- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121008336
作品紹介・あらすじ
大伴弟麻呂に始まり徳川慶喜で幕を閉じる征夷大将軍の歴史はほぼ千年を閲する。しかし、木曽義仲と源頼朝とではその持つ意味は同じだったのか。制度上、京都の外にあることを前提にした幕府は足利氏の室町幕府の出現により、どのように変質したのか。天下人・信長、秀吉が将軍とならず、家康が将軍となり幕府を開いたのはなぜか。天皇主権と並び、それを置きかえるに至った政治主権の構造を初めて明らかにする画期的労作。
感想・レビュー・書評
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(1991.08.16読了)(1989.02.19購入)
副題「もう一つの国家主権」
*本の帯より*
七百年にわたる政治権力の構造を解明する新型歴史学の誕生
大伴弟麻呂に始まり徳川慶喜で幕を閉じる征夷大将軍の歴史はほぼ千年を閲する。しかし、木曾義仲と源頼朝とではその持つ意味は同じだったのか。制度上、京都の外にあることを前提にした幕府は足利氏の室町幕府の出現により、どのように変質したのか。天下人・信長、秀吉が将軍とならず、家康が将軍となり幕府を開いたのはなぜか。天皇主権と並び、それを置きかえるに至った政治主権の構造を初めて明らかにする画期的労作。
【目次】
はしがき
一 もう一つの主権の歴史
二 征夷大将軍前史
三 古代征夷大将軍
四 征夷大将軍と鎮守府将軍
五 藤原忠文の征夷大将軍問題
六 木曾義仲の征夷大将軍
七 頼朝における征夷大将軍前史
八 右近衛大将と征夷大将軍
九 鎌倉殿・総追捕使・将軍
十 鎌倉幕府と征夷大将軍
十一 鎮守大将軍と征夷大将軍
十二 足利公方体制
十三 鹿苑院太上天皇
十四 天下人と将軍
十五 徳川の征夷大将軍
十六 禁中並公家諸法度
十七 宗教的皇帝と世俗的皇帝
十八 国際法上の征夷大将軍
十九 攘夷論と征夷大将軍
二十 大政奉還と征夷大将軍
二十一 大政委任の論理
二十二 徳川朝敵瘠我慢
☆高橋富雄さんの本(既読)
「奥州藤原氏四代」高橋富雄著、吉川弘文館、1958.12.25
「地方からの日本史」高橋富雄著、日本放送出版協会、1987.10.01詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
征夷大将軍という役職の意味、鎮守府将軍との違い、武家と将軍職、といったところか。
是が網羅されているのは非常によいことです。ただ、あらためて読んで、日本史を3つの幕府を使って「武家の時代」と呼ぶのはやはり空しいように思います。
大和朝廷→律令国家=法令国家(8世紀〜10世紀)→王朝国家=法令・血縁共同体(10世紀〜12世紀)→地縁・血縁共同体国家(12世紀院政〜15世紀足利時代)→戦国時代(1494明応以降)くらいがいいんじゃない?
まあ今10分くらいで考えたので全く説得力ありませんね・・・。
坂上田村麻呂と徳川慶喜が一緒に語れる稀有な一冊。