漱石の倫敦、ハワードのロンドン 田園都市への誘い (中公新書 1037)
- 中央公論社 (1991年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784121010377
感想・レビュー・書評
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産業革命後のロンドン、そこには田園都市計画を実行しようとするハワードがいた。その時代背景としての芸術運動、文学、音楽そして公園(かつては貴族所有のもの)自然、そして産業と農業、貧富の差...同時期にロンドン留学をしている夏目漱石...の二本柱の構成。
今、日本の都市のあちらこちらで大なり小なりの都市計画が行われ、同時に山林、里山のあり方、海岸や河川...の土木工事...。
人が大事、自然も大事、豊かさも必要で心を潤す芸術や音楽も忘れてはいけない...
都市計画...
新たに手を加えるとき、それを実行しようとする人たちの見識の広さ、深さによって出来上がるものが大きく変わるような気がする。
この本の中では確か「建築」も芸術とされていてその建築を一度は志し、諦めた人たちが関わっていることを知った。
勝手な解釈だけど、都市計画も芸術の視点を持って行って欲しい...
なぜなら...そこには「人」が住むのだから...
ランドスケープデザインを学んだことがあり、都市計画にも興味があって手に取った本。
そして芸術には時代背景ってある訳で...(芸術って人が生み出してる訳だし...)
なんだかとっても興味深く読んだ本。
参考文献もたくさんあって...それも気になる。
視野を広げてくれる勉強になった本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
請求記号:SS/318.7/A99
選書コメント:
イギリスに留学した夏目漱石と、エベネーザ・ハワードというガーデン・シティ構想を実現した人物がちょうど同時代にロンドンにいた偶然。
(環境創造学部環境創造学科 高井 宏子 教授) -
世紀末ロンドンを生きた2人の社会思想家、E.ハワードと夏目漱石とを題材に、当時のロンドン社会の様相をするどく浮き彫りにした一冊。物質的反映を理念とした日本の近代化に疑問を感じた漱石は、精神的充足を求めるイギリス世紀末の社会観に影響を受け、論考にふけ、帰国後様々な名著を世に出す。ハワードは生涯理想主義者であり続け、また同時に自身を「発明家」と呼び、理想の実現に全力を投じる。ハワードに魅力を感じ、生涯彼のパトロンとなった戯曲家バーナード・ショーの存在も物語を一層ダイナミックなものにしてくれている。
今、社会に必要な都市計画は何なのか。都市計画とは社会の投影とも言うべき社会的な存在であることを再認識し、常に理想の姿を追い求めてこそ新たな道が開けることを忘れてはならない。1世紀前の社会改革家たちから学ぶべきものは極めて多い。
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