情合相同じき人民なれば、……恥ることもなく誇ることもなく、……天理人道に従て互の交を結び、理のためには「アフリカ」の黒奴にも恐入り、道のためには英吉利、亜米利加の軍艦をも恐れず、……国の威光を落さざるこそ、一国の自由独立と申すべきなり」という『学問のすすめ』の言葉は、福沢の信条をよく示していると著者は述べている。まさにここでは、「物」の問題ではなく人間の考え方の問題としての「文明」という観点から、「一個人の独立」と「一国の独立」が相即不離の関係にあることを論じる福沢の思想が簡潔に提示されている。

    後半では、自由民権運動への関わりや「脱亜入欧論」などが検討される。著者は、当時の日本がおかれた状況を冷徹な眼で眺めつつ、一人ひとりの国民に日本の進むべき道を訴えかけた国民国家論者として、福沢を理解しようと試みている。

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