ラ・ロシュフーコーと箴言: 太陽も死も直視できない (中公新書 801)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121008015

作品紹介・あらすじ

人間を強くかつ偉大なものとみなす古典的ヒューマニズムの代表的思想として、16世紀から17世紀のフランスにおいて1世を風靡したセネカへの徹底的批判から生れたのが『箴言集』である。パスカルと同時代に、人間を弱くはかない存在とみる全く新しい人間観を提出することで、古典的人間観にとどめをさしたラ・ロシュフーコーの、波瀾に富んだ生涯を辿りながら、箴言の生れた背景を探り、その真の味わい方を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 『箴言』をまとめた思想家のラ・ロシュフーコーに光をあて、そこに至るフーコーの人と、なりをその当時の歴史的背景、サロン文化からめ案内をしていく内容。
    理性で情念を克服できるとした、セネカをはじめストア派の哲学者に反発し、フーコーはそもそも『人間は弱きものであり、情念に流されてゆく弱い存在にすぎない』のだと説く。
    日本における謙虚さに近いニュアンスで語られるのも面白い。フロイトの300年前に自己愛について語る、フーコーの箴言集を早速Amazonでポチッとした。

  • 哲学は一生理解できないものだと
    思っていました。
    なので、冒頭の部分で哲学が出てくると
    気がついたとき、絶望しました。
    大嫌いなのは哲学だから。

    だけれども、彼はひねくれものだけれども
    きちんと真意をついているのです。
    特に恋愛。
    きれいごとじゃないということは
    彼の言葉を読めば気付くのです。
    結婚だって甘ったるいものじゃないです。

    それがある言葉にこめられていますが
    今の女性たちでも
    否定する人はいるでしょうね。
    でも、愛はきれいごとばかりじゃないものさ。

    ロシュフーコーの人生も
    すごいなと思いました。
    でも、知性はあっても
    もてなかったのは悲しいものです。

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