江戸時代を考える: 徳川三百年の遺産 (中公新書 870)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121008701
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作品紹介・あらすじ

いわゆる「日本的」な文化が江戸時代に形成されたのはなぜか。近代を準備するどんな要因がつくられたのか。従来の一面的な江戸時代理解を見直しつつ、これらの設問に答える。また著者は、この時代の新しい文化の潮流は、日本が文化的に中国文化圏から独立しようという自己主張であったこと、歴史上国家は中断していて近世にはいって新しい国家が成立したという見解を踏まえて、近代との連続性と断絶性とを広く考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 積読本消化のため日本史系続行。1988年刊。著者は専修大学教授。明治維新(ないしペリー来航)の前後で時代相が断絶しているのがステレオタイプな見方。著者は、この見解に異議を唱え、江戸時代との連続性が明治維新のある種の成功を導いたとし、本書にて江戸時代の全体像(特に文化面や習慣等の社会生活面)を素描しつつ、後代との関係性を明らかにしようとする。刊行時と異なり、今から見れば維新前後の断絶性と連続性の両面があることはよく言われる。その意味で、本書自体の今の価値は、江戸時代の全体像のおさらいに適した書という点か。
    教科書的な江戸時代像を打破するには大石慎三郎教授の方が良いと思うが、あまりラディカルな見解に立っていない著者は安心して読めるというメリットがあるかも。

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著者プロフィール

専修大学文学部教授

「1993年 『今村力三郎「法廷五十年」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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