新・日本の外交―地球化時代の日本の選択 (中公新書 1000)

著者 :
  • 中央公論新社
3.59
  • (6)
  • (12)
  • (20)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 149
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121010001

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 名著『日本の外交』の続編として出された新書。

     歴史家が、「現代」「現在」を語ることの難しさを痛感させられた著作。外交史の大御所である入江昭氏が書いた著作であっても、15年経った現在読んでみると、論証の度合いや認識不足という点が気になってしまう。

     歴史家は常に、過去の一事象を取り上げて論じる。もちろん、その一事象の原因・背景・経過そして影響までも知った上で、その一事象について論じるのである。しかし、現在は違う。我々が生きる現在には、過去はあっても未来はない。現在を形作っている原因・背景すらもはっきりしない。
     そのような状況の中で、現代史の通史を描くことは歴史学者として勇気のいることだと思う。


     さて、本書の肝心の中身であるが、冷戦は終結からソ連崩壊の間に書かれているため、時代の「過渡期」で試行錯誤している様がうかかがえる。
     その一方で、前作から貫かれている「定まらぬ日本の外交姿勢」ということは明確に打ち出されている。今や当たり前の概念となったボーダーレス時代の地球を見据えた著作と言えるだろう。

     ただ、日米関係の考察は鋭いものがあると思うが、日韓・日中関係についてはやや考察が甘い部分があるように感じた。

  • 『新・日本の外交――地球化時代の日本の選択』(入江昭、1991年、中公新書)

    第二次対戦後の国際政治史を詳細に解説している。すばらしい分析力をもって書かれている。国際関係の流れが国際政治、国際経済の両側面から説明されているので非常にわかりやすい。

    初版が1991年であるため、近時の国際関係については記述がないが、80年代までの国際関係と日本外交の流れを学習するには非常に有益である。

    (2009年6月29日)

著者プロフィール

ハーバード大学名誉教授

「2017年 『西洋の論じた日中・太平洋戦争 同時代英語文献復刻シリーズ  第2回配本:戦中期編 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

入江昭の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
H.ニコルソン
ヘンリー A.キ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×